東京建築祭2025続報:伊東豊雄氏のキックオフ講演から、昨年大人気の東京国際フォーラム屋上まで

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 5月17日(土)からスタートした「東京建築祭2025」。メイン期間となる今週末の2日間(5月24日(土)・25日(日))に向けて、平日もさまざまなイベントやガイドツアーが行われた。

昨年、関係者の間で話題を呼んだ「東京国際フォーラム」のガイドツアーは、確かに噂通りの面白さだった(写真:特記以外は宮沢洋)

 実行委員である筆者(宮沢洋)が見たものを共有するので、週末に向けて気分を高めていただきたい。

■5/20(火)18:00-20:00
東京建築祭2025 キックオフイベント

 これは、公式サイトには載っていない関係者限定イベント。東京建築祭にご支援をいただいた方々をご招待して、一体感を高める催しだ。昨年のビッグゲスト、藤本壮介氏に続き、今年は超ビッグゲストの伊東豊雄氏!

キックオフイベントにて。伊東豊雄氏(左)と実行委員長の倉方俊輔氏(写真:特記以外は宮沢洋)

東京建築祭2025 キックオフイベントイベント
会場:新虎安田ビル NIKAI カンファレンス
ナビゲーター:倉方俊輔(東京建築祭 実行委員長/建築史家)
ゲスト:伊東豊雄(建築家)

伊東氏の講演テーマは「東京と私」。伊東氏の本をつくったことがある筆者ですら聞いたことのない話がたくさんあった
伊東氏の目の前の席で熱く質問する田中仁氏(ジンズホールディングス代表取締役CEO)。さすがの建築好き。BUNGA NETで4月から始まった田中氏の連載はこちら
キックオフイベント恒例となった集合写真
中央の2人も楽しそう
伊東氏が持っているのは、クラウドファンディングの返礼品であるトートバック。伊東氏のオリジナルスケッチを基に製作した。このスケッチは「流れと淀み」がモチーフであると講演の中で説明があった(写真提供:東京建築祭2025事務局)

 このイベントに参加したい方は次回、クラウドファンディングにご協力を!

■5/22(木)16:00
パレスサイド・ビルディング(特別展示)

 東西線で竹橋に向かい、「パレスサイド・ビルディング」の特別展示へ。

1966年、日建設計の林昌二の設計で生まれたパレスサイド・ビルディングは、多くの建築賞を受賞し、日本のモダニズム建築を代表する作品として評価されてきました。全長150メートルの直方体ビル2棟と、高さ50メートルの白い円筒コア2棟が一体となり、機能性と美しさを兼ね備えたデザインを実現。都市の景観に調和しながら存在感を放っています。貴重な当時の図面や写真が地下1Fの毎日ホール横に特別展示されます。実物とあわせて名作を深く知る機会です。

日時:5/19(月)~5/24(土)8:00-22:00
特別展示:B1F 毎日ホール横展示スペース

パレスサイド・ビルディング
竣工年│1966年
設計│日建設計 (設計責任者:林昌二)
施工│竹中工務店・大林組
その他│第9回BCS賞、第1回BELCA賞、モダニズム(近代主義)建築20選

パレスサイドビル、計画発表時の完成予想図(上)ではシンボルの円筒コアが2つともなかったって知ってますか?
やはり円筒コアがあってのパレスサイドビル。クリアファイル(200円)を買ってしまいました

 この展示は5/24(土)で終わってしまうので注意。

 そして屋上を見たい人は15時までに行くべし!

■5/23(金)10:00
【東京国際フォーラム】世界的建築家の代表作を屋上や非公開エリアから見る

 昨年、大人気だったこのツアー。昨年はスケジュールが合わず見られなかったが、今回はくじ運の良い20人の皆さんに同行できた。

建築家ラファエル・ヴィニオリの代表作「東京国際フォーラム」へ。船の竜骨構造を思わせる巨大な梁を屋上から間近で見学。地域を支える備蓄倉庫や屋上緑化など非公開エリアまで、館内を特別に案内いただきます。

【ガイド】
茂木 完一 東京国際フォーラム 事業推進部 事業課・広報課 課長代理。

東京国際フォーラム
竣工年│1997年
設計│ラファエル・ヴィニオリ
施工│大成建設、戸田建設、清水建設、間組、鉄建建設、日産建設、三菱建設、大木建設、小田急建設、古久根建設共同企業体
ガラス棟:大林組、鹿島建設、安藤建設、銭高組、五洋建設、藤木工務店、森本組、地崎工業、藤村建設共同企業体
その他│第39回BCS賞

 ガイドの茂木氏の説明が建築家級。いや、多分、ヴィニオリ本人よりもわかりやすい。1時間のツアーの中で華のあるアトリウムや屋上と、地味だけれど社会的な意義の大きい備蓄倉庫を見せるというツアー構成も素晴らしい。これは、来年も人気だろうなあ。

 では皆さん、メインの2日間も全力で建築を楽しみましょう!(宮沢洋)