オカムラガーデンコートショールームでは、建築史家の五十嵐太郎氏がキュレーターを務める〈OPEN FIELD〉という展覧会シリーズを年1回のペースで行っている。その特徴は、建築家と他分野のクリエイターの協働による展示だということ。これまでアーティスト、デザイナー、構造エンジニアがそれぞれコラボレーションの相手となり、建築作品の提示に留まらない、ユニークなインスタレーションを実施してきた。
その第4回となる展覧会「虚実の鏡、あるいは異空間のOPTICAL CORNERS」が開催中だ。

今回、参加した建築家は、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOの原田真宏氏+原田麻魚氏。この二人に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムのデザインなどで知られる美術家の野老朝雄氏が組むという取り合わせとなった。展覧会のオープニングパーティーのスピーチで原田真宏氏は、「複雑な世界で単純な原理を見つけようとしている点が野老さんと私たちで共通している」とチーム編成の妙を語る。

会場には鏡を組み合わせた入り隅が設置された。その幾つかには、見る角度によって形が変わる幾何学図像が浮かび上がる。鏡の入り隅は8個あり、それは見えない直方体のボリュームを象っている。中央にはオブジェが置かれ、それはまるで、鏡の中から飛び出してきたようである。虚像と実像が幾重にも絡み合う展示の構成は、言葉や写真では伝えるのが難しい。「会場に来ないとわからない」(五十嵐氏)。

虚実のイメージを主題にした展示表現は、木や鉄などの素材感を強く打ち出して大胆な架構を追求してきたMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOの作風からすると、少し意外にも思える。しかし、鏡の入り隅を支えているがっしりとしたフレームもこの展示の重要なアクターだと捉えれば、それほどの違いはないのかもしれない。展覧会は9月12日まで。(磯達雄)

■展覧会データ
展覧会名:虚実の鏡、あるいは異空間のOPTICAL CORNERS
参加作家:原田真宏+原田麻魚(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO/建築家)、野老朝雄(美術家)
企画:五十嵐太郎(東北大学/建築史家)
主催:オカムラ
会期:2026年8月28日(金)~9月12日(土)日曜休館
開場時間:10:00~17:00
会場:オカムラ ガーデンコートショールーム(東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート3階)
観覧料:無料
参考:2025年(第3回)
参考:2023年(第1回)

