「みんなの建築大賞」のバタバタが終わると「東京建築祭」のバタバタが始まる。2つのイベントは同じ年から始まった。3年前の2024年だ。筆者(宮沢)は「みんなの建築大賞」では推薦委員と事務局代表を、「東京建築祭」では実行委員を務めている。
東京建築祭の“本番”は5月下旬(2026年は5月16日(土)~24日(日) )なのだが、毎年、今の時期は運営側にとっては本番と並ぶ重要な時期である。クラウドファンディング(こちら)が2月11日から始まったのだ。このイベント、第1回・第2回とも「大成功」といってよい内容だったのだが、毎回、実現に大きなリスクがつきまとう。なぜかというと、“東京全域網羅”を目指して、毎回エリアが拡大しているからだ。第3回となる今年は、ざっくり言うと「第2回+渋谷エリア」でこんな感じとなる。

実行委員長は初回から建築史家の倉方俊輔氏が務めている。倉方氏がいなかったら、たぶん誰もこんな壮大な祭りをやろうとは思わない。前回は128の建築が参加し(無料で開放する特別公開や特別展示は43件)、のべ11万人が来場した。すでに世界トップクラスの建築公開イベントだ。

今回も倉方委員長の旗振りの下、優秀な事務局のスタッフたち(本当に優秀!)が、前回の終了後直ちに新エリアの公開建築を着々と開拓してきた。だが、先立つ資金がなければそれらをすべて公開することはできない。筆者も実行委員の1人としてクラファン開始は気にはしていたのだが、何しろスタート前日の2月10日が「みんなの建築大賞」の投票最終日で、2月16日が発表会&授与式だったので、クラファンサイトをちらっと見て「うまくいきますように」と心の中で祈る程度だった。
賞の残務がひと段落し、さてそろそろクラファンの呼び掛けに協力しなければと思っていた矢先の2月24日、東京建築祭の公式Xからこんなポストが流れてきた。

なんと、たった2週間で目標の「600万円」を達成したというのだ。目標額は前回と同じだが、前回は開幕間際に達成した気がする。Xの投稿を引用して、みなさんにお礼をお伝えしたい。
【クラウドファンディング|目標金額600万達成しました!】
皆さまの温かいご支援のおかげで、本プロジェクトは目標金額を達成することができました。
東京建築祭 実行委員会・事務局一同、心より御礼申し上げます。
スタートから今日まで、これほど多くの方に共感し、支えていただき深く感謝しております。
お寄せいただいたメッセージの一つひとつから、建築へのまっすぐな想いと、この取り組みへの大きな期待を感じ、日々の励みとなっています。
今回の達成は、皆さまに背中を押していただいた大切な節目だと受け止めています。
東京にある建築の価値を「体験」として届けていくこと。
その挑戦を、ここからさらに丁寧に積み重ねてまいります。
現在、次の展開としてストレッチゴールの準備を進めています。
東京建築祭が、より多くの方に建築との出会いをもたらす場となるよう、可能性を広げていきたいと考えています。
ぜひ最後まで、この挑戦を見守っていただけましたら幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
午後0:05 ·2026年2月24日
東京建築祭
@tokyokenchiku https://x.com/tokyokenchiku/status/2026131337703551247
そうか、第二目標のことを「ストレッチゴール」というのか。知らなかった。この記事を見てクラファンを知った方、ぜひその達成に向けてご支援をいただきたい。今回は、筆者が昔描いた似顔絵を提供した「手ぬぐい」が返礼品の1つにある。まだ実物を手にしてはいないが、「創業154年を迎えた東京日本橋の老舗・戸田屋商店さんのご協力のもと、(中略)建築めぐりをより一層楽しい体験にしてくれる一枚」「国内産の木綿生地(岡)を使用し、伝統的な型紙捺染(なっせん)の技法で染め上げています」とのことなので、似顔絵の出来にかかわらず、手ぬぐいとして価値がある。

