写真で見る「霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ」、親子を和ませる不思議な空気感──みんなの建築大賞2026ベスト10から③

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 「建築」という言葉は何だか「カチッ」「ビシッ」としたものをイメージさせる。「みんなの建築大賞」という名称は、そのイメージを突き崩して、もっと一般の人に身近なものを「建築」と感じてもらいたい、という狙いもある。議論の過程では「みんなのけんちく」という案もあった。おそらく、同じような意図があってこの施設の名前も「霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ」なのだと思われる。

施設東端の「ヤギのいる遺跡」。おおっ、まさに遺跡。ヤギが神々しい…。階段は旧施設でメインのアプロ―チだった部分(写真:宮沢洋、2025年3月30日に撮影、以下も)

 茨城県行方(なめがた)市に2024年7月に開館した「霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ」は、2020年春に閉館した「水の科学館」を大規模改修して生まれたものだ。設計したのは髙橋一平氏(1977年生まれ)が主宰する髙橋一平建築事務所。

 これを建築的に説明しようとすると、筆者の力量ではどうしても「カチッ」「ビシッ」な空間に思えてしまいそうだ。なので、公式サイトの施設概要(太字部)と写真だけで、その空気感を味わっていただきたい。

動物や自然との共存を通して、人が考える場所に。
「霞ケ浦 どうぶつとみんなのいえ」2024 年7月31日にグランドオープン。

行方市および霞ケ浦ふれあいランド株式会社は、官民連携で取り組む霞ケ浦ふれあいランド再生整備事業の一環として、これまで茨城県行方市の霞ケ浦湖畔にあった水の科学館(霞ケ浦資料館)を大規模改修し、動物や自然と共生しながら地域活性の機能も持ち合わせた施設を「霞ケ浦 どうぶつとみんなのいえ」として2024年7月31日にリニューアルオープンいたします。

写真左が入り口

観光交流と地域住民のための場としての機能に加え、水辺という立地環境を生かした体験や学びもでき、動物とふれあうことができる施設です。建築家や現代美術作家を起用するなど公民館でも、動物園でもない、これまでにはみられなかった新しい場所が誕生いたします。

「どうぶつとみんなのいえ」のオープンを機に、周辺エリアを含めた長期的なリニューアルを進めてまいります。

行方市全体にもぜひご注目ください。

左方向に少し歩くと、霞ケ浦がある

 どうです? このふわっとした空気感。行ってみたくなったでしょう。心に響いた人は下記から投票を。

 筆者は「ふわっ」とした感じが気に入っているのだが、「建築」として「ビシッ」とした面もすでに高く評価されており、去る1月16日に2025年度「JIA日本建築大賞」を受賞したことを付け加えておく。(宮沢洋)

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■建築概要
所在地:茨城県行方市玉造甲1234/発注者:行方市/設計者:髙橋一平建築事務所/設計協力者:小西建築構造設計(構造)、環境エンジニアリング(設備)、MOFF(動物導入)、髙橋一平建築事務所・吉野敏充デザイン事務所(サイン計画)、長井朋子(壁画「キリンの肖像画」 協力:小山登美夫ギャラリー)、吉野敏充デザイン事務所(ロゴ・グラフィックデザイン)、いろいろ(広報物制作協力)、加藤麻帆・福留愛・牧佑育・安部くる実・若森真菜・山下智宏(調査協力)/施工者:オカベ/構造: 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造/階数: 地上2階/延べ面積:4968.29m2 /施工期間:2022年6月〜2024年7月(一部,継続中)/開館日:2024年7月31日