(執筆:磯達雄)
超高層ビルでは従来、強い風や雨から内部環境を守るため、外装サッシは開かないのが常識だった。ところが、小松ウオール工業(本社:石川県小松市)が新たに開発した高層建築用の外装用可動間仕切り「SKYDOOR」は、サッシに要求される耐風圧性、気密性、水密性という性能を満たしながらも、フルオープンで開放が可能という。その発表会が3月18日に催されたので行ってきた。

発表会の会場は「SKYDOOR」を採用した「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」の28階。このビルは、槇総合計画事務所による設計で、昨年に竣工。高さ229mのタワーは、上に行くにつれてエレベーターコアの分だけ段状にセットバックする。その切り替え部に設けられたテラスに面して、「SKYDOOR」は設置されている。





開口部の大きさは幅10m、高さ3mで、枠は想像していた以上に細い。閉鎖状態から開放状態へ換えるデモンストレーションでは、数人のスタッフが手動で操作し、サッシをスムーズにスライドさせていく。すると、あっという間にフルオープンの状態になった。室内とテラスは段差なく連続し、外側には東京湾の風景が広がる。

発表会では槇総合計画事務所の代表、亀本ゲーリー氏も登壇。「SKYDOOR」について、ル・コルビュジエの「サヴォア邸」でテラスに面して設けられたガラス戸を引き合いに出し、その意義を語った。ちなみに槇総合計画事務所と小松ウオール工業は、「幕張メッセ」で巨大な可動間仕切りを開発した時からの付き合いだそうである。
「SKYDOOR」の開放は、中間期の天候の良い日に限られるとのことで、1年のうちで開けられる日はそれほど多くはないのだろうが、眺望に優れた高層階で外部環境の快適さを丸ごと取り込める技術は、超高層ビルの新しい可能性を開くものとして期待したい。

