永山祐子氏の「はなのハンモック」は“アップサイクルのリユース”、日比谷公園で5月12日まで

 いま、最も忙しい建築家の1人、永山祐子氏(それでも、いつ会っても元気!)。建築のプロジェクトだけでも忙しいはずなのに、インスタレーションにも取り組む。そして、いかにも建築家らしい問いを投げかける。だから、見に行かないわけにいかない。4月27日(土)から日比谷公園で始まる「Playground Becomes Dark Slowly」の作品の1つ、「はなのハンモック」だ。

(写真:特記以外は宮沢洋)

 「Playground Becomes Dark Slowly」は、「公園という都市の隙間の中で変化していく日の光を感じながら、自然への想像力を駆り立てること」をコンセプトに、アート体験を提供するイベント。キュレーターを山峰潤也氏が務め、大巻伸嗣氏、永山祐子氏、細井美裕氏ら3名のアーティストが出展する。東京都が主催し、エイベックス・クリエイター・エージェンシーが制作、運営、PR事務局を務める。4月26日にプレス内覧会が行われた。

はなのハンモックの上で説明する永山祐子氏(左)、右はキュレーターの山峰潤也氏
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「おにクル」いよいよ全館オープン、“脇役”を超えた藤森泰司氏や安東陽子氏とのスーパーコラボ

 昨年11月26日にオープンした「茨木市文化・子育て複合施設 おにクル」は、伊東豊雄氏によるボーダーレスな公共建築の集大成だ、というような記事をオープンしてすぐに熱く書いた。(こちらの記事→複合ぶりが圧巻、伊東豊雄氏の「おにクル」は令和のメディアテークである

藤森泰司氏のデザインによる4階の円形ソファ。右のソファの中にいる女の子たちが何をしているのかは記事の中盤で(写真:宮沢洋)
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「52間の縁側」三冠で注目度増す? “新風”「みんなの建築大賞」の独自性 

 本日(4月21日)の朝日新聞文化面をご覧いただいただろうか。筆者(宮沢)が事務局を務めた第1回「みんなの建築大賞」についてかなり大きな記事が掲載されている。全国紙に最新の建築ニュース(悪い話ではないもの)がこれほど大きく取り上げられるのは珍しい。見出しは「『みんなの建築大賞』吹くか新風」「誰でも『いいね』で投票、参考は本屋大賞」だ。

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すごいぞ前橋・馬場川通り、白井屋ホテル周辺が民間主体で水や緑の空間に一変

 前橋市のまちなかに藤本壮介氏設計の白井屋ホテルが2020年末に開業して以来、周辺にはカフェや飲食店、ギャラリーなどがオープンし、人の流れが戻ってきている。24年4月13日にまちびらきセレモニーが開かれたのは、同ホテルが面する馬場川(ばばっかわ)通りが生まれ変わったお披露目のためだ。「馬場川通りアーバンデザイン・プロジェクト」として3月末に竣工した。同じく3月には白井屋ホテルの隣に、SUPPOSE DESIGN OFFICEの設計で商食住の複合ビル「ばばっかわスクエア」も完成しており、にぎわいがさらに広がりそうだ。

 幅員約12mの馬場川通りは、長さ約200mにわたって歩道と車道の段差をなくし、ともにレンガ舗装で覆った。レンガは、かつて前橋の街並みに数多く用いられていた素材だ。これまで水の流れがあまり見えなかった馬場川は、暗きょのふたを外して木製デッキで歩道と一体化。周囲には、赤城山系の植物も植えられ水と緑の遊歩道公園に一変した。特筆すべきは、官民が連携して、これら公共空間を「民間」主体で整備していることだ。

白井屋ホテルの前の遊歩道公園を見る。馬場川通りの整備区間の随所に親水デッキが設けられた(写真:以下の特記以外は森清)
馬場川の親水デッキ。同川は利根川の用水路となっている
馬場川通りの東側から見る。車道と歩道は段差なくつながれ、レンガの舗装とされた。正面の建物が24年3月に竣工した「ばばっかわスクエア」
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「東京建築祭」のブログラム発表! 建築好きがグッと来た「これまでにないツアー」10選

 実行委員長の倉方俊輔さん(建築史家)に、「個々のプログラムを“これまでにない”ものにしましょう」と進言したのが4か月前。昨日公開されたサイトを開いてみると、本当にこれまでにないツアーの見出しがずらりと並んでいた。

 筆者(宮沢)が実行委員の1人を務める第1回「東京建築祭」のブログラムが4月11日に発表された。東京建築祭は5/25(土)と26(日)の2日間をメイン期間として、60以上のプログラムが一斉に行われる。公式サイトはこちらだ。

左は「東京建築祭」のロゴマーク、右は実行委員長の倉方俊輔さん
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築200年超の木造寺院を“見える内装”として抱え込む「東京建物三津寺ビルディング」(大阪/2023年)─TAISEI DESIGN【イノベーション編】

大組織に属する設計者たちがチームで実現した名建築にも、世の人々に知ってほしい物語がある。大成建設が設計を手掛けた名作・近作をリポートする本連載。第3回は、「イノベーション編」として、2023年11月に開業したばかりの「東京建物三津寺ビルディング」(大阪市)を訪ねた。(宮沢洋)

【協力:大成建設設計本部】

 ビジネスの世界でよく使われる「ウィンウィン(win-win)」という言葉。建築の世界であまり使われないのは、依頼主とつくり手の両者がハッピーなだけでは「いい建築」とは言えない、という考えが建築関係者の心にあるからではないか。その意味でいうと、このプロジェクトは「三方よし」「ウィンウィンウィン」であると将来いわれそうなプロジェクトだ。少なくとも、今の段階で筆者(宮沢)はそう感じた。

巨大なピロティに木造寺院がすっぽり!(特記以外の写真:宮沢洋)
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まさにジオ-グラフィック・デザイン! 開業間もない「箕面船場阪大前駅エントランス」を見た

 大阪府箕面市で2024年3月23日に開業を迎えた「北大阪急行線延伸」の新駅の1つ、「箕面船場阪大前駅」。駅の改札は地下3階にあるが、そこから地上2階レベルの歩行者デッキへと向かうダイナミックなエントランス空間が同時にオープンした。事業主は箕面市だ。

8枚の白い屋根は地下駅とは思えない華やかさ(写真:宮沢洋)
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