隈建築が茨城県で続々完成、「茶蔵」「さかいサンド」など境町の5件全部見た!

 「隈研吾氏の建築の集積地」と聞いたら、思い浮かぶのは高知県の梼原(ゆすはら)町だろうか。あるいは栃木県の那須周辺だろうか。それらの背中を猛追し、追い抜かんとしているのが茨城県境町である。まずは竣工年順に外観を全部見てみよう。

「さかいサンド」。2018年10月オープン(写真:宮沢洋、以下も)
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九州唯一の丹下建築・日南市文化センターのトークイベントに建築巡礼コンビが登壇!

 宮崎県の日南市文化センター(設計:丹下健三、1962年竣工)で9月12日(土)にトークイベント「見る・伝える 建築っておもしろい!」が開催され、Office Bungaの磯達雄と宮沢洋が講師として登壇した。磯は単独での訪問もあって3回目、宮沢は日経アーキテクチュアの連載「建築巡礼」で2004年秋に同施設を取材してから、16年ぶりの再訪となる。

日南市文化センターの北側外観(写真:長井美暁、以下も)
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日曜コラム洋々亭17:森山大道が密着映画で見せた「生真面目さ」に共感、いつか建築写真集が見たい!

 このドキュメンタリー映画は冒頭、菅田将暉の独白で始まる。その人はずっと「憧れの人だった」と。誰が憧れの人なのか。緒形拳でも役所広司でもない。映画の主役は写真家の森山大道である。

 そして、菅田将暉だけでなく世界の写真好きが憧れる森山大道が、映画の中盤辺りでつぶやくこのセリフ。「そうか」「そうなのか」と、肩の力が抜ける感じがした。

(イラスト:宮沢洋)

 「カメラなんて写りゃいい」──by森山大道。

 2021年4月公開の映画『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道』を、ひと足先に先行上映で見た。

 森山大道、1938年生まれ。今年82歳にして現役の写真家。建築関係の人は写真好きな人が多いと思うので、森山大道を好きな人が多いかもと思い、このコラムで紹介することにした。とはいえ、「誰それ?」という人もいるかもしれない。以下は、最近まで東京都写真美術館で開催されていた森山大道展(下の写真)の人物紹介だ。

 スナップショットの名手として知られる、日本を代表する写真家・森山大道は、1960年代に写真家として活動を開始し、そのハイコントラストや粗粒子画面による作風は「アレ・ブレ・ボケ」と形容され、写真界に衝撃を与えました。以来、世界各国の美術館での大規模展、2019年のハッセルブラッド国際写真賞をはじめとする数々の国際的写真賞の受賞など、デビューから55年を経た現在もなお世界の第一線で活躍し続けています。
(2020年6月2日~9月22日に開催された「森山大道の東京 ongoing」@東京都写真美術館の紹介文から引用、実際の作風を知りたい人は同展のサイトへ)

(写真:宮沢洋、下も)

 「ハイコントラストや粗粒子画面による作風」「アレ・ブレ・ボケ」「写真界に衝撃」──。この映画はそんな作風がどのように生まれ、現在はどのように写真と向きあっているのかを丁寧に描く。冒頭に人気俳優の菅田将暉を持ってきていることからも分かるように、誰もが興味を持てるように分かりやすくつくられている。前衛映画ではないので、森山作品を知らない人でも安心して見られるだろう。そして、森山の写真、というか森山本人のことがきっと好きになる。

 実は私も、森山の写真は好きだったが、作品や顔写真から想像される“野獣イメージ”から、本人には興味がなかった。自分には関わりのない世界の人だと思っていた。だが、この映画を見て、イメージががらりと変わった。なんて自然体で、生真面目な人!

 冒頭で取り上げた印象的なセリフを、ここでもう一度。

 「カメラなんて写りゃいい」

 これは、ファンから「フィルム時代の写真に戻りたくはないか」というようなことを問われ、さらっと答えたセリフだ。映画を見終わってから、資料写真を見ると、森山が映画内で手にしているカメラはニコンの「COOLPIX S7000」。

 2015年発売当時、世界最軽量のコンパクトカメラ。現在は生産されていないが、当時の実勢価格を調べてみると、なんと1万円台!

 このサイト(BUNGA NET)のほとんどの写真をiPhoneで撮っている私は、最近、一眼レフカメラを滅多に使わなくなっていること(重くてかさばるので…)を後ろめたく思っていたが、「撮れれば何でもいいんだよ」と自分に声をかけられたような感じがした。もちろん、技術と才能があっての話だとは思うが。

建築の写真がもっと見たい!