あっ、初年度にもこのコラムに書いていた!
そんなことを書いていたら、このクラファンについて、初年度にもこの日曜コラムで書いたことを思い出した。
当該部分を引用してみる。
そんなWEB重視の賞(みんなの建築大賞)を運営していながら何だが、私には結構な罪悪感がある。建築を100字足らずの紹介文と4枚の写真で評価してもらっていいのか、ということである。
本来、建築は体験するものである。自分は実体験を通して建築の面白さを知った。「みんなの建築大賞」の準備を進めながら、そんなことを自問自答していた昨年(2023年)の夏に声がかかったのが、「東京建築祭」の話だ。
これは昨日(2024年2月9日)、クラウドファンディングが始まった。
この東京建築祭の実行委員に筆者も名を連ねている。
倉方さんに声を掛けられたら「即答でOK」…というわけではなくて、正直、相当迷った。待ち受ける困難を想像すると、ボランティアでやるには大変過ぎる。それでも最終的に引き受けようと決めたのは、「みんなの建築大賞」に欠けている部分を埋められる、と思ったからだ。いや、埋めるというような小さなものではない。双方のイベントへの関心が重なり、共振し合うことで、“建築文化の民主化”の大きな波動が生まれるのではないか。そう思った。
まずはクラウドファンディングだ。受付期間(応援期間)は2024年5月8日まで。目標金額400万円。「みんなの建築大賞」ともども、応援をお願いしたい。
この記事(元の記事はこちら)はクラファン2日目の2024年2月10日未明に公開したものだが、その記事に掲載したクラファン初日夜の画面キャプチャー↓にちょっと驚いた。

支援してくれた人は11人で、まだ30万5000円しか集まっていない。
それでも最終的には目標額の400万円を大きく超え、624万3333円が集まった(支援者は337人)。
ちなみに前回(第2回)のクラファンは第1回を少しだけ上回り639万4000円だった(支援者286人)。
今年はこれを大きく超えることを心から願っている。クラファンの締め切りは2026年6月1日だが、参加建築・プログラム発表は3月末。それまでに事業面の目途の立つ範囲でしか公開できない。企業様からの協賛も絶賛募集中。今年初公開となりそうなあの建築やあの建築を実際に見ることができますように!(宮沢洋)
◎クラファンはこちらから→ https://motion-gallery.net/projects/tokyokenchikusai2026
◎ボランティアスタッフも募集中!→ https://2026.kenchikusai.tokyo/volunteer/

【東京建築祭2026】
主催
東京建築祭実行委員会
実行委員長
倉方俊輔(大阪公立大学教授)
実行委員
伊藤香織(東京理科大学教授)
田所辰之助(日本大学教授)
野村和宣(神奈川大学教授)
松岡孝治(公益財団法人東京観光財団)
宮沢洋(株式会社ブンガネット代表)
志岐祐一(株式会社日東設計事務所)
以倉敬之(合同会社まいまい代表)
協力
文化庁
一般社団法人中央区観光協会
一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会
一般社団法人日本橋兜らいぶ推進協議会
一般社団法人日本橋浜町エリアマネジメント
一般社団法人東銀座エリアマネジメント
一般社団法人京橋彩区
一般社団法人港区観光協会
銀座街づくり会議
公益財団法人東京都公園協会
一般社団法人東京建築アクセスポイント
東京へリテージマネージャーの会
助成
アーツカウンシル東京(芸術文化魅力創出助成)
協賛(2026年2月20日時点)
株式会社ジンズホールディングス / 株式会社山下PMC / 株式会社竹中工務店 / 大成建設株式会社 / 鹿島建設株式会社 / 株式会社大林組 / 清水建設株式会社 / 戸田建設株式会社 / 大和ハウス工業株式会社 / 株式会社三菱地所設計 / 株式会社JR東日本建築設計 / Tokyo Localized / YKK AP株式会社 / 株式会社梓設計 / 学校法人二本松学院 / 平和不動産株式会社 / 安田不動産株式会社 / 株式会社東畑建築事務所 / NTTアーバンソリューションズ株式会社 / 明治安田生命保険相互会社 / 株式会社サンケイビル / 株式会社日建設計 / 株式会社安井建築設計事務所 / 株式会社佐藤総合計画 / 隈研吾建築都市設計事務所 / DE-SIGNグループ / 株式会社日本設計 / 株式会社久米設計 / 株式会社横森製作所 / 株式会社松田平田設計 / 株式会社石本建築事務所 / 株式会社横河建築設計事務所 / 株式会社NTTファシリティーズ / ダイビル株式会社 / リノベる株式会社
マテリアルパートナー
株式会社ジェイアール東日本都市開発


