週刊折り紙建築クイズ13:実施設計を日本にいる3人の弟子たちが担当したこの美術館は?

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ヒント:この外部階段の向かい側には、弟子が設計したホールが立っています。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称:国立西洋美術館
所在地:東京都台東区上野公園7-7
竣工年:1959年(昭和34年)
設計者:ル・コルビュジエ 実施設計・監理:前川國男・坂倉準三・吉阪隆正
規模など:鉄筋コンクリート造、地下1階・地上3階・PH階1階、延べ面積17367㎡

(写真:宮沢洋)

建築のポイント:この建築はル・コルビュジエの設計として日本で唯一のものです。実施設計と監理を弟子である前川國男・坂倉準三・吉阪隆正に任せることで完成しました。この建築では、コルビュジエが提唱・考案した「近代建築の5原則」、「モデュロール」、「無限成長美術館」を実際に見ることができます。向かい側の敷地には弟子の前川國男が設計した東京文化会館(1961年)があります。

折り紙建築の制作ポイント:私がこの建築の折り紙建築作品を作ろうとした時、他の作家により既に発表されていました。そこで、この建築のアイコンとなる外部階段にフォーカスした作品を作ることにしました。この作品のように、紙が90度ではなく180度に開くものは「切り起こし180度タイプ」と呼ばれます。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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