週刊折り紙建築クイズ14:2方向にねじれるHPシェルの屋根を吊り構造で架けたこの体育館は?

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ヒント:設計者は宮川英二で、1964年の国民体育大会の競技施設として建設されました。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)
その施設内で、向きを合わせて撮ってみました

答え
建築名称:新潟市体育館
所在地:新潟県新潟市中央区一番掘通町3-1
竣工年:1960年(昭和35年)
設計者:宮川英二 構造技術者:加藤渉・西村敏雄
規模など:鉄筋コンクリート造、吊り屋根鉄骨HPシェル構造 地下1階・地上3階、延べ面積5994㎡

(写真:五十嵐暁浩)

建築のポイント:建築設計は宮川英二、構造設計は加藤渉・西村敏雄が担当し、1964年の国民体育大会の競技施設として建設されました。国体終了後の同年に発生した新潟地震で罹災するも、修復され、60年以上使われています。体育館としての利用の他にコンサートやプロレスリングなど、多目的に使用されています。1962年にはBCS賞を受賞し、2005年にはDOCOMOMOのモダンムーブメントの建築に選定されました。同じような架構技術を米国ノースカロライナ州のドートン・ドームでみることができます。

折り紙建築の制作ポイント:この作品では建築の構造体のうち、HPシェル(双曲放物面)を支えるアーチを描いた梁だけを抽出しました。屋根や壁を取り払い簡略化の限界に挑戦したシンプルな作品になりました。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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