乾久美子事務所がサイトをリニューアル、乾画伯の漫画がうま過ぎ!

 先ほど、建築家の乾久美子さんから「Webサイトリニューアルのお知らせ」というメールが届いた。設計事務所からそんなメールは珍しい。どれどれ、と覗いて見ると、もうこれは書かずにはいられない素晴らしさ。

リニューアル された乾久美子建築設計事務所のサイトからキャプチャー(以下同)
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コロナ夏の必見展06:あの建築家にも影響、「サーリネン(父)展」@パナ汐留美術館で知る北欧建築の奥深さ

 東京・汐留のパナソニック汐留美術館で、「サーリネンとフィンランドの美しい建築」展が開催されている。「サーリネン」というのは、丹下健三のライバル的存在として知られるエーロ・サーリネン(1910~1961年)ではなく、父親のエリエル・サーリネン(1873~1950年)の方である。なんとまた、ニッチなテーマ……と思ったのだが、これが実に面白い展覧会であった。

(写真:長井美暁、以下も)
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コロナ夏の必見展05:「隈さんは誤解されている」と企画者の保坂健二朗氏、1年待ちの「隈研吾展」9月26日まで

この記事を見逃した人のために、「コロナ夏の必見展05」として再公開する。初出は2021年6月17日。

 本来であれば、1年前の2020年7月~10月に開催される予定だった東京国立近代美術館の「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」が、明日、6月18日(金)から始まる。会期は9月26日まで。本日午前中に内覧会が開催された。

会場の東京国立近代美術館。建物は谷口吉郎の設計で1952年竣工。1階の大会場で建築家の個展が開催されるのは、約70年の歴史のなかで初めて(写真:宮沢洋、以下特記以外はすべて)
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コロナ夏の必見展04:「北斎づくし」@東京ミッドタウン、田根剛氏が「づくし」の会場デザイン

 “前代未聞”の北斎展が、2021年夏開催──と、今年の早い時期からすごい煽り文句で宣伝されていた葛飾北斎生誕260年記念企画・特別展「北斎づくし」が、7月22日(木)から東京ミッドタウン・ホールで始まった。

(写真:宮沢洋)
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越境連載「イラスト名建築ぶらり旅」03:祝・重要文化財指定!魯山人ゆかりの味をモダン料亭で──八勝館

 「きっかけは、そちらにいらっしゃるニシザワさんですよ」。女将(おかみ)さんの言葉に、目の前にいるニシザワさんを二度見してしまった。思わず懐石料理を食べる手が止まる。えっ?この連載の案内役である西澤崇雄さん(日建設計 ヘリテージビジネスラボ)が、今回のキーマン?

 歴史的建物とともに暮らす豊かなライフスタイルを伝える「イラスト名建築ぶらり旅」。3回目の今回は、昨年(2020年)、戦後建築としては5番目の重要文化財に指定された料亭「八勝館(はっしょうかん)」を訪ねた。

(イラスト:宮沢洋)

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コロナ夏の必見展03:建築みやげで世界を巡る、掌(てのひら)の建築展@大阪市立住まいのミュージアム

 「建築好き」にお薦めするこの夏の展覧会。第3回は、7月10日から大阪市立住まいのミュージアムで開催されている「掌(てのひら)の建築展」だ。「出張のついでに見に行きます」と伝えたら、なんと監修者のお2人が出迎えてくれた。建築史家の橋爪紳也氏と建築家の遠藤秀平氏である。贅沢!

企画者の2人。建築史家の橋爪紳也氏(右)と建築家の遠藤秀平氏 (左)(写真:宮沢洋、以下も)
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コロナ夏の必見展02:発掘系「アンサンブル・スタジオ展」に続き、ギャラ間は超メジャー「SANAA展」を正式発表!

 以前、「ギャラ間は建築関係者にとって『光』である」と書いた(今年1月のこの記事→ギャラリー・間が約1年ぶりに再開、中川エリカ展に見る「おおらかな細かさ」)。ギャラ間とは東京・乃木坂の「TOTOギャラリー・間(ま)」のこと。入場無料でこういう質の高いミュージアムを長年、運営しているTOTOは本当に偉いと思う。

現在開催中の「アンサンブル・スタジオ展 」(写真:宮沢洋)
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越境連載「建築シネドラ探訪」12:田村正和「協奏曲」、突っ込みつつもキムタクとの師弟関係には納得

 俳優の田村正和さんが亡くなった。私が目にした記事の1つに、「唯一無二の刑事像を作り上げた」というフレーズがあった。これは、誰もが知る刑事ドラマ「古畑任三郎」を指しているわけだが、私の中では俳優・田村正和は「唯一無二の建築家像を作り上げた」人である。1996年放送のドラマ「協奏曲」のことだ。とはいえストーリーをほとんど忘れてしまっていたので、四半世紀ぶりに見返してみた。

(イラスト:宮沢洋)

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コロナ夏の必見展01:「丹下は知ってる」なんて言わせない! 驚異の丹下健三展@国立近現代建築資料館

 去年の今ごろは、まさか2年続けてコロナ制限の夏になるとは全く想像していなかった。五輪中継も「建築」がちっとも映らない(代々木競技場をもっと映して!)。それでも、昨年は建築系の展覧会がほぼ全滅だったのが、今年はかなり復活している。建築好きは、早めにこれらで“栄養補給”して夏を乗り切ってほしい。感染者も増えているので、「いつか見よう」は禁句である。

 筆者が実際に見て「これは建築好きには楽しい」と感じた展覧会を紹介していく。まずは筆者イチオシの「丹下健三 1938-1970」から。

(写真:宮沢洋、以下も)
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