7年目の「セッケイ・ロード」@イケフェス大阪2025、参加14社+αを1日で回った!

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 「イケフェス大阪(生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪)2025」の初日(10月25日)に参加してきた。メインの目的は、筆者(宮沢)が命名者である「セッケイ・ロード」。7回目となる2025年は、昨年から2社増えて14社が参加。毎年イラストを描いているスタンプラリーは、14社集めると1枚の絵になる。各事務所へのご挨拶を兼ねて14社を1日で回ってみた。計算上は、移動時間も含めて1時間あたり2社。本当に全社回れるのか?

勝手に「技能賞」を贈ることにした石本建築事務所 大阪オフィスの展示(写真:宮沢洋、以下も)

 なぜ宮沢が「セッケイ・ロード」の命名者なのかは、長くなるので下記の記事(2021年)をご覧いただきたい。

MBS人気アナの仕切りに感動、今週末開催「セッケイ・ロード」トークバラエティをお見逃しなく!

今年のガイドブックのスタンプページはこんな感じ。スタンプを14社押すと、架空のまちの絵になる

 14社を、筆者が回った順に紹介する。単なる紹介記事は面白くないので、昨年同様、3つの賞を出すことにした。相撲にならい、「殊勲賞」「敢闘賞」「技能賞」だ。

 まずは、他社よりも開始時間が30分早い日本設計へ。

9:30 日本設計 関西支社

 プロジェクトのパネル展示は、昨年と同様、ビルの足下のピロティにずらり。無料のコーヒーを飲みながら、見たり休んだりできる。ビル内ではワークショップ 「建築模型製作体験」を開催。

9:45 三菱地所設計

 三菱地所設計のオフィスはOAPにあるが、他の事務所と近い「大阪堂島浜タワー」のエントランスホールで開催。エントランスホールなので、10時の開始前に行ってもやっているだろうと思ったら、やはりやっていた。今年は木造・木質系のプロジェクトを中心に展示。

10:15 浦辺設計

 北浜の川沿いのビル(下の写真の中央)の4階にあるオフィスを公開。展示とともに、ゆったりした中之島周辺の景色を見せる。

10:35 東畑建築事務所 本部・本社オフィス大阪

 大阪・関西万博の大屋根リングや大阪ヘルスケアパビリオンなどを展示。毎年恒例の「清林文庫」展も。

11:10 【殊勲賞】安井建築設計事務所 本社・大阪事務所

 安井建築設計事務所はイケフェス大阪の古参で、セッケイ・ロード企画のリーダー的存在。毎年安定のプロジェクト展示に加え、今年は新企画「アート⇔建築 あ!つながってるかも」を開催。

 「インクルーシブアートと建築写真。一見ちがう世界だけど、並べてみると不思議とリンクして見えてくる? 決まった答えはありません。自由に感じて楽しんでください」(イケフェス大阪公式サイトより)。

 art bridgeの協力を得て実施した。この企画は今後の広がりがありそう。ということで「殊勲賞」を贈呈。

11:40 【敢闘賞】佐藤総合計画

 佐藤総合計画は今年初参戦。新参組なのに、展示が体験型で面白い!

 3Dプリンターで小さな建築模型をつくる過程を見せたり…。

何をつくっているかというと、東京ビッグサイトのキーホルダーだった!

 創業者の佐藤武夫が音響工学の先駆者だったということで…

 びわ湖ホールの音響を体験する箱に頭をつっこんだり…。と、いきなりチャレンジングな展示連発だったので、「敢闘賞」を贈呈。

12:10 ティースクエアデザインアソシエイツ

 北浜の「GROW北浜ビル」には2つの参加事務所がある。まずは10階のティースクエアデザインアソシエイツ(代表:津田茂)へ。仕事場にそのまま模型などを展示するカジュアルな手法は昨年と同じ。今年は、模型から実寸を読み取るための四角スケールが無料配布された。

12:25 ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ

 ティースクエアデザインアソシエイツから2フロア下りると、ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ(代表:前田茂樹)だ。今年は、プロジェクトに実際に使われた素材を触ってみてください、という趣向。

