今秋初開催の「森の芸術祭 晴れの国・岡山」、妹島和世氏は地元木材の動物風ベンチ

Pocket

 夏休みを前に岡山県の最新話題をたっぷりとリポートした。岡山はこの夏の建築旅の有力候補地だ。

「福武トレスFギャラリー」一般公開スタート、繊細さを突き詰めた“意思の景観”
岡山で隈研吾氏の“CLT三部作”を見る(前編)──吉備高原Nスクエア、岡山大学共育共創コモンズ オークス
パビリオンから恒久施設に転生、「GREENable HIRUZEN」──岡山で隈研吾氏の“CLT三部作”を見る(後編)
建築の愛し方22:耐震改修を終えた岡山県庁舎で職員が自主企画の庁舎ツアーを開始、短縮版で回ってみた!

 「8月、9月は暑いので、もっと涼しくなってから行こう」と思っている人は、国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(2024年9月28日〜11月24日)も併せて検討したい。妹島和世氏が来ると聞き、7月9日に東京で行われたプレスカンファレンスに行ってきた。

左は芸術祭アートディレクターの長谷川祐子氏(金沢21世紀美術館館長)、右は参加アーティストの1人である建築家の妹島和世氏。長谷川氏は金沢21世紀美術館実現のキーパーソンで、妹島氏の盟友だ

 「森の芸術祭 晴れの国・岡山」は、今回が初開催となる岡山県北部を舞台にした国際芸術祭。開催エリア岡山県内の12市町村、津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町だ。

 長谷川祐子氏がアートディレクターを務め、国内外からアーティストや音楽家、ダンサー、建築家、デザイナー、華道家など幅広いジャンルのクリエイターを迎え、新作の展示や、岡山県北部の自然を生かしたプロジェクトを展開する。

「森の芸術祭 晴れの国・岡山」
会期:2024年9月28日[土]-11月24日[日]
開催エリア:岡山県内の12市町村(津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、
勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町)
作品展示エリア:
津山|津山城周辺エリア、グリーンヒルズ津山エリア
奈義|奈義町現代美術館周辺エリア
新見|満奇洞・井倉洞エリア
真庭|蒜山エリア
鏡野|奥津エリア

アートディレクター:長谷川祐子(キュレーター、美術評論家、金沢21世紀美術館館長)
主催「森の芸術祭 晴れの国・岡山」実行委員会(会長:伊原木隆太 岡山県知事)
参加アーティストの地域・人数:国外16名/国内20名(岡山3名) 13ヵ国 35組 36名
チケット鑑賞パスポート
一般2,500円(前売) 3,000円(当日)| 大学生・専門学生1,500円(前売) 2,000円(当日)
単館鑑賞券:一般・大学生・専門学生 | 700円

国外アーティスト:レアンドロ・エルリッヒ/アンリ・サラ/キムスージャ/リクリット・ティラヴァニ/タレク・アトゥイ/ジェンチョン・リョウ/ビアンカ・ボンディ/スミッタ・G・S/オウティ・ピエスキ/アシム・ワキフ/ジャコモ・ザガネッリ/ウメッシュ・P・K/パオラ・ベザーナ/ムハンナド・ショノ
国内アーティスト:坂本龍一+高谷史郎/森山未來/川内倫子/蜷川実花/妹島和世/立石従寛/片桐功敦/AKI INOMATA/上田義彦/磯崎 新/東 勝吉/東山詩織/川島秀明/森 夕香/
八木夕菜/染谷悠子
地元アーティスト:太田三郎/杉浦慶侘/江見正暢

公式サイトはこちら

 妹島氏がこの芸術祭に参加する理由は、キュレーターの長谷川氏との関係以外に、展示エリアの1つである真庭市との関係があるという。父親が真庭市の出身で、妹島氏は真庭市の観光大使を務めているのだ。(ちなみに妹島氏自身は茨城県日立市の出身)

 妹島氏は本展でこんな作品を出す予定という。

模型で検討段階のベンチ

 真庭といえば木材。木製のベンチだ。

試作中の木製ベンチ。象の肌のような筋は雨を流す役目があるという

 動物のように歩きそう。

屋外に置かれたイメージ

 街のなかをベンチがトボトボと歩いていくよう。かわいい。

 岡山、行ったばかりなのに、また見に行きたくなる…。

運営の中心メンバー。長谷川氏の左隣はキュラトリアル・アドバイザーの大倉佑亮氏

 作品展示エリアの1つ、津山にはこんな建築↓もあるので、見に行く人は読んでからお出かけを。(宮沢洋)

大改修後の「津山文化センター」を見学、“日本的RC四天王”が導いたサプライズ

学会賞受賞「グラスハウス」が大胆改修、オープン直後のサプライズ見学記──津山ルポ後編