【追加情報あり】残念!再び休館へ>>金沢建築館でセカンド企画展がそろり開幕、巨匠8組が壁で競う

Pocket

※谷口吉郎・吉生記念金沢建築館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年4月11日(土)から5月1日(金)まで臨時休館することを4月7日に発表しました。以下の記事は、4月3日に公開したものです。(2020年4月10日追記)

 いまや日本中の公共文化施設が閉館しているかのような印象があるが、今も平常心を保って通常営業している施設も少なからずある。金沢市の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館はその一つだ。

 2019年7月にオープンした同館では、その力量を問われるセカンド企画展、「日本を超えた日本建築―Beyond Japan―」が2020年3月20日から始まった。(同館は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日~3月19日まで休館していたが、3月20日から営業を再開した)

監修はケン・タダシ・オオシマ

 本展で選ばれた8組の建築家(五十音順)と、展示しているプロジェクトは以下のとおりだ。

安藤忠雄/ライトウッド659 (アメリカ・シカゴ、2018)
磯崎新/ウフィツィ・ロッジア (イタリア・フィレンツェ、1998-2024)
伊東豊雄/台中国家歌劇院 (台湾・台中市、2005-2016)
隈研吾/ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ (スコットランド、ダンディ 2019)
SANAA /ルーヴル・ランス (フランス・ランス、2005-2012)
谷口吉生/ニューヨーク近代美術館 (アメリカ・ニューヨーク、2005)
坂茂/オメガ・スウォッチ本社 (スイス・ビール/ビエンヌ、2019)
槇文彦/ 4ワールド・トレード・センター (アメリカ・ニューヨーク、2015) 

 建築史家でワシントン大学教授のケン・タダシ・オオシマ氏がキュレーションを担当。年表などの監修を京都工芸繊維大学教授の松隈洋氏が担当した。

磯崎新氏の選んだ一作は?

 同館の高木愛子専門員によると、館の設計者であり名誉館長でもある谷口吉生氏とオオシマ氏が協議して8組を選定。それぞれの建築家と出品する1プロジェクトを何にするか話し合った。壁面の展示は、基本的に各建築家にプレゼンテーションを委ねたという。

 並んでいるプロジェクトはどれも建築関係者なら知っているものばかりだと思うが、壁の展示に各建築家の“らしさ”が出ていて面白い。世界レベルの8組のプレゼン姿勢が一望できる機会はめったにないだろう。

 例えば、SANAA のルーヴル・ランスのスカスカ感と、坂茂氏のオメガ・スウォッチ本社の濃密感。

 磯崎新氏の壁は一瞬、難解な前衛アートか?と思ったが、よく見たらウフィツィ・ロッジア(ウフィツィ美術館の新玄関計画)について報じた海外メディアの記事だった。さすがの磯崎的ひねり! そもそもあれだけ海外に実績があるのに、あえて未完のプロジェクトを展示しているのも磯崎氏らしい。

 会期が2020年3月20日~8月30日と長いので、今後、金沢方面に「要」のありそうな方は気に留めておいていただきたい。はなから「休館だろう」と思ってこれを見逃すのはもったいない!

 ちなみに金沢では、鈴木大拙館(設計:谷口吉生)も、金沢21世期美術館も営業している(2020年4月2日現在)。(宮沢洋)