週刊折り紙建築クイズ31:土木工事などに使用されるコルゲートパイプでつくられたこの住宅は?

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ヒント:可愛らしいおむすび型は、シリンダー形状を地上で安定させるために考案されたものです。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称:幻庵
所在地:愛知県新城市
竣工年:1975年(昭和50年)
設計者 :石山修武
規模など:ねじ式シリンダー構造(コルゲートパイプ)、地上2階、延べ面積60.3㎡

(イラスト:宮沢洋)

建築のポイント:石山修武はコルゲートパイプを構造体として使用した住宅(茶室)を設計しました。本来、コルゲートパイプは土木工作物などに使用される工業製品です。地上に設置して安定させるためにあみだされた妻側に見える断面形状はとても可愛らしいおむすびの様な形をしています。

折り紙建築の制作ポイント:手前に降りてくる独立した階段は、表現し難い形状です。その場合、ご覧のように位相をずらした階段を絡ませて表現します。これは立体が「一意に定まる。」ための折り紙建築ならではの方法です。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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