 森山の人間性でもう1つ共感したのが、森山が写真集を買ったファンにサインをするシーン。見た目は野獣のような森山が、ファンの一人ひとりに、びっくりするほど時間をかけてサインをするのだ。歳をとって手が動かないというのではない。本当に1文字1文字丁寧なのである。こういう人柄だから、今もオファーがあり、それに全力で応えることができるのだなと、納得した。

 森山が撮った写真も映画中に多数登場する。新宿・ゴールデン街や秋葉原など、猥雑な都市の写真は、いかにも森山らしい。私は、森山が「古い街並み」や「カオス」しか撮らないのだと思っていたのだが、日常の森山は、真新しい超高層ビルなどにも頻繁にカメラを向けている。上映中、「あれは一体どんな写真が撮れているんだろう」とずっと気になっていた。すると映画の終盤になって、1枚だけ真新しい超高層ビルの写真が映った。

 豊島区庁舎が入る「としまエコミューゼタウン」(隈研吾+日本設計、2015年竣工)だ。「すごっ!!」。あのビルがこんなふうに撮れるのか…。映るのはほんの一瞬だが、「森山大道の建築写真集が見てみたい!」と強く思った。

 誰かつくってくれないかなあ。あんな飾らない、真面目な人ならば、熱意を持ってお願いすれば協力してくれるのではないだろうか。何なら私が…、と、そんなふうに価値観ががらりと変わる良質のドキュメンタリー映画だった。(宮沢洋)

『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい』
監督・撮影・編集:岩間玄
プロデューサー:杉田浩光、杉本友昭、飯田雅裕、行実良
2021年4月30日より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイント他全国順次公開
公式サイト:https://daido-documentary2020.com/

コロナ禍の今こそ「ワクワク」を語れ!シティラボ東京のオンライン連続対談がスタート

 知人から「東京の未来を考えるオンラインイベントを取材しませんか」と声を掛けられ、どうしようかなあ…と迷った末に、見てみることにした。9月24日(木)20時~21時30分に開催されたオンラインイベント、「東京のワクワクする未来を考える 建築家 重松健×ライゾマティクス 齋藤精一 produced by シティラボ東京」である。

イベント冒頭の画面キャプチャー(以下の画像も画面キャプチャー)

 見ようかどうか迷った理由は、「東京の未来」→「コロナによる変革予測」→「待ってましたの現状批判」という(私にとっては)食傷気味なトーク内容が想像されたこと。私は前職がジャーナリストで、今もそれっぽい仕事であるわけなのだが、昔から「現状批判」が好きではない。正確に言うと、「批判」だけするのが好きではない。批判はもちろん重要だが、それは「提案」を伴って初めて意味を持つものだと思う。「コロナで社会が変わる」ことは確かだと思うが、この手のトークは往々にして、自己都合で現状批判を展開し自分の論を有利にしようと誘導している感じがしてしまうのだ。見ていると、「本当に?」「根拠は?」と突っ込みたくなってしまう。

 迷った末に見ようと思ったのは、タイトルが単に「東京の未来を考える」ではなく、「東京のワクワクする未来を考える」であったこと。もう1つは、個人的にファンであるライゾマティクス・齋藤精一代表がパネラー2人のうちの1人だったことだ。本来、900円を払って見るものなのに、そんな逡巡をしていて申し訳ございません。

ライゾマティクス・齋藤精一代表


 主催者の「シティラボ東京」は、持続可能な都市・社会づくりを行うための「Open Innovation Platform」。東京建物が後押ししている。ウェブサイトを見ると、「多様な主体の協働を通じた都市課題解決のプラットフォームとして、新たな知見やコミュニティの提供とプロジェクト創出の支援を行います」との説明だ。

 今回のトークイベントは、シティラボ東京が9月から来年2月にかけて全9回開催する予定の「東京のワクワクする未来を考える」の初回。NY在住の建築家・重松健氏とライゾマティクス・齋藤精一氏の各プレゼンの後、討論という形で進められた。

今こそ「チャンス!」

 見た結果。「見てよかった!」

 失礼ながらナビゲーターである重松健氏のことを私は知らなかったのだが、なかなかのナイスガイ。EXILEにいそう。

 おっと、そこではない。重松氏の提案はとにかくスケールが大きい。首都高速を別用途に活用するとか、都内の川を水運やクルーズ船以外でも使えるようにするとか、1960年代の建築家の都市提案を聞いているよう。

