豪華連載が一斉スタート、創設3年を機にBUNGA NET“第2ステージ”へーー編集長の胸の内

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 何かすごいことが始まりそうだーー。4月から始まる連載群の原稿を読むたびに、編集長である私(宮沢洋)の気持ちは高ぶっていく。建築系の読み物連載としては、たぶんどこのメディアよりも魅力的だと思う。開始時期が決まっている連載は以下の5本だ。

01 山梨知彦「建築の誕生」 4月3日(月)公開
02 乾久美子+Inui Architects「よくみる、小さな風景」 4月6日(木)公開
02 津久井五月「ARTIFITECTS:模造建築家回顧録」 4月10日(月)公開
04 倉方俊輔「ポストモダニズムの歴史」 4月17日(月)公開
05 海外拠点の建築家によるリレー連載「海外4都・建築見どころ案内」 4月24日(月)公開

 いずれも掲載は月1回。従来通り、無料で読める。

バナーからも読み取れる本気度

 一番手の山梨知彦氏とニ番手の乾久美子氏は、第一線で活躍する建築家だ。いや、「第一線」などという凡庸な形容ではなく、「ともに日本建築学会賞作品賞を受賞しているスーパー建築家」と呼ぶのが正解かもしれない。そんなスーパー建築家の2人だが、設計へと向かう第一歩はかなり違う。それは、本人がつけた連載タイトルからも想像できるし、本人作成の下のバナーを見れば一目瞭然だろう。

(画像制作:山梨知彦)
(画像制作:乾久美子)

 三番手の津久井五月氏は気鋭のSF作家だ。私は前職時代からずっと、建築がらみの連載小説をやってみたかったのだが、それがついに実現した。なぜ津久井氏なのかは、以下のプロフィルを読んでもらえれば分かるだろう。

津久井五月(つくいいつき):1992年生まれ。栃木県那須町出身。東京大学・同大学院で建築学を専攻。2017年、「天使と重力」で第4回日経「星新一賞」学生部門準グランプリ。公益財団法人クマ財団の支援クリエイター第1期生。『コルヌトピア』で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞。2021年、「Forbes 30 Under 30」(日本版)選出。作品は『コルヌトピア』(ハヤカワ文庫JA)、「粘膜の接触について」(『ポストコロナのSF』ハヤカワ文庫JA 所収)、「肉芽の子」(『ギフト 異形コレクションLIII』光文社文庫 所収)ほか。変格ミステリ作家クラブ会員。日本SF作家クラブ会員。

(画:冨永祥子)

 この小説は、私から津久井氏に1つ条件を出した。それは「実在する建築家が登場すること」。作家に条件を課すなど、文学雑誌編集者が耳にしたらカンカンに怒りそうな話だが、ここは建築ネットマガジンなので、やはり建築好きに読んでもらいたい。どうなることかと待っていると、思いもよらぬ作品が届いた。第1話に登場するのはル・コルビュジエ。正確に言うと、ル・コルビュジエの全記憶を持った人工知能の話だ。ここから先は、作品を読んでいただきたい。

 付け加えると、挿し絵もすごい。連載の挿画担当は冨永祥子氏。なんか聞いたことあるな…と思った方は鋭い。工学院大学建築学部建築デザイン学科教授で、建築学会賞受賞建築家の冨永祥子氏だ。このサイトはBUNGA(文・画)ネット。画の方も、私が考える最高の描き手にお願いしたのだ。

名実ともに「建築ネットマガジン」に

 長くなり過ぎるので、倉方俊輔氏(建築史家、大阪公立大学教授)の連載と、海外の連載については、機会を改めたい。

 そしてこれら5本とは別に、スポンサー付きの連載も随時スタートする。広告なしの無料サイトでは前述の執筆陣に原稿料が払えない。BUNGA NETの趣旨に賛同してくださった企業や団体を応援する連載を始めることにした。これらも、単なる広告記事ではなく、「読んで面白い」「読まずにはいられない」ものにするつもりだ。

 もちろん、これまで通り、私を含めたOffice Bungaのメンバーが書く記事も発信していく。タイムリーな記事の読み逃しを防ぐために、ぜひメールマガジンへの登録をご検討いただきたい。無料で月に2回配信を予定している。(メルマガ登録はこちらのアドレスへ→infobunga409@gmail.com

 2020年4月1日のスタートから3年。ようやく名実ともに「建築ネットマガジン」と言えるものになる。そして、次は「日本を代表する建築ネットマガジン」と呼ばれるように、魅力的なコンテンツを発信していきたい。(BUNGA NET編集長:宮沢洋)