週刊折り紙建築クイズ29:モダニズムからポストモダンへ変遷しようとする時代を象徴するこの建築は?

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ヒント:当初は設計をアントニン・レーモンドが担当する予定だったそうです。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称:群馬県立近代美術館
所在地:群馬県高崎市綿貫町992-1
竣工年:1974年(昭和49年)
設計者:磯崎新
規模など:鉄骨鉄筋コンクリート造、地上2階、延べ面積12,530.94㎡

(写真:宮沢洋)

建築のポイント:一辺1.2mの立方体を基準とした集合体で構成されているこの建築は磯崎新により設計されました。建築の基本構造は全て一辺12mの立方体フレームが基準となっています。何と言ってもこの建築で目をひく場所は基本フレームから22.5度の角度で振れ、池に張り出した部分です。そこには奥様(彫刻家の宮脇愛子さん)の屋外彫刻作品が配置されており建築との共演がなんとも素敵な空間を演出しています。

折り紙建築の制作ポイント:建築全体を表すことが困難なのでこの建築の象徴的な部分を切取り表現しました。建築の基本軸から振れている展示室棟のみを折り紙建築作品にしています。池や屋外彫刻はみなさまの記憶が頼りです。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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