 そして、ライゾマティクス・齋藤氏の提案は、最初から最後まで本にできそうな具体性と分かりやすさ。2018年に新宿御苑で行った『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩(よあるき)』の舞台裏などを例に引きながら、東京の可能性について語った。

「未来よりも現実的な条件ばかりが重視されている」という齋藤氏の問題意識の説明。分かりやすい…。こういうサラッとしたプレゼンがさすがだ

 全体を通して印象的だったのは、2人の口から何度も「チャンス」「今こそ」という言葉が出たこと。

 「様々なものが領域を越えてつながり始めた。今がチャンス」(齋藤氏)
 「今は行政も提案を待っている」(齋藤氏)
 「世界が同時に『今こそ変わらなきゃ』と考えている」(重松氏)
 「ワクワクする場所をつくるなら今」(齋藤氏)

 コロナ禍の現状を「社会システムの限界」と「批判」するか、「新たなシステム構築」の「チャンス」と捉えるか。その違いにより、聞き手の耳に届く言葉はまるで違うんだなあ…。仕事後の時間帯ということもあってかなり疲れていたが、元気が出た。考えてみると、NYと東京でこんなに手軽に対談を行い有料配信できるようになったのも、コロナの恩恵だ。
 
 このトーンで、第2回以降も元気が出るトークを続けてほしい。そしてぜひ、この中から具体的な何かを生み出してほしい。

 次回は饗庭伸氏×藤村龍至氏で、10月12日(月)20時開催。詳細はシティラボ東京の公式サイトで確認を。(宮沢洋)

杉前堂01:こだわり金物でおなじみ「堀商店」が移転、新橋のレトロビルはどうなる?

日々新しくつくられる建築もあれば、消えてゆく建築もある。このコラムでは、文筆家の杉前政樹氏が、惜しまれつつも役割を終えて解体されたり、姿を変えたりしてしまう建築を取りあげていきます。第1回は東京・新橋の「堀商店」ビル。現在のショールームは9月25日(金)までです。

(写真:杉前政樹、以下同じ)
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片山東熊×伊東豊雄!「表慶館」で久しぶりの特別展「工藝2020」が9月21日開幕

 伊東豊雄建築設計事務所が会場構成を手掛けた「工藝2020-自然と美のかたち-」が9月21日(月、祝日)から東京国立博物館の表慶館で始まる。前日の午前中に報道内覧会が行われた。

表慶館の玄関ホール(写真:宮沢洋、以下も)

 会場リポートの前に、「表慶館」について書きたい。古今の名建築が並ぶ東京国立博物館にあっても、ここは滅多に中が見られない貴重な建築だ。特別展やイベント開催時のみにしかその扉は開かれず、調べた限りではここ2年ほど使われていない。

 設計者は片山東熊。明治33年(1900年)、皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して計画され、明治42年(1909年)に開館した。日本で初めての本格的な美術館とされる。国指定重要文化財。文化遺産オンラインではこう紹介している。「石及びレンガ造、二階建で、ネオ・バロックの様式をもつ。円形と長方形を組合わせた平面の構成や大小ドームの取扱いなど巧みにまとめている。中央ホールのモザイクタイルを張った床は見応えがある」

 そして、ここで久しぶりに開催される特別展が「工藝2020-自然と美のかたち-」。自然と工芸の関係性をテーマに掲げ、染色・陶磁・漆工など日本の伝統工芸に携わる82名の作家の作品を一堂に会した展覧会だ。

 展示室に入ると、ひと目見て「伊東さん!」と分かる展示台のデザイン。

 足元が床から連続する曲面になっている。展示台自体が弓形の平面なので、つくるのはかなり大変そうだが、そんな裏方の苦労は微塵も感じさせずに展示物をすっきり見せる。やり過ぎずに、爪跡は残す。さすがだ。

 伊東事務所から届いた案内のメールにはこうある。

 私達は、展示室の床を抽象化された大地(自然)と設定し、そこから湧き上がるエネルギーを展示台の造形に表しました。

 なるほど、大地から湧き上がるエネルギーなのか。

日本の伝統は「床に置く」

 会場で運よく、内覧に訪れた伊東氏に挨拶することができた。

 長話はできなかったので、図録にある伊東氏の言葉を引用する。

 展示会場の東京国立博物館表慶館は明治42(1909)年にオープンした建築です。西欧から輸入されたネオバロック様式に基づいて作られた建築の内部で、日本の自然観を象徴する展示が行われる時、会場構成をどのような空間として表現するかは難しい課題でした。

