イケフェス人気企画「セッケイ・ロード」、3社増で今週末にオンライン開催

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 コロナのために、今年の「イケフェス大阪(生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪)」はオンラインでの開催となる。開催日は今週末、10月24日(土)と25日。我がOffice Bungaは今年、2つの企画に深く関わっている。1つは磯達雄が仕込んでいるトークイベント「大阪の石本喜久治」。もう1つは、私(宮沢)がお手伝いしている「セッケイ・ロード」だ。

今年のセッケイ・ロードに参加する9社(五十音順)。各社のロゴと背景の建築は私が描きました!(イラスト:宮沢洋)

 昨年の「セッケイ・ロード」のすばらしさについては、私が勝手に選んだ「令和建築界グッドニュース」で熱く語った。ちなみに順位は第3位だ。

日曜コラム洋々亭03:いよいよベスト3!「令和」建築界グッドニュース

昨年のセッケイ・ロードのスタンプラリー

 さて、オンラインで行われる今年のセッケイ・ロードはいかなるものなのか? ここでは、今年の企画のガイダンスとなる「2020セッケイ・ロード・バーチャル企画を楽しむためのQ&A」をひと足早く掲載しよう。

(画像制作:栗山純子、以下も。似顔絵は宮沢洋)

Q.そもそもセッケイ・ロードとは?
A.2018年に発見された「高麗橋通り」の神秘

 「セッケイ・ロード」という言葉がメディア上に初めて登場したのは、イケフェス2018の開催から2週間後の2018年11月9日のことだ。当時、建築専門誌「日経アーキテクチュア」の編集長であった私がWEBに書いた「 “セッケイ・ロード”の大手設計事務所がイケフェスで出し物を競う」という記事である。

 東京出身ながらイケフェスが大好きな私は、毎年、このイベントをWEBでリポートしていた。この年、それまでちゃんと見たことがなかった設計事務所各社のオープンハウス(オフィス内公開)を1日で巡ってみることにした。

 事前にどう回ったら効率が良いかを調べていたとき、当時の参加4社(日建設計、東畑建築事務所、安井建築設計事務所、遠藤克彦建築研究所)が、北船場の高麗橋通りから東西に延びる1本の道路沿いに事務所を構えていることに気づいた。そして、このリポート記事の結びを「これはもう、勝手に“セッケイ・ロード”とネーミングしたい。来年のイケフェスでは、セッケイ・ロード沿いの設計事務所の参加が増えていることを願う」とした。

 この記事が反響を呼び(大阪の人たちは意外にもこの事実に気づいていなかったらしい)、昨年のイケフェスでは、なんとセッケイ・ロード沿いの設計事務所による共同企画として「セッケイ・ロード・スタンプラリー」が開催された。しかも、前回は参加していなかった日本設計と久米設計を加えた6社、「セッケイ・ロード」オールキャストともいえる布陣での実施だ。

 スタンプラリーのスタンプは、私が描いた各社社長の似顔絵スタンプ。これを4つ以上集めた人には社長集合似顔絵バッジがプレゼントされた。

 ちなみに、私がセッケイ・ロードの命名時にヒントにしたのは、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」にも登場する「シュガー・ロード」(沖縄・小浜島のさとうきび畑)である。

Q.今年はバーチャル企画でがっかり?
A.2年分を1度に実施、大盤振る舞いの面白企画!

 「来年もやろう!」と盛り上がっていたスタンプラリーが実施できないことは大変残念ではある。だが、今年の企画は、オンラインならではの企画で、見逃せない。

 2020年の設計事務所連携企画は、「事務所内㊙リポート +大阪×建築プレゼン!」。各社が持ち時間4分で、まず事務所内の様子を紹介、後半は各社の代表者(社長とは限らない)が大阪×建築について熱く語る。事務所内リポートでは、これまでのイケフェスで見ることができなかった“設計の現場”がちらりと映る会社も。後半は、例年の掲示中心のプレゼンでは分からなかった、各社のトーク力や“人間くささ”を知ることができる。

 実はこの企画、片方は来年用に考えていたのだが、来年はスタンプラリーが実施できると信じて、「合体しちゃえ!」ということになった。大盤振る舞いの連携企画、見る価値大だ。

Q.「1本道」から離れた設計事務所は参加できない?
A.今年は3社が初参加、ロードは「未来への道」

 先に述べたように、「セッケイ・ロード」は、高麗橋通りを中心とする1本の道沿いに存在する設計事務所群をくくって名付けたものだ。しかし、「シュガー・ロード」が1本の道の両側に広がるさとうきび畑の美しさ、ひいては小浜島の自然の美しさを象徴する言葉であるように、いまや「セッケイ・ロード」も、大阪の街づくり・暮らしづくりに関わる設計事務所の総体を表わす言葉である。「ロード」は、言うなれば「大阪の未来への道」だ。

 2020年には、「1本道」から離れた3社(佐藤総合計画、昭和設計、NTTファシリティーズ)が新たに加わる。総勢9社によるプレゼン合戦をぜひお楽しみいただきたい。そして、来年はアトリエ系事務所など、さらに多くの設計事務所の参加を期待している。(宮沢洋)

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 個別のURLは10月24日までつながらないので、ひとまず公式サイトへ。https://ikenchiku.jp/