週刊折り紙建築クイズ16:日本の伝統的な木造建築に隣接し、コンクリートで日本人の精神性を表現したこの建築は?

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ヒント:惜しまれつつも2016年に解体されてしまいました。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称:出雲大社庁の舎
所在地:島根県出雲市大社町杵築東
竣工年:1963年(昭和38年)
設計者:菊竹清訓
規模など:鉄筋コンクリート造、地上2階、延べ面積631㎡

(写真:磯達雄)

建築のポイント:大社造り(神社建築様式)の出雲大社の「庁の舎」(社務所)として鉄筋コンクリート造で建てられたこの建築は、菊竹清訓による設計です。プレストレスト・プレキャストコンクリート工法、HPシェル工法など当時の最先端技術が採用されていますが、造形では「稲架(はざ)かけ」や「鏃(やじり)」など太古から受け継がれた農耕民族の身近なものがモチーフとして用いられていました。。

折り紙建築の制作ポイント:外壁面の横スリットのピッチは建築の雰囲気を損なわずに紙の強度が保てる程度を探ります。また、傾斜した外壁には、通常、屋根勾配の表現に採用する仕組みを利用しました。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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