【追悼・原広司】週刊折り紙建築クイズ40:外観のディテールの多さに目が点になるこの建築は?

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くしくも、この記事を公開した1月3日、建築家の原広司氏が老衰のため逝去されました。享年88歳。ご冥福をお祈りいたします。

ヒント:DOCOMOMO Japanにより2024年、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選出されました。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建築名称 :ヤマトインターナショナル
所在地:東京都大田区平和島5-1-1
竣工年:1986年(昭和61年)
設計者:原広司
規模など:地上9階・PH1階、鉄骨鉄筋コンクリート造、延べ面積1万2073.94㎡

(写真:宮沢洋)

建築のポイント:この建築はアパレルメーカー、ヤマトインターナショナル本社として原広司により設計されました。「宇宙戦艦」に例えられることがあるようですが、これは施主の企業名からではないかと思われます。建築の目に飛び込んでくる数々の造形は全体としてどこか集落を感じさせ、「建築に集落を埋蔵する。」という設計者の言葉通り建築の中に存在しているかのようです。

折り紙建築の制作ポイント:「どこから作りだせば良いのか?」と途方に暮れたことを覚えています。平面図・立面図・断面図やストリートビュー・グーグルアースを駆使し立体を頭の中に入れながらの作業でした。ちなみにBUNGA NET主宰者の宮沢さんとの出会いは、この建築に関連する記事からでした。私にとって思い出深い作品になっています。(五十嵐暁浩)

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宮沢洋作のヤマトインターナショナル。2010年(関連記事はこちら

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

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