週刊折り紙建築クイズ22:1964東京オリンピック時の道路拡幅で残った三角形の敷地に立つこの住宅は?

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ヒント:外壁は型枠に小幅板を使用した荒々しいコンクリート打ち放しです。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称:塔の家
所在地:東京都渋谷区神宮前
竣工年:1966年(昭和41年)
設計者:東孝光
規模など:壁式鉄筋コンクリート造、地下1階、地上5階、延べ面積65.05㎡(19.68坪)

(写真:磯達雄)

建築のポイント:外苑西通りの「青山キラー通り」と呼ばれる界隈には、敷地を精一杯使った鋭角の建築が多く見られます。道路の拡幅により削り取られ変形した敷地に立つこの建築は、東孝光により自邸として設計されたものです。約6坪の三角形の敷地に豊かな生活空間が縦方向に5層を貫いて構成されています。

折り紙建築の制作ポイント:勾配屋根の稜線を基準に折りたたまれるように設計してあるため、現れる立体(建築)は台紙とは角度を持って飛び出します。台紙折り線と角度をもった作品を「角錐タイプ」と言い、一般的な「平行タイプ」と違い表現のバリエーションを広げることができます。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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