湯島で「DOCOMOMO Japan 300選」記念展が開幕、「建築好きのための3つの楽しみ方」を教えます!

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 東京・湯島の国立近現代建築資料館で8月29日(土)から「DOCOMOMO Japan 300選 選定記念 『モダン・ムーブメントと建築の現在』が始まった。2025年にDOCOMOMO Japanの選定件数が300件を超えたことを記念し、選定建築の中から約100作品を取り上げる。全体会期は2027年2月23日までの約半年間で、前期と後期で展示が総入れ替えとなる。

no.086「塔の家」(1966、東孝光)の模型について解説するDOCOMOMO Japanの鰺坂徹代表理事(写真:宮沢洋、以下も)

 8月28日に、前期(第1部)(2026年8月29日~11月23日)の内覧会が行われた。第1部「価値と魅力」では、2000年から始まった選定の歩みをたどりながら、各建築の価値や魅力を、建築にまつわるエピソードを交えて伝える。

会場全景

 出展作品は下記の建築など約50件。
吉阪隆正+U研究室|大学セミナーハウス【1965年/選定 no.019】
ル・コルビュジエ|国立西洋美術館【1959 年/選定 no.059】
菊竹清訓|東光園【1964年/選定 no.078】
菊竹清訓|萩市民館【1968年/選定 no.161】
大髙正人|広島市基町団地・広島県長寿園団地【1969-78年/選定 no.174】
菊竹清訓|館林市庁舎【1963年/選定 no.272】
原広司+アトリエ・ファイ建築研究所|ヤマトインターナショナル【1987年/選定no.290】

 ベースの壁面展示は各建築を掛け軸のような縦長展示で見せる。詳細情報をQRコードでWEBサイトに飛ばすのは今風。だからといって楽をしているわけではなく、すべての展示に図面が入っているので、大体のことがわかる。

 筆者(宮沢)は国立近現代建築資料館を設立時から応援しており(こちらの記事参照)、DOCOMOMO Japanも発足時から注目している(こちらの記事参照)。両者が組んだら、当然面白いに決まっている。BUNGANETの読者の多くもそう思っているだろう。当たり前のことをここで書いても読んでもらえないと思うので、筆者が考える「建築好きのための本展の楽しみ方」を3つ書く。

1)未見の建築を探す

 この暑さの中で国立近現代建築資料館に足を運ぶ人は、重度の建築好きと考えられる。本展はとにかく超有名建築がずらっと並んでいるので、そんな人が「知っている建築」をすべてじっくり見ていったら疲労困憊してしまう。なので、本展では「知らなかった建築」や「まだ見たことのない建築」を中心に見るのがお薦めだ。

 筆者がまだ見たことのない建築は以下の6件だった。

no.101「甲子園大運動場」(1924、阪神電鉄+林組(野田誠三+今林彦太郎))。甲子園球場って、DOCOMOMO選定だったのか! まだ見たことがない!
no.146「佐世保無線電信所」(1922、臨時海軍建築部(吉田直))。全く知らなかった。確かにかっこいい
no.214「ルーテル神学大学」(1969、村野藤吾)。もちろん知っているけれど、まだ見たことがない。見たい!!
no.255「福井神社」(1957、五十嵐直雄)。全く知らなかった。ついこの間、福井に行ったばかり。無念…
no.264「田野畑中学校寄宿舎」(1974、早稲田大学穂積研究室)。なんと現存しているのか。早く見なければ
no.299「COMBLÉ」(1988、倉俣史朗)。これも、見たい見たいと言いながらまだ見ていない…

2)すごい建築のすごい原図をじっくり見る

 すべてではないが、目玉の建築については原図が展示されている。それらが放つエネルギーがすごい。筆者はこの資料館で開催された展覧会をほとんど見ているのだが、それでも初めて見る図面ばかりだった。

うわっ、レーモンドの原図。no.017「群馬音楽センター」(1961、アントニン・レーモンド)。セロテープの跡もオーラを放つ
軍艦マンション! no.149「第3スカイビル」(1970、渡邊洋治)。まるで立面図のような平面図
no.078「東光園」(1964、菊竹清訓)。今年6月に亡くなった遠藤勝勧氏らの狂気を感じる
東光園の図面の中にこんな図が…。上部の大梁から吊っている客室がユニット型で3層ある!

3)後期(第2部)で何が展示されるのかを予想する

 前述の通り、本展は前期と後期で展示が総入れ替えとなる。一部入れ替えはよくあるが、総入れ替えというのは、よほど見せたいものが残っているのだろう。後期(第2部)のテーマは「継承と活用」。「40余りの建築が失われたことを示しながら、リユースされた建築や、時代とともに姿を変えた建築がどのように受け継がれてきたかをたどる」とのこと。前期のラインナップを見ながら、それを予想してみよう。

ロビーに全選定建築の写真が竣工年順に掲示されているので、それをヒントに

 第2部の会期は12月3日~2027年2月23日。答え合わせは、12月3日ごろにリポートする。(宮沢洋)

■展覧会概要
DOCOMOMO Japan 300選 選定記念「モダン・ムーブメントと建築の現在」

主催:文化庁
共催:一般社団法人 DOCOMOMO Japan
企画:文化庁国立近現代建築資料館、DOCOMOMO Japan

協力:公益財団法人 東京都公園協会
会場:文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島 4-6-15 湯島地方合同庁舎内)

会期:第1部「価値と魅力」 2026年8月29日(土)~11月23日(月・祝)
   第2部「継承と活用」 2026年12月3日(木)~2027年2月23日(火・祝)
休館日:毎週月曜日 但し、祝日の月曜日は開館し翌平日休館。(9月21日、10月12日、11月23日、1月11日開館、10月13日、12月28日~1月4日、12日閉館)(11月24日~12月2日は展示入れ替えにつき休館)
時間:10:00-16:30(最終入館 16:15)
公式サイト:https://www.bunka.go.jp/nama/exhibitions/2607.html?menu=4-0

鰺坂代表も登壇するシンポジウム(「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」の選定をめぐって)が9月6日(日)13:30~16:30にHASEKO KUMA HALL (東京都文京区・東京大学内)で開催される。詳細はこちら