週刊折り紙建築クイズ39:残念ながら設計者の没後に完成したこの華麗なホテルは?

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ヒント:設計者は箱根芦ノ湖でもこれに似た円形のホテルを設計しています。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称 :京都宝ヶ池プリンスホテル(現ザ・プリンス 京都宝ヶ池)
所在地:京都府京都市左京区岩倉幡枝町1092-2
竣工年:1986年(昭和61年)
設計者:村野・森建築事務所
規模など:鉄骨鉄筋コンクリート造、地下2階・地上8階・塔屋2階、延べ面積3万7113.86㎡

(写真:笠原一人、下の写真も)

建築のポイント:京都宝ヶ池プリンスホテルの立地する宝ヶ池は古くから景勝地として知られています。国立京都国際会館に隣接し、利用者の宿泊施設として計画されたこの建築は、村野藤吾(1891〜1984年)の設計によるものです。国際会議場の直線的な形態と対峙し、曲線的な伸びやかなデザインは周囲の環境に溶け込む意図で計画されたそうです。

折り紙建築の制作ポイント:楕円形の宿泊棟を多層の水平断面で表現しています。この表現方法は、私が始めた方法の一つで、「東海大学湘南キャンパス1号館」「熊本逓信病院」「三愛ドリームセンター」などで使用しています。優雅な曲線や円形のファサードを表現するのにとても有効な方法です。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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