 何故なら日本の木造建築では、工芸品は通常、床の間(とこのま)、即ち、床の上に置かれていました。それに対し西欧の建築では床から切り離され自立した台の上や家具の中に置かれてきたからです。

 私たちは今回、床と展示台は連続したものと考え、床と垂直面は曲線によって連続させて展示台を盛り上がった床と規定しました。言い換えれば大地に渦巻いている自然のエネルギーが上昇して、作家の手を介して作品となり、展示台の上に並べられていることを象徴的に表現しようとしたと言えます。(ここまで図録から引用)

 なんて分かりやすい説明。伊東事務所がコンペに強い理由が分かる気がする。

 天板はアクリル板で、裏面に濃紺の特殊印刷を施している。床からつながる白い素材は、長尺塩ビシート。特殊な素材に見えたがそんな当たり前のものなのか…。展示台の製作は、伊東事務所とのプロジェクトも多いイノウエインダストリィズ。建物が文化財なので、天井や壁に展示照明を設置することができない。床を上げて展示台に配線し、それを隠す意味もある。やるなあ。

 展示されている工芸作品もいちいちすごいのだが、書き出すときりがないので、ぜひ現地でご覧いただきたい。会期は11月15日(日)まで。えっ、2カ月ない! 今すぐスケジュール帳に書き込みを。

「工藝2020-自然と美のかたち-」
会期:2020年9月21日(月・祝)~11月15日(日)
会場:東京国立博物館 表慶館(上野公園)
開館時間:9:30~17:00(会期中の金曜・土曜は21:00まで開催)
休館日:月曜日(※ただし、9月21日(月・祝)は開館、9月23日(水)は休館)
日時指定券:一般1500円
混雑緩和のため、本展では事前予約制(日時指定券)を導入。オンラインでの日時指定券の予約が必要。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください。

通り道に芸大ミュージアムトイレも

 そして、東京国立博物館から上野駅に向かう途中、このトイレものぞいてみてほしい。

 9月7日、上野公園内にオープンした「上野トイレミュージアム」だ。「ミュージアム」という名だが実際に使えるトイレで、「ミュージアムのようなトイレ」という意味だ。近くにある東京芸術大学が東京都に提案したもので、設計・監理は大学院美術研究科建築専攻の中山英之研究室、作品制作は大学院美術研究科建築専攻、陶芸専攻、鋳金専攻、デザイン専攻、絵画専攻、大学院音楽研究科および音楽学部の学生有志によって行われた。

 個々のブースの中もすごいのだが、それは写真ではなく、自分で目で見て驚いてほしい。ちなみに、設計の中心になった建築家の中山英之准教授は、伊東事務所のOBだ。プロジェクトの詳細は芸大のサイトで。(宮沢洋)

タワー丸ごと免震化、ついに「建築物」となった名古屋テレビ塔が本日開業

 前回は名古屋・栄地区の「久屋大通公園」のリニューアルをリポートした(開業前から抜群の集客力、名古屋・栄の復権担う「久屋大通公園」はこんなに変わった)。今回は公園とともに、9月18日にリニューアルオープンする栄地区のシンボル「名古屋テレビ塔」をリポートする。

(写真:宮沢洋、以下も)
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開業前から抜群の集客力、名古屋・栄の復権担う「久屋大通公園」はこんなに変わった

 開業は9月18日(金)と聞いて、前々日に「事前見学」を申し込んだつもりだったのだが、行ってみたら園内は多くの市民でにぎわっていた。名古屋テレビ塔の南北に延びる「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリパーク)」の9月16日の様子である。グランドオープンは9月18日だが、今週に入ってから、各施設が徐々に“ならし営業”を始めているのだという。

テレビ塔の足元近くにある卓球スクール「T4 STUDIO」。屋外で卓球なんて!(写真:宮沢洋、以下も特記以外は同じ)
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ANDO史上最小でも圧巻の発信力、渋谷の公園トイレが「非・打ち放し」の理由が分かった!

