この見え方は今だけの「クウェート大使館」、建て替え着手は否定

 「ニュース」が「今を伝える」という意味であるならば、築50年で今も変わらぬ姿であっても、その“見え方”が「今こそ」のものであれば、ニュースとして伝える価値があるだろう…。と、まわりくどい前振りになったが、「在日クウェート大使館」が今、こんなふうに見えている。

 敷地は東京・JR田町駅から西に徒歩10分ほどの住宅街。1970年に丹下健三の設計で完成した。「再開発で手前のビルがなくなり、こんなによく見えるようになった!」とネット上でざわついているので、見に行ってみた。

(さらに…)

池袋建築巡礼02:丹下健三が“負ける建築”を模索した? 「立教大学旧図書館」

 Office Bungaの事務所のある池袋駅周辺の良質な建築や挑戦的な建築を紹介していく。2回目の今回は、初回に取り上げた「池袋二又交番」から西に数分、立教大学キャンパス内で最も池袋駅側(東側)に位置する「旧図書館本館・新館」(現名称はメーザーライブラリー記念館)だ。1960年に丹下健三の設計で建てられたものだ。

 立教大学キャンパス内には、文化財級の建物がごろごろあるので、同大学の建物を語る際にこの建物のことが話題になることは少ない。しかし、この建物は、丹下健三の建築の中でもかなり異色であり、池袋に来たら見る価値がある建築だ。

(さらに…)

池袋建築巡礼01:30年たっても古びないデザイン交番、「池袋二又交番」

 Office Bungaの事務所のある池袋駅周辺の良質な建築や挑戦的な建築を紹介していきたい。最初に取り上げるのは、池袋西口から徒歩5分(我々の事務所からは徒歩1分)、駅前通りと立教通りの分かれ道に立つ「池袋二又(ふたまた)交番」だ。

 1980年代から90年代初頭にかけて展開された東京都の文化デザイン事業、通称「デザイン交番」の1つとして1992年に完成した。デザイン交番は、「町のシンボル」となる交番づくりを目指す事業で、第一線の建築家を起用して20以上の交番が建設された。有名なものには、黒川哲郎+デザインリーグによる「上野警察署動物園前交番」(1992年竣工)や、妹島和世による「調布駅北口交番」(1994年竣工、2008年に解体)などがある。

(さらに…)

建築倉庫のクラシックホテル展、休館前はこんな感じでした!

 東京・天王洲アイルの建築倉庫ミュージアムは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年2月29日(土)から臨時休館となっている。「3月31日(火)まで休館を予定しておりましたが、4月1日以降も当面のあいだ休館することといたしました」とのこと。

 建築倉庫ミュージアムでは2月8日(土)から「クラシックホテル展」を開催していた。12件の名ホテル建築について展示するもの。20日ほどで休館になってしまったので、「見に行こうと思っていたのに…」という人も多いだろう。そんな人のために、プレス内覧会時の展示会場の様子をお伝えする。

(さらに…)

グッゲンハイムでAMO+コールハースの都市展が8月14日まで

 ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館で開催中の「Countryside, The Future」を見た。設計事務所 OMAを率いるレム・コールハースと、同事務所の研究機関 AMOが企画監修を担当している。「Countryside(田舎), The Future(未来)」のタイトルが示すように、“非都会”の現状から地球の未来を考える都市展だ。2020年2月20日に始まった。

(写真は2020年2月26日に撮影。以下同)

 館の一部でニッチに展示しているのかと思って行ったのだが、有名な“グルグル吹き抜け”を全部使ってやっている目玉展示だった。

(さらに…)