博多で今年8月に開業した2つの注目施設を見てきた。前回リポートした博多駅近くの「明治公園」に続き、今回は地下鉄天神駅に直結する「天神ビジネスセンターII」をリポートする。2021年に開業した「天神ビジネスセンター」(以下、Iと略す)の南側に並んで立つ。Iの建築デザインを担当したOMAの重松象平氏が引き続き、天神ビジネスセンターIIの建築デザインを監修した。設計は前田建設工業・俊設計設計監理共同企業体。


天神一丁目761プロジェクト合同会社(福岡地所、九州電力、クラフティアで構成)と福岡地所が、福岡市役所北別館跡地を中心に開発を進めてきた大型複合ビル。敷地は「アクロス福岡」や福岡市役所の西側。昭和通りに面し、地下鉄・天神駅に直結する。



福岡市が推進する天神地区に新たな空間と雇用を創出するプロジェクト「天神ビッグバン」の1つ。オフィス・商業・創業支援・ワーカー支援機能を融合した地上18階・地下2階建ての複合ビル。免震構造。Iはほぼオフィスだったが、IIは2~3階に大型書店「ジュンク堂書店」が入っており、一般の人も入りやすい。




以下、福岡地所のプレスリリース(2026年7月9日付け)から引用(太字部)。
●本物件概要
事業名称:天神ビジネスセンターⅡ
所在地:福岡県福岡市中央区天神一丁目10番10号
敷地面積:約4,085㎡(約1,235坪)
建築面積:約3,517㎡(約1,064坪)
延床面積:約62,720㎡(約18,973坪)
建物高さ:約87.5 m
階数:地上18階、地下2階、塔屋2階
用途:事務所、店舗、駐車場等
構造:鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造
耐震性能:免震構造
環境認証:ZEB Oriented認証取得(設計段階)、DBJ GreenBuilding認証4つ星取得(予備認証)、CASBEE福岡「Aランク」認証取得済み
着工:2023年10月1日
竣工:2026年6月30日
開業:2026年8月4日(予定)
事業主:天神一丁目761プロジェクト合同会社(福岡地所、九州電力、クラフティアの3社で構成される特別目的会社)、福岡地所株式会社
〈建物〉
デザイン:重松象平/OMA
基本設計・実施設計・監理:前田建設工業・俊設計設計監理共同企業体(構成員:前田建設工業、俊設計)
施工:前田・旭特定建設工事共同企業体
(構成員:前田建設工業株式会社、株式会社旭工務店)
〈Reboot!〉
デザイン:重松象平/OMA、ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッド
基本設計:ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッド
実施設計・監理・施工:株式会社サン・ライフ
公式ウェブサイト:https://fil.tenjinbc2.jp
本物件は、「天神ビジネスセンター」の建築デザインを担当した建築家 重松象平氏(OMAパートナーおよびニューヨーク事務所代表)がデザイン監修することで、街区全体の統一感と求心力を高める都市景観を実現しました。外観は建物ボリュームの角を緩やかな曲線で削りとったデザインにより、高い視認性と象徴性を備えるとともに、通りに向かって開かれた広場空間を形成することで、歩行者の回遊性向上と滞留を促す空間構成としています。

1.本物件のフロア構成
本物件は、地下2階から地上5階の7層吹抜け空間「アクセラリウム」を中心に構成しています。
地下2階は、因幡町通り地下通路と直結するほか、敷地北側に隣接する天神ビジネスセンターおよび飲食ゾーン「天神グルメストリート 天神イナチカ」と接続。地上と地下を一体化した回遊ネットワークを形成しています。
また、地下2階から地上3階には商業テナントを展開。地下2階には「天神グルメストリート 天神イナチカSOUTH side」を、地上2階から3階には大型書店「ジュンク堂書店」を配置しています。




4階にはディープテック分野のインキュベーション施設「FIL.Tenjin」、地下2階および地上4階から5階には約1,300坪のワーカー専用共用空間「Reboot︕」を備えています。6階から18階には、多様な働き方に対応する機能を備えたハイグレードなオフィスフロアを展開します。(中略)
連続する緑化空間
「都心の森1万本プロジェクト」の主旨を踏まえ、広場空間に積極的に中高木やベンチ等を配置するとともに、建物周辺の因幡町通りや福博であい通りにも歩行者目線で連続するよう緑を配置し、都心における緑による憩い空間を創出します。さらに、建物内部の「アクセラリウム」も積極的に植栽を配することで建物内外での緑の連続性を確保し、一体的な賑わい創出を図っています。

前述の通り、Iはほぼオフィスだったが、IIは2~3階に大型書店「ジュンク堂書店」が入っており、一般の人も入りやすい。空間体験としても、IのエントランスホールよりもIIの方が大きく、華やか。博多は町に座るところが少ないように感じるのだが、ジュンク堂前の階段状スペース↓は座って一息つきたい人にお薦めだ。

「天神ビッグバン」の再開発では、2023年6月に開業した「福岡大名ガーデンシティ」(設計:久米設計・醇建築まちづくり研究所JV)も再開発の姿勢として革新的なので、博多に行く人はぜひ見てほしい。
博多再生の目玉プロジェクトはこれで大物がほぼ出揃った感じで、残るは隈研吾氏がコンペで勝ち取った「新福岡県立美術館」(建設中、2029年度に開館予定、https://2029.fukuoka-kenbi.jp/)の完成を待つこととなる。(宮沢洋)
前編はこちら↓。