話題の渋谷・ANDOトイレの利用開始から8日目の9月15日(火)14時、設計者の安藤忠雄氏が現地で報道陣に設計意図などを説明した。その情報を、9月7日の「速報」に青字で加筆した。黒字は、利用開始日の9月7日の記事。時系列が前後するがご容赦いただきたい。

9月15日の会見の様子。特記以外は9月7日撮影(写真:宮沢洋)

 「ここから日本の清潔さを世界に発信したい」。延べ面積54.47㎡の小さな公共トイレの前で、安藤忠雄氏は力強くそう語った。この日、「世界の安藤が渋谷に来る」と聞き、神宮通公園に集まった報道陣は100人ほど。

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建築の愛し方08:もうすぐ投稿3000件!実は未投稿が2000件以上!─うらくん(後編)

建築を楽しむ方法は無限にある。本シリーズ「建築の愛し方」では、「そんな方法があったのか!」「まさかそこまで!」と私(宮沢)が強く惹かれた建築LOVERたちを取り上げていく。今回は、建築探訪サイト「うらくんのページ」の運営者、「うらくん」さんのインタビュー後編。多忙のなか、サイトを続ける想いを聞いた。

(以下も「うらくんのページ」からのキャプチャー)
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建築の愛し方07:日本一の建築探訪サイト「うらくんのページ」、運営者はこんな人だった!

建築を楽しむ方法は無限にある。本シリーズ「建築の愛し方」では、「そんな方法があったのか!」「まさかそこまで!」と私(宮沢)が強く惹かれた建築LOVERたちを取り上げていく。5人目は、建築好きならばひそかにお世話になっているであろう建築探訪サイト「うらくんのページ」の運営者、「うらくん」さんにオンラインで取材。メディア初登場!

最近の投稿例。富山市の「富山県美術館」(設計:内藤廣、2017年)。設計者別、エリア別で調べられるのが便利!(以下すべて、うらくんのページからのキャプチャー)
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速報!全長300mのレンガ商業「日比谷OKUROJI」、実は内部のRCアーチもすごい

 これまで気にも留めなかったものが、新たな意味を与えられることで、その輝きを急激に増すことがある。9月10日に開業する「日比谷OKUROJI」はそんなプロジェクトだ。JR有楽町駅~新橋駅間、帝国ホテル東側に延びる高架下、約300m。100年以上の歴史を刻むレンガアーチ高架橋「内山下町橋」(明治43年完成)を再生した。

「日比谷OKUROJI」の最も新橋寄りの店舗の外から、有楽町方向を見る(写真:宮沢洋)
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日曜コラム洋々亭15:黒部の吉田建築ワールドついに見た!これぞ「建築の愛し方」

 YKK APの「統合報告書2020」が手元に届いた。なぜ、そんな硬い経営報告書の話をこの息抜きコラムでするのかというと、そこに掲載されている吉田忠裕相談役のインタビュー記事を私(宮沢)とスタッフの長井美暁で担当したからだ。

前沢ガーデンハウス。設計:槇文彦、竣工:1982年(写真、宮沢洋、以下も特記以外は同じ)
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五十嵐太郎監修“装飾展”で髙島屋史料館TOKYOが再開、今こそ問う「形」の意味

 コロナ禍で休館していた「髙島屋史料館TOKYO」(東京・日本橋)が本日、9月2日から再開する。今日が初日となる企画展は、建築史家の五十嵐太郎・東北大学大学院教授が監修した「装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~」だ。会期は2021年2月21日までの約半年。

9月1日に開催された内覧会で説明する五十嵐太郎氏(写真:宮沢洋、以下も)
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建築の愛し方06:「ホルツ・バウ」のハイクオリティー漫画に業界騒然!─冨永祥子氏

日本建築学会賞作品賞の建築家にして、工学院大学建築学部教授。そのうえ、こんなハイクオリティーな漫画が描けるってどういうこと? ずるいっ! 今回は、福島加津也+冨永祥子建築設計事務所を共同主宰する冨永祥子さんに、話題の「Holz Bau(ホルツ・バウ)」の件で宮沢が緊急インタビュー!

(漫画・画像提供:冨永祥子、以下も)
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映画「妹島和世」でホンマタカシは何を伝えたかったのか?

 ドキュメンタリー映画「建築と時間と妹島和世」(10月3日公開)を試写会で見た。会社を辞めてから初めて見る試写で、とてもうれしい。映画の代金がそんなに惜しいわけではないが、まだ口コミが少ない状態でニュートラルに見られる試写というものは、公開映画とは異なる特別な場なのだ。(映画関連の方、こちらに試写の案内をお送りください!)

