週刊折り紙建築クイズ27:まるでSFの未来都市を見るような1972年完成のこの集合住宅は?

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ヒント:都市部の住宅需要の高まりから工場跡地をマルっと宅地開発されました。

答え
建築名称 :川崎市河原町高層住宅団地(4・6・8号棟)
所在地:神奈川県川崎市幸区河原町
竣工年:1972年(昭和47年)
設計者:大谷研究室(大谷幸夫)
規模など:鉄骨鉄筋コンクリート造、地上14階(4・6・8号棟)

(写真:磯達雄)

建築のポイント:大谷研究室(大谷幸夫)は、河原町高層住宅団地に求められた「一戸でも多く」「日照条件の十分な確保」「大きな空地を確保する」に対する答えとして、この「逆Y字形」を提案しました。低層部分は日照確保と大空間を合理的に解決していますが、この空間はいったい内部なのか外部なのか? 建築面積に含まれていないとの事ですが、何とも不思議で魅力的な空間に感じます。

折り紙建築の制作ポイント:この作品は台紙の谷折り線と立体部分にある全ての折り線が平行になる最も基本的な手法を採用しています。その中に「逆Y字形」「正面の屋外階段」「低層階のバルコニー」を加え、作品を完成させました。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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