2025年4月1日は「BUNGA NET」の創設5周年記念日だ。

2020年3月中からいくつかの記事を書きため、サイトのURLを一般にお知らせしたのが2020年4月1日。世の中がどんどんコロナ禍対応へと向かっていく時期だった。振り返ってみると、“取材に行きづらい”時期のスタートだったことがこのサイトにとってはよかったと思う。「ニュースがなくても発信はできる」という耐性が鍛えられた。
その1つが「連載」。強いテーマ、強い筆者が存在すれば、コロナだろうが何だろうが、読まれる記事はつくれる。
現在まで長く続く連載もある一方で、期間限定のものはどうしても埋もれてしまい、もったいない。サイト創設5周年を記念して、これまでの連載を振り返ってみたいと思う。
古い順に振り返ろうと思ったのだが、まずは嬉しいニュースのあるこの連載から。
この連載、BUNGA NETの連載としては初の書籍化が決定! グラフィック社より2025年7月中旬発売予定。タイトルは『建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘』。確かに、あの連載の勢いは「場外乱闘」…。楽しみ。
コロナ急拡大、“苦肉の策”の名企画
いったん、2020年4月のスタート時に戻る。
コロナ禍が急拡大し、予定していて取材ネタがことごとく延期になってしまった2020年4月。こんな時こそ「デジタル化の嵐のなかで頑張る紙メディアの人たちを応援しよう」と思い立ち、書店で建築系雑誌の最新号をドサッと買い込み、各誌の立ち位置を論じた。対象は古巣の『日経アーキテクチュア』や老舗『新建築』、その後休刊になってしまった『建築技術』など12誌。BUNGA NETの存在を知ってもらうのにかなり役立った企画。
さらにコロナ禍が広がる2020年5月。“苦肉の策”の名企画。7人の巨匠が語る真理。取り上げたのは宮脇檀、村野藤吾、菊竹清訓、吉村順三、黒川紀章、林昌二、隈研吾。どれを読んでも面白い。
コロナ直前、2020年2月に宮沢がブラジリアを旅したときの写真ルポ。2020年4~5月にン掲載。オスカー・ニーマイヤー好きは必見。
■よくみる、小さな風景/乾久美子&Inui Architects(2023年度)
BUNGA3年目の2023年4月からは、外部の寄稿者による連載をスタート。その1人は宮沢が「建築界一漫画がうまい」と思う乾久美子氏。論考はもちろん
、毎回のカットが素晴らしい。
建物が「建築」になる瞬間、それを導くものは? 山梨知彦氏(日建設計CDO)の頭の中をのぞく。時節柄、生成AIの話題がたびたび登場。
誰も正面から論じてこなかった「ポストモダニズム」を倉方俊輔氏が解説。まだ完結していません。再開をお楽しみに!!
■連載小説『ARTIFITECTS:模造建築家回顧録』/津久井五月(2023年度)
建築出身のSF作家、津久井五月氏の読み切り連載小説。挿絵は建築家の冨永祥子氏。冨永氏は「絵がうまい」を越えて「画家」。
海外を拠点に活動する建築家が“地元”の旬の話題をリポート。まずはロンドンから。
驚きの折り紙建築の技をご覧あれ! 国内の名建築を竣工年順にクイズ形式で紹介。
こちらは現在も継続中!
現在も不定期で続く連載はこちら。
日曜日に時折登場する私的建築考。町の洋食屋をのぞくように身構えずにお立ち寄りください。
そっちから来たか! 我が道を行く達人たちの奥深き建築愛。BUNGANET勇逸のインタビュー企画。
BUNGAの拠点・池袋駅周辺の気になる建築を地元愛で深掘り。
魅力的な建築が増える鉄道高架下。ジェイアール東日本都市開発の協力を得て、その面白さを深掘り。
大成建設設計本部が設計した伝説の名建築と、最新の注目作をリポート。
愛媛県松山市を拠点に活動する矢野青山建築設計事務所。彼らが四国で手掛けた建築を巡る。
そして、今後の予告。
2025年4月からは、新たな連載として3本がスタート予定。執筆者は、堀部安嗣氏(建築家)、田中仁氏(ジンズホールディングスCEO)、種田元晴氏(建築史家)の3人。お楽しみに!! (BUNGA NET編集長宮沢洋)