大阪芸術大学アートサイエンス学科棟。この写真はホンマタカシではなく、私の撮影です(写真:宮沢洋、以下同)
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日曜コラム洋々亭14:待望の「エコハウスのウソ2」発刊、大ヒットを後押ししたイラストラフを公開!

 編集に協力した書籍、「エコハウスのウソ2」(前真之著)が今週末から書店に並ぶ(発行日は8月31日)。アマゾンでは8月27日から販売が始まっており、ランキングを見ると「建築」部門で3位、「住宅建築・家づくり」など3分野で1位となっている。書籍の総合ランキングでも280位で、これは専門書としては相当にすごい(いずれも8月27日時点)。

「コハウスのウソ2」。価格 2,530円(税込)/ISBN 978-4-296-10691-2/発行日 2020年8月31日/著者 前 真之/発行元 日経BP/ページ数 368ページ/判型 A5

 「反響を呼んだ前作から5年、待望の第2弾。最新の環境データからエコハウス実践術まで、変わる常識と変わらない真実を解き明かす」(アマゾンより)

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建築の愛し方05:初開催!勝手に“ジャケ旅”コンクール─関口奈央子氏(後編)

建築を楽しむ方法は無限にある。本シリーズ「建築の愛し方」では、「そんな方法があったのか!」「まさかそこまで!」と私(宮沢)が強く惹かれた建築LOVERたちを取り上げていく。今回は「南洋堂書店」の店員、関口奈央子さんがインスタグラムに投稿している「建築書+旅」写真の後編。勝手に選ぶベスト6発表。たぶん世界初開催。

──これまで投稿したものの中で、「これは多くの人に見てもらいたい」と思うものを、私と関口さんでそれぞれ3つ挙げてみましょう。交互に1つずつ。まず、私からはこれです。

(写真:関口奈央子、以下も)
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日曜コラム洋々亭13:日本財団の「デザイン公共トイレ」全部見た!ここまでやるならこれもお願い!

 遅ればせながら、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトで完成した5つの公共トイレを見に行った。実はもっと早くリポートするつもりだったのだが、車で見に行こうとしたところ、我が家のポンコツカーが道の真ん中でエンストし、レッカー車で運ばれる事態に…(涙)。やむなく、熱中症リスクと闘いつつ、電車と徒歩で見て回った。

槇文彦氏が設計した恵比寿東公園トイレ(写真:宮沢洋、以下も)
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建築の愛し方04:書店発“ジャケ旅”という新しい建築トラベルの楽しみ方─関口奈央子氏

「建築の愛し方」の3人目は、東京・神保町の建築書店「南洋堂書店」の店員、関口奈央子さん。建築ツウの彼女がインスタグラムに投稿している“建築書+旅”シリーズについて話を聞いた。宮沢(私)とは10年来の友人で、私が日経アーキテクチュア編集長時代にはWEBで「目利きが薦める名著・近刊」という書評連載もお願いしていた。なので、気楽にインタビューをスタート!

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現場ルポ:新生「信濃美術館」は独自の高断熱サッシで善光寺を存分に見せる

 2017年に行われた公募型プロポーザルで、プランツアソシエイツ(宮崎浩代表)が設計者に選ばれた新生「信濃美術館(本館)」。2020年度竣工・21年度年開館を目指して工事が進む現場を、施工を担当する清水建設・新津組共同企業体の現場所長に案内してもらった。

(写真:特記以外は宮沢洋)

 施設の発注者は長野県。建設地は、長野駅から北に車で10分ほどの城山公園内(長野市箱清水)。善光寺の東側だ。建築好きには、「1990年に開館した東山魁夷館(設計:谷口吉生)の南隣」と言った方が分かりやすいかもしれない。

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建築名所百景04:大津・琵琶湖南側──もうすぐ見納めの菊竹・西武大津店からI.M.ペイのモダン桃源郷へ

 「次回は大津」と宣言してからだいぶ間が空いてしまった。大津を取り上げたかったのは、8月末で閉じてしまう建築があるからだ。菊竹清訓の設計で1976年に完成した「西武大津ショッピングセンター(現・西武大津店)」である。最寄駅は、大津駅ではなく、JR琵琶湖線・膳所駅もしくは京阪大津線・京阪膳所駅である。今回はまずここを見てほしいので、膳所(「ぜぜ」と読む)を出発点とする。

