月面への有人着陸や長期滞在を通した持続的な月探査を目的とする「アルテミス計画」をはじめ、民間宇宙ステーション、宇宙ホテルなどが実現に近づき、宇宙飛行士でなくても宇宙に滞在する時代が迫っている——。こんな動きを踏まえ、竹中工務店では2023年に宇宙建築タスクフォース(TSX:Takenaka Space eXploration)を立ち上げ、活動を継続している。
東京・三田の建築会館ギャラリーで12月10日に始まった「宇宙のくらしをつくる建築展|Lunar Architecture by TAKENAKA」が、その成果を発表する場となる。会期は12月14日までと5日間に限られるので、気になる人は今すぐ予約(予約サイト:https://tsx-lunar-arch.peatix.com/)のうえ、現地を訪れていただきたい。入場は無料だ。


目玉となるのは、月面探査最初期の無人探査ロボット、宇宙飛行士のためのベースキャンプ、民間スペシャリストのための長期運用滞在施設などだ。TSXでは、国際社会における宇宙開発は、軌道・月・火星での居住を本気で目指す段階へ入ったと捉え、宇宙QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の高い居住空間と設計技術を重視して、設計などをまとめている。
TSXの立ち上げを担った中心が、共に2006年入社でTSXのリーダーを務める2人の設計者だ。1人は大阪本店設計部設計第5部門の佐藤達保設計1グループ長。もう1人が現在、TAKENAKA EUROPE GmbHに駐在する田中匠氏だ。2022年にJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験の受験を契機に互いが宇宙に興味があることを知ったという筋金入りの“宇宙オタク”だ。日常の業務と掛け持ちで宇宙建築を手がけてきた。



TSXがゴールとして狙うのは大きく2つ。建設会社として宇宙での総合的な設計施工サービスを展開すること。もう1つが宇宙という極限的な環境でQOLを向上すること。宇宙飛行士として訓練しなくても快適に生活できる空間や環境の実現を目指す。今回の展示では、まさに後者をかなえる建築などを展示している。
まずは会場中ほどの壁に展示してある「TSX 宇宙建築グランドデザイン年表」と右隣りの映像で全体を把握してもらうとわかりやすい。この映像では目的・滞在人数・規模・工法に応じたQOLのレベルを縦軸、規模・建設時期に応じたフェーズを横軸に設定。無人探査をフェーズ1、少人数短期滞在をフェーズ2、中期滞在をフェーズ3、長期滞在をフェーズ4、大規模居住をフェーズ5にそれぞれ位置付けている。
文字にするとわかりにくいので、会場の構成をざっと写真で紹介しておこう。模型を眺めていると月などでの生活が現実を帯びて見えてくる。(森清)




■展示会概要
展示会名称:宇宙のくらしをつくる建築展|Lunar Architecture by TAKENAKA
開催期間:2025年12月10日(水)~12月14日(日)
開場時間:午前10時~午後6時30分 ※最終日12月14日のみ午後5時まで
開催場所:建築会館ギャラリー(東京都港区芝5-26-20 1階)
入場料:無料・予約制
予約サイト:https://tsx-lunar-arch.peatix.com/
TSX WEB:takenaka.co.jp/space-archi
主催・企画・運営:竹中工務店
