建築倉庫のクラシックホテル展、休館前はこんな感じでした!

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 東京・天王洲アイルの建築倉庫ミュージアムは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年2月29日(土)から臨時休館となっている。「3月31日(火)まで休館を予定しておりましたが、4月1日以降も当面のあいだ休館することといたしました」とのこと。

 建築倉庫ミュージアムでは2月8日(土)から「クラシックホテル展」を開催していた。12件の名ホテル建築について展示するもの。20日ほどで休館になってしまったので、「見に行こうと思っていたのに…」という人も多いだろう。そんな人のために、プレス内覧会時の展示会場の様子をお伝えする。

山の上ホテルはリノベーションだった!

 会場内は、ワインレッドをベースにした配色で、ゴージャス感が漂う。紹介されているホテルは、日光金谷ホテル、富士屋ホテル、万平ホテル、奈良ホテル、東京ステーションホテル、ホテルニューグランド、蒲郡クラシックホテル、リーガロイヤルホテル(大阪)、雲仙観光ホテル、山の上ホテル、学士会館、京都ホテル(1928年竣工の旧建物、現存せず)の12件。

 写真が中心だが、図面や実物の椅子の展示もある。例えば、下の写真は辰野金吾による奈良ホテルの図面だ。

 個人的に興味を引かれたのは、お茶の水にある「山の上ホテル」(設計:ウイリアム・メレル・ヴォーリズ)の展示。筆者は恥ずかしながら、この展示を見て初めて、山の上ホテルが「佐藤新興生活館」という建物をコンバージョンしたものだと知った。説明文では「リノベーションホテルの先駆け」と位置付けられている。

 そうした視点で他のホテルの展示を見返すと、「名ホテル」とは開業時から名ホテルなのではなく、常に変わり続けることで価値が高まるものだというようにも思えてくる。(宮沢洋)