(イラスト:宮沢洋、以下も)
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世界のウィズ・コロナ@ブラジル04:“人間力”という世界一のインフラを持つ国ブラジル

ブラジルに移住して11年になる藤井勇人氏(隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長)に、同国のウィズ・コロナの実情を寄稿してもらった。全4回の最終回となる今回は、建築や都市の変化について、現地の建築実務者たちに話を聞いた。(ここまでBUNGA NET)

(写真:André Del Casalle)
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日曜コラム洋々亭12:スノーピーク白馬を見て思う、隈事務所の“建築愛”

 前職の「日経アーキテクチュア」時代に、「『月刊 隈研吾』をつくったらどうか」と飲みながらよく話していたのだが、昨今はそれが冗談ではないほどの隈建築ラッシュである。隈氏が建築デザインを監修した「角川武蔵野ミュージアム」が8月1日に一部、先行オープンしたことはすでに下記の記事で報じた。

速報!「重くて軽い」角川武蔵野ミュージアムは隈研吾氏の新境地、8月1日プレオープン

 そして今回は、その数日前に見に行った「Snow Peak LAND STATION HAKUBA(スノーピークランドステーション白馬)」を紹介したい。今年4月にオープン予定だったが、コロナ対策のため段階的に利用を開始し、7月23日にグランドオープンを迎えた。

(写真:宮沢洋、以下も)
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世界のウィズ・コロナ@ブラジル03:コロナ禍で加速するファヴェーラ・トランスフォーメーション

隈研吾建築都市設計事務所ブラジル担当室長の藤井勇人氏に、ブラジルのウィズ・コロナの実情を寄稿してもらった。当初3回の予定だったが、読者の関心がかなり高い(広く読まれる)ようなので、全4回とした。第3回は、ブラジルの都市を考えるうえで避けて通れない「ファヴェーラ」と呼ばれるスラムについて。藤井氏が市役所で研修をしたときの実感を交えてリポートする(ここまでBUNGA NET)

世界最大級のリオのファヴェーラ“ホシーニャ”。下に見える歩道橋のデザインはオスカー・ニーマイヤーであることはあまり知られていない。(写真:Leonardo Finotti)

 今日の日本以外のほとんどの国には、都市内の極貧層が居住する過密化した地区が存在する。スラムと呼ばれるそうしたエリアには、主に給排水設備のインフラが脆弱でその日暮らしを送る住民が多く、今回のコロナウイルスの格好の標的になっている。

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豪雨浸水から9カ月、「ホキ美術館」が機械室を地上に移し8月1日再開

 昨年10月の豪雨で浸水し、長期休館していた「ホキ美術館」(千葉市・土気)が8月1日に再オープンした。ホキ美術館は、日建設計の山梨知彦氏(現・同社常務執行役員、チーフデザインオフィサー)が設計の中心となって2010年に完成した。国内では珍しかった写実絵画専門の美術館で、今年11月で開館10周年となる。昨年10月25日、豪雨により地下2階の収蔵庫や電気室、ギャラリーが浸水。収蔵作品の約2割に当たる約100点が水にぬれ、電気設備も被害を受けた。

(写真:特記以外は宮沢洋)
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東京ステーションギャラリー「バウハウス」展で同校の基礎教育を追体験

 「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―」展が東京ステーションギャラリーで9月6日(日)まで開催中だ。

ヴァルター・グロピウスが設計したバウハウス・デッサウの校舎(写真:長井美暁、以下も)

 バウハウスは1919年、建築家のヴァルター・グロピウスがドイツのヴァイマールに設立した造形学校だ。本展は、開校100周年を迎えた昨年から今年にかけて日本各地を巡回したもので、この東京会場が締めくくりとなる。

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速報!「重くて軽い」角川武蔵野ミュージアムは隈研吾氏の新境地、8月1日プレオープン

 角川文化振興財団は、11月6日にグランドオープンを予定している「角川武蔵野ミュージアム」の一部であるグランドギャラリーを8月1日に先行オープンし、竣工記念展「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生─石と木の超建築」を開催する。

 7月30日17時45分から報道内覧会が開催された。なぜ、そんな遅い時間から内覧会なのか不思議だったのだが、館内をぐるっと見て外に出ると、こんな夜景を見ることができた。そういうことか…。

(写真:特記以外は宮沢洋)
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