越境連載「五輪施設考@日経ビジネス」05:無観客でも満席に見える 「未来予知」と話題の国立競技場を疑似体験

 オリンピック・パラリンピックとも原則「無観客」での開催となり、隈研吾氏が設計の中心になった国立競技場が、「まるで無観客開催を予知していたかのようだ」とSNSがざわついている。当初予定では4回だったこの連載だが、5回目として、無観客となったことでかえって注目が高まっている国立競技場を、50枚の写真で疑似体験していただきたい。

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2019年12月15日に行われた竣工式典の様子。このときも、無観客でも満席のように見えた(写真:宮沢 洋)

青木淳+昭和設計による松本平陸上競技場の基本設計を長野県が発表、開かれたプロセスにも注目

 長野県は7月16日、AS・昭和設計共同体が設計を進める「松本平新陸上競技場」の基本設計を県のホームページで発表した。「AS」は青木淳建築計画事務所が社名変更したもの。昨年7月24日、公募型プロポーザルで、青木淳建築計画事務所・昭和設計共同体として当選した。国体対応の競技場だが、大会時よりも「日常」の使われ方を重視した提案が話題を呼んだ。

今回、公表された基本設計のイメージパース(資料:長野県、以下も)
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日曜コラム洋々亭32:「人生初」連発、『隈図鑑』レビュー記事ベストファイブ

 書籍『隈研吾建築図鑑』が5月11日に発売になってからちょうど2カ月。五輪はグダグダだが、隈さんへの関心は引き続き高いようで、2度目の増刷の知らせがあった。初の単著なので、売れていることはもちろんうれしい。それに加えて、いろいろな書評欄で取り上げてもらっていることがすごくうれしい。

憧れの「散歩の達人」にも!

 短い書評であっても、自分では気付かなかった点が指摘されていてハッとしたり、クスッとしたりする。特に印象的だった5つを掲載順にまとめてみた。

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越境連載「建築シネドラ探訪」11:「食べる」「語る」喜びを伝える新しい形の建築ドラマ「名建築で昼食を」

 「名建築で昼食を」は2020年8月16日から10月18日まで、BSテレビ東京およびテレビ大阪の「真夜中ドラマ」枠で放送されたテレビドラマである。建築巡りが趣味の植草千明(田口トモロヲ)と、おしゃれなカフェ開業を夢見る春野藤(池田エライザ)が毎回1つの建築を見て回り、並行して物語がゆっくりと進んでいく。

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(イラスト:宮沢洋)

中大規模木造への第一歩! BUNGA総出で臨んだNCNの『木構造ガイドブック』完成

 『木構造ガイドブック:WOODEN STRUCTURE GUIDEBOOK』の制作をOffice Bungaでお手伝いした。発行元は「SE構法」で知られるエヌ・シー・エヌだ。

全64ページ、A4版、オールカラー。デザインはキガミッツの森田恭行氏。エヌ・シー・エヌは希望者に無料配布している(写真:宮沢洋、特記を除き以下も)
 
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池袋建築巡礼10:「東京芸術劇場」(後編)、2度の改修で知る大御所・芦原義信の挑戦心

 「前振りの小ネタに」くらいの気持ちで見に行ったワンコイン・パイプオルガンコンサートが面白くて、前回はその話だけで終わってしまった。記念すべき連載第10回となる今回は、「東京芸術劇場」(1990年竣工、設計:芦原義信)の建築的挑戦について書きたい。

(写真:宮沢洋、以下も)
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池袋建築巡礼09:「東京芸術劇場」(前編)、バッハも仰天のエンタメ・パイプオルガンを500円で堪能

 「灯台下暗し」とはまさにその通りで、私(宮沢洋)は池袋にこんな“世界唯一”があるとは今まで知らなった。池袋西口のシンボル、「東京芸術劇場」(1990年竣工、設計:芦原義信)の大ホールにあるパイプオルガンのことだ。いや、パイプオルガンの存在自体はこの施設ができたときから知っていた。そのパイプオルガンがこんなにエンターテインメントなものであることを30年間知らなかったのである。

ガラス屋根から光が差す東京芸術劇場のアトリウム。アトリウム内は2012年に香山壽夫氏の設計で改修された。大ホールは左手のエスカレーターを上った先にある(写真:宮沢洋、以下も)
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越境連載「イラスト名建築ぶらり旅」02:「塔博士」もびっくりの絶景タワーホテル

 「タワー6兄弟」という言葉をご存じだろうか。「塔博士」とも呼ばれ、早稲田大学教授で構造エンジニアの内藤多仲(たちゅう)氏が設計の中心になった6つのタワーのことを言う。長男は「東京タワー」を想像してしまうが、そうではない。今回取り上げる名古屋テレビ塔だ。

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(イラスト:宮沢洋)

越境連載「建築シネドラ探訪」10:映画「パラサイト 半地下の家族」、韓国の格差を物語る「なぜか高い位置」の地下トイレ

 非英語圏の映画として初のアカデミー賞「作品賞」受賞。65年ぶりのアカデミー作品賞・カンヌ最高賞ダブル受賞──。そんなニュース報道で、ほとんどの人がタイトルとあらすじは知っているであろう韓国映画「パラサイト 半地下の家族」。この映画は「地下室」、特にその「トイレ」に着目して見ると、韓国の格差社会や日本との意識の差がより深く分かる映画である。

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(イラスト:宮沢洋)