13:10 光井純&アソシエーツ 建築設計事務所(JMA) 関西オフィス

 設立30周年となるJMA。今年は、東京・大阪・岩国の3拠点の合同展示。説明のスタッフも東京・岩国から応援出張。

岩国オフィスの展示コーナー(プロジェクトは湯田温泉)。光井純氏は岩国の出身だそう

寄り道 13:35 アートアンドクラフト

 セッケイ・ロードのメンバーではないが、JMAから近かったのでアートアンドクラフトに寄ってみた。住宅リノベーションの草分け的存在だ。6月に移転したばかりの新オフィスを公開。

 以下、事務所のサイトより。「この度アートアンドクラフトは長年過ごした京町堀を離れ、天満橋へと引越しします! 次のオフィスは5階建のビル一棟。シェアキッチンやショウルーム、オフィスなどさまざまな用途を詰め込んで、街にフレンドリーな拠点にしていけたらなと思っています。お近くにお越しの際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。」

1階のシェアキッチン

14:15 【技能賞】石本建築事務所 大阪オフィス

 石本建築事務所は、代表作の1つ、「船場センタービル」の目の前のオフィスビルにある。土曜日1日だけの公開ながら、展示の物量の多さにまずは敬服する。

 セッケイ・ロードスタンプラリーに対抗してか、事務所内でスタンプラリーを実施し、来場者を誘導。

いろいろ手が込んでいる

 AIで制作したという“動く石本喜久治”や、担当スタッフのミニチュアなど、来館者の楽しませ方にも独自性。「技能賞」を贈呈!

14:50 久米設計 大阪支社

 久米設計ではストラックアウトを実施。なぜ、設計事務所でストラックアウト? 答えは阪神タイガースのファーム球場を設計したから。なるほどー。

寄り道 15:50 竹中工務店大阪本店

 ここで、竹中工務店大阪本店がある「御堂ビル」に立ち寄る。今年2月にグラングリーン大阪の「VS.」で開催した展覧会「たてものめがね まちめがね展」のリバイバルをやっていた。同展を見逃していたので、縮小版とはいえ見られてよかった。

『縮尺:スケール』を切り口にして、“たてもの・まちづくりのおもしろい”を発見する体験型展示

15:30 大建設計大阪ビル

 大建設計は今年初参加。「大阪で大建設計なしは寂しい」とずっと思っていたので(※同社の創設時の名前は大阪建築事務所)、ようやく「大阪の主要事務所が参加」と胸を張れる形になった。初参加なので、展示は王道路線。

水族館に強い大建設計。展示物の1つとして置かれていた拙著『日本の水族館五十三次』にサインが欲しいというので、描き慣れないサインを描く

16:10 【横綱】日建設計 大阪オフィス

 毎年、尋常ではないエネルギーをセッケイ・ロードに投じている日建設計。今年の企画は「日建設計125周年企画 時代を彩った建築:その設計図から技術・デザインの変遷を巡る―」。いくつかのテーマで歴史上の名作や話題の近作の図面を並べ、東西対決させる(見比べる)という趣向。

 こんなの日建設計しかできないよなあ…。三賞とは別枠で「横綱」!

展示は撮影禁止だったので、この写真で想像してください。今年、日本建築学会賞作品賞を受賞した江副敏史氏(右)も説明役で参加。中央は大阪オフィス代表の勝山太郎氏、左は顧問の指田孝太郎氏

17:05 昭和設計本社

 17時の終了時刻に間に合わず、ギリギリで中に入れてもらった昭和設計。大阪・関西万博で担当したEXPOホール「シャインハット」などを展示。

 これで全14社クリア。実際は4社でもらえる景品のクリアファイルを、14社コンプリートした昭和設計でいただく。

 どうやら1日で回れるのは14社が限界。来年、増えたらどうしよう…。でも、当初6社で始まったこの企画↓が、1日で回れない規模に拡大するというのは、名付け親として感無量!(宮沢洋)

第1回セッケイ・ロード(2019年)のスタンプラリー。高麗橋通り1本だったので、半日くらいでクリアできた