2025年ヴェネチア・ビエンナーレ日本館は青木淳×生成AI、「使っていないからこそ“先”を見てみたい」

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 国際交流基金は7月11日夕方、2025年5月に始まる第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館のキュレーターに、建築家の青木淳氏を選んだと発表した。

 テーマは「中立点 生成AIとの未来」。東京・四ツ谷の国際交流基金で行われた会見に参加した筆者(宮沢)は、「青木さんがAI!?」と驚くとともに、「これは見たい!」と思った。例えば、本サイトで連載してくれた山梨知彦氏が「生成AI」をテーマとするならば「なるほど、だろうな」と思う(例えばこの回)。が、青木氏のこれまでの建築とAIが全く結びつかない…。その辺りを青木氏はこんなふうに説明した。

(写真:宮沢洋)

 「生成AIと人間の“中立点”を探す過程から、設計や都市づくりを考えたい。芥川賞をとった九段理江さんの『東京都同情塔』などを読むと、AIが現代のものづくりの大きな問題であるということを考えざるを得ない。みんなが正しいと思う言葉だけをAIが拾っていくように、建築もやがてそうなっていくのか。自分の設計の進め方は模型が主で、AIを設計に使ったことはない。だからこそ、AIの“この先”を見てみたい。ディストピアを描くのではなく、一縷(いちる)の望みを見いだせればと思う」。(会見時の青木氏のコメントをざっくり要約)

 参加チームはこんな体制だ。

キュレーター:青木淳(AS Co Ltd.代表)
キュラトリアルアドバイザー:家村珠代(多摩美術大教授)
出品作家:藤倉麻子+大村高広(アーティストと建築家によるユニット)
     砂木(木内俊克と砂山太一による建築ユニット)

左から大村高広氏、藤倉麻子氏、青木淳氏、家村珠代氏、木内俊克氏、砂山太一氏

 展示計画や日本館(設計:吉阪隆正)の改装は、AIとキュレーターチームが対話しながら進める。展示はそのプロセス自体が中心だ。

ヴェネチア日本館 AIによる改修イメージ図 (c)藤倉麻子+大村高広

 こんな外観イメージ↑がひとまず発表されたが、おそらく全く違うものになるのだろう。「実際にどうなるのか、来年の5月をお楽しみに」と青木氏。

生成AIとの対話を青木氏が説明する様子

 この記者発表には何度も参加しているが、こんなに最終形がイメージできないのは初めてだ。でも、「青木淳×生成AI」ってすごく気になるではないか。正直、普段使いこなしている人がやったとしても「ふーん」だが、これは見たい…。プロジェクトがもう少し進んだら、青木氏に話を聞きに行ってみたいと思う。

 第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展は2025年5月10日から11月23日まで一般公開の予定だ。(宮沢洋)