あの「紀尾井清堂」を見る絶好のチャンス!「内藤廣 なんでも手帳と思考のスケッチ」展が9月末まで開催中──内藤廣3連投②

Pocket

 7月25日に開幕した「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」(本サイトで既報)よりも先に都内で始まっている内藤廣氏の展覧会がある。7月1日から9月30日まで、東京・紀尾井町の「紀尾井清堂」で開催中の「建築家・内藤廣~なんでも手帳と思考のスケッチ in 紀尾井清堂」だ。

会場風景(写真:宮沢洋)

 BUNGA NETとしては渋谷展の「公式ブック」である『建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い』(グラフィック社)に協力している手前、そちらが開幕するまでリポートを控えていたのだが、実は展示内容はこちらも負けず劣らず充実している。展示物の濃さに加え、めったに見られない「紀尾井清堂」(2021年、設計:内藤廣建築設計事務所)の内部が見られる。しかも、こちらは入場無料だ(太っ腹すぎる…)。

 紀尾井清堂の詳細はこちら↓の記事を。(ちなみにこの記事は2021年に最も読まれた記事!)

 以下、公式サイト(一般社団法人倫理研究所)より本展の主旨を抜粋する(太字部)。

7月1日(火)から9月30日(火)の期間中、紀尾井清堂において「建築家・内藤廣~なんでも手帳と思考のスケッチ in 紀尾井清堂」が開催されます。紀尾井清堂や富士高原研修所を設計した建築家・内藤廣氏の約40年分の手帳を年代別に公開。その他、旅先でのスケッチや思考の概念図、図面や写真などをふんだんに展示。卓越した思想を持つ建築家の思考の跡をたどります。

「以前からノートにあれこれ書き込む癖があったが、1985年から、いわゆる市販のありふれた手帳にすべての情報を貼り込むことにした。妙にデザインされたものより、実用一点張りの手帳のほうが自分には相応しいと思ったからだ。以来40年間、能率手帳を使い続けている。予定、スケッチ、アイデアの断片、展覧会やコンサートのパンフレット、なんでもこの中に納め、それ以外は手元に一切残さない、ということにしている。」(内藤廣

 吹き抜けの最下部の2階は「言葉の曼荼羅」。内藤氏の近著から、印象的なフレーズを抜粋・再編集したものを展示↓。

 メインは3~5階で、内藤氏の約40年分の手帳を年代順に展示している。旅先でのスケッチや、思考の概念図、プロジェクト図面などが1年ごとに貼り込まれた氏の手帳を公開↓。

 1冊のノートの複数のページをどうやって見せるのだろうと思っていたのだが、なんとメモが書かれたページ(見せられないページを除く)がカラーコピーされ、「ノート」として製本されていた。来館者はそれをめくって見る。これは事務所内でつくったものだそう。なんて手間のかかることを…。

実物のメモ帳はガラスケースに入っている

 壁にはプロジェクトの写真や図面が展示されている。これらは基本的に渋谷展の内容とダブっていない。つまり、両展とも見ないと内藤氏に活動の全貌はカバーできない。

 ピロティのような1階(実際には屋内)には「東日本大震災への鎮魂」を展示がある。1万8800個のガラスピースをリング状に再構築したインスタレーションだ↓。あまりにも繊細なのでアーティストの作品なのかと思ったら、これも内藤事務所作だという。

渋谷展のあの巨大模型をつくる一方で、こんな緻密なものを…。どういう事務所なのか

 展示に刺激を受け、空間体験もできて、しかも無料。行かない手はないだろう。会期は9月30日までだが、開館日は火・木・土曜のみなのでご注意を。(宮沢洋)

■展覧会概要
建築家・内藤廣 なんでも手帳と思考のスケッチin紀尾井清堂
展示期間:2025年7月1日~9月30日
開館日:火・木・土曜日(祝日・年末年始等を除く)
※設備のメンテナンス等により臨時閉館する場合があります。
※令和7年8月12日、8月14日、8月16日、9月23日は閉館となります。
開館時間:10:00~16:00

※最終入館時刻は15:30となります。
※16時には退出いただきます。お時間に余裕をもってご来場ください。
観覧料:無料※事前予約の必要はありません。
会場:倫理研究所 紀尾井清堂(東京都千代田区紀尾井町3-1)
・JR四ツ谷駅(麹町口)より徒歩10分
・地下鉄麹町駅(2番出口)より徒歩5

・地下鉄赤坂見附駅(D出口)、永田町駅(7番出口)より徒歩6分
共催:株式会社内藤廣建築設計事務所、一般社団法人倫理研究所

ちなみに、展示室の窓からも見える東隣のビルは、村野藤吾設計による「紀尾井町南部ビル」(1980年)
紀尾井町南部ビル。村野にしかデザインできない窓

内藤廣3連投①はこちら↓。

内藤廣3連投③はこちら↓。(2025年7月28日公開予定)