はりゅうウッドスタジオの「天栄保育所」、スギ角材の「重ね梁」を直交方向に重ねて高低差と光

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 福島県南会津町を拠点とするはりゅうウッドスタジオ(滑田崇志・斉藤光両氏の共同主宰)が元気だ。当サイトですでにリポートした宮城県富谷市の「ユートミヤ」(こちらの記事)と同じく、この春、福島県岩瀬郡天栄村の「天栄保育所」が完成した。こちらも見学してきた。

斉藤光氏(左)と滑田崇志氏(右)(写真:宮沢洋)

 天栄保育所は、2023年に福島県建築設計協同組合が受託し、プロポーザル選考を経て、はりゅうウッドスタジオが担当事務所として設計を進めてきた。木造平屋建て。彼らの代表作である南会津町の「きとね」(2022年)で用いたスギ角材の重ね梁を、今回は直交する形で2段重ねにして使ったのが最大のポイントだ。

中央の遊戯室は、7段の重ね梁の上に5段の重ね梁を載せている。欄間のような開口部から光が入り、明るい

 「ユートミヤ」の設計は東京のナスカとの共同設計だった。記事では「それぞれのテイストは残っているが、足して割った感じではない」「『(1+1)÷2』が『1以上』になっている」と書いた(こちらの記事)。コレボレーションによる化学反応だと思っていたが、この施設を見て、はりゅうウッドスタジオ自体が変化してきているようにも感じた。かつてより規模が大きくなっているからということもあるが、空間の見せ方が多様化・複雑化している(想像していた重ね梁の印象よりも、高低差や雁行による奥行感の方が印象が強かった)。シンプルな強さから次の段階へ。彼らがこれからどんな方向に向かうのか、過渡期的なプロジェクトのように感じた。

スギ角材の重ね梁を初めて用いた南会津町の「きとね」(2022年)。このときは1方向の重ね梁だった

 天栄保育所は、福島県の建築紹介サイト「ふくしま建築探訪」の中のイラスト探訪「ふくしま三つ星建築」でも取り上げている。5年目となるこの企画。今年5件取り上げる建築のトップバッターだ。そちらのイラストルポを併せて見ると、施設の構成がわかりやすいと思う。

https://fukushima-kenchikutanbou.jp/junrei_detail.html?no=63

■建築概要
天栄保育所
所在地:岩瀬郡天栄村大字下松本字東田21番地1
竣工年:2026年
階数:地上1階

構造:木造
延べ面積:1427.88㎡
用途:保育所

建築設計:福島県設計協同組合 担当事務所 はりゅうウッドスタジオ
構造設計:坂田涼太郎構造設計事務所
機械設備:エム設備設計事務所
電気設備:鳳設備設計
照明デザイン:ぼんぼり光環境計画
施工:兼子組

 同サイトで昨年掲載した2人へのインタビュー記事↓も、まだ読んでいない方はぜひ。(宮沢洋)

「標高700m の“ここでしかできない”建築を考えたい」滑田崇志氏&斉藤光氏(はりゅうウッドスタジオ)