悪天候のため設置が遅れていた石上純也氏による「ひろしま国際建築祭」の移動型キオスク「雲がおりる」が10月9日に夜に、福山駅前に設置された。磯達雄の写真でお伝えする。

以下、「ひろしま国際建築祭」の公式サイトより(太字部)。
移動型キオスクー小さな建築プロジェクト03:「雲がおりる」石上純也 x 常石造船 x ツネイシカムテックス
- 展示内容
今回の建築祭の玄関口でもある、山陽新幹線 JR福山駅南口に設置される石上氏によるキオスクは、建築祭を訪れる方々へのインフォメーションセンターとして、さまざまな情報提供の場として使われるだけではなく、まるで雲がやさしく陸に触るかのような、ひとつの彫刻作品としての佇まいをなしています。
協賛:常石造船株式会社
協賛:ツネイシカムテックス株式会社

- 石上純也氏コメント
『ひろしま国際建築祭2025』のためのインフォメーションセンター。スポンサーは常石造船とツネイシカムテックスである。常石造船の工場を見学させてもらった時に、鋼板を三次元に曲げながら溶接をして巨大な船を組み立てていく、その迫力に圧倒された。まるで建築のようなスケールのものが海に浮かび、そして、動く。工場で建造している風景も建築現場を想起させる。
この小さなキオスクは、船を作るように鋼板を三次元に曲げ、溶接してつくっていく。ちょうど船を横に傾けたような状態で設置し、おきあがりこぼしの原理で、足元を重くすることで成り立たせている。倒れるか倒れないかギリギリの感覚で地面に設置している風景は、まるで雲が優しく陸を触るかのような感覚を想起させる。


- 石上純也氏による作品に寄せたメッセージ
雲がおりる
瀬戸内の海に
雲が空から舞い降りてくることを想像した。
とても小さな可愛いらしい雲だ。
空高く浮かんでいた雲が
ぼくたちの目の前で
静かに海に浮かんだ。
まるで船のように。
雲から離れると
雲は僕たちのあとを
するすると
しずしずと
ついてくる。
陸までついてきて
陸に上がった。
友達のように人懐こい雲。
優しくそこにいる人たちに寄り添い柔らかい影をその場に落としてくれる。
僕たちを抱きしめるように包み込んでくれる。
雲がおりる。
僕たちのすぐそばに。
10月9日夜の設置の様子
以下は10月9日(木)夜の設置の様子だ。




航路の輸送が悪天候で遅れたため、10月4日(土)の開幕日には設置が間に合わず、仮設のテントとお詫び看板が立てられた。

翌5日の講演会で石上氏に筆者(宮沢)が聞いたところでは、制作は「中国で行った」と話していた。(宮沢洋)

