7月23日に開催された、旧香川県立体育館の買取等による保存及び利活用への正式表明に関する記者会見へ、プレスとして参加してきた。会場は高松市のホテルパールガーデン新館6階宴会場で、旧香川県立体育館の特徴的な形の屋根を間近に見下ろせる、絶好のスポットだった。


登壇したのは、今回、新たに組まれた旧香川県立体育館再生委員会から、委員長の長田慶太(長田慶太建築要素代表/峰山往来文庫主宰)、副委員長の上杉昌史(経営戦略コンサルタント)、理事の青木茂(青木茂建築工房会長、リファイニング建築・都市再生協会理事長)の3氏である。

最初に発言した長田氏は、地元で建築設計事務所を営む建築家。高松を発祥とする乃村工藝社など、重要な役割を果たせる企業や人とのつながりが生まれ、責任を持って旧香川県立体育館の再生を進めていける体制が整ったので、今回の提案表明となったと経緯を説明。これまでに県が検討してきた内容を否定するつもりはなく、前提となる条件が変わったことを理解してもらいたい、と強調した。

次に発言した経営戦略コンサルタントの上杉氏は、事業スキームについて、図表やイラストを示しながら解説。現時点では具体的な名前が出せないが、複数の不動産ファンドと話を進めており、必要な資金を調達できる目処は付いている、と明かした。

質疑応答から発言に加わった青木氏は、豊富な建築再生の経験をもとに、今回の再生提案が技術と事業性の両面において現実的であることを示す。公共施設と民間建築で求められる性能が異なり、加えて解析技術の進歩も相まって、耐震改修に要するコストは大幅に減らせると言う。
続いて会見では、ハーバード大学大学院、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、イリノイ大学から提出された保存嘆願書が紹介され、旧香川県立体育館に対する海外からの関心の高さも、改めて伝えられた。
会場には、地元の新聞社やテレビ局の記者が勢ぞろいしていた。会見の最後に行われた質疑応答では、これまでの経緯を踏まえたうえで、ポイントを突いたやり取りが行われ、旧香川県立体育館の行く末について、メディアからの関心が高いことがうかがわれた。
しかし、すでに決まっている解体の方針を覆すには、広く県民の関心を呼びおこせるかがカギとなる。新たなる再生提案がどう受け止められるか、注目して追いかけていきたい。
なお、事業スキームや転用施設の案については、下記の記事で説明しているので、そちらを見てほしい。
また、この記者会見の様子は、YouTUBE: @TheAxisKagawa ↓で見ることもできる。(磯達雄)
