週刊折り紙建築クイズ47:全体を覆う屋根の形が施設名の由来となっているこの建築は?

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ヒント:東日本大震災時には福島県内最大収容人数の避難所として利用されました。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称:ビックパレットふくしま
所在地:福島県郡山市南二丁目52番地
竣工年:1998年(平成10年)
設計者:北川原温
規模など:地下1階・地上4階・塔屋1階、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造、延べ面積2万3258.44㎡

(写真:宮沢洋、下も)

建築のポイント:北川原温により設計されたこの建築は、多目的展示場と国際会議場からなる複合コンベンション施設です。全体を覆う屋根の形が楕円形をしていることから絵画のパレットを想起させ施設名称の由来となっています。訪れてみると、ドットに光を落とすエントランスの屋根、螺旋チューブ構造で支えられたペデストリアンデッキ、大空間を架構する構造方式など様々な仕掛けに圧倒されます。

折り紙建築の制作ポイント:全体として大きな楕円形が目を引く建築ですので、その形を忠実に表現しその他のディテールをどれだけ省略できるかがキーポイントになります。とは言うものの、細かなところで左下の隅のトイレを表現しました。省略と詳細表現のバランスがとても重要です。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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