「ふくしま建築探訪」のイラスト約50件が画了、福島市「アオウゼ」ではパネル展開催

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 宮沢洋(筆者)のイラストルポ20件をパネル展示する「ふくしま建築探訪展~福島県内の注目すべき建物~」が6月3日(土)から福島市アクティブシニアセンター・アオウゼで始まった。これとほぼ同じタイミングで、宮沢が昨夏から描き続けていた福島県の建築サイト「ふくしま建築探訪」のイラスト約50件が描き終わった。

福島市アクティブシニアセンター・アオウゼ(福島市曾根田1-18 MAXふくしま4階)での展示風景。会期は6月3日(土)~6月30日(金)。入場無料(写真:宮沢洋)
A4サイズで描いた絵を拡大展示している
福島県の建築サイト「ふくしま建築探訪」で宮沢が担当した「ふくしまが誇る注目20選」のページ

 「ふくしま建築探訪」については、途中段階でも本サイトで紹介しているが、こちらの話から説明した方が分かりやすいので、こちらからいく。

 「ふくしま建築探訪」は福島県が福島県建築士事務所協会とともに作成したWEB サイト。県内の有名建築約200件の写真と概要データが整理され、グーグルマップにひもづけられている。

「ふくしま建築探訪」内の地図のページ。もとのページはこちら

 最初にリストを見せられたとき、7割くらい知らなかった。でも、実際に見てみると、どれも確かにいい。このリストは地元の建築関係者でないとつくれない。

 宮沢がこのサイトで何をしたかというと、大学や建築関係団体によって選定された以下の20件(ふくしまが誇る注目20選)を実際に訪れ、イラストルポを描いた。イラストはどの建築も、6コマで構成される。スマホでリズム良く読めるようなものを目指した。下記からそれぞれのイラストルポにリンクを張ったので、気になるものをクリックしてみてほしい。

会津若松市北会津支所のイラストの一部

01旧小塩邸 くるめがすりの家(1931(1994移築))設計者:遠藤新
02福島県教育会館(1956)設計者:ミド同人、大高正人
03三春町民体育館(1978)設計者:大高建築設計事務所
04三春町歴史民俗資料館・自由民権記念館(1982)設計者:大髙正人
05福島県立美術館(1984)設計者:大高建築設計事務所
06郡山市立美術館(1992)設計者:柳沢孝彦
07棚倉町文化センター(1995)設計者: 古市徹雄・都市建築研究所
08いわき市立草野心平記念文学館(1998)設計者:邑建築事務所 陽田秀夫
09ビッグパレットふくしま(1998)設計者: 北川原温建築都市研究所
10会津若松市北会津支所(1999)設計者:古市徹雄都市建築設計所
11ふくしま海洋科学館 アクアマリンふくしま(2000)設計者:日本設計
12福島県男女共生センター(2000)設計者:槇総合計画事務所
13福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(2001)設計者: 株式会社古市徹雄・都市建築研究所
14福島県立郡山支援学校(2002)設計者:渡部和生/惟建築計画
15三春交流館「まほら」(2003)設計者:大髙正人 大髙建築設計事務所
16絵本美術館「まどのそとのそのまたむこう」(2004)設計者:安藤忠雄
17猪苗代のギャラリー(2013)設計者:柴﨑恭秀
18はじまりの美術館(2014)設計者:竹原義二/有限会社無有建築工房
19喜多方市本庁舎(2015)設計者:ナスカ
20須賀川市民交流センター(2018)設計者:石本・畝森特定設計共同企業体

「どうしても描きたい!」(自腹執筆)はディープな建築好き向き

 当初のミッションは「注目20選」のイラストルポだけなのだが、200件の元リストの中に落とすのがしのびないものが多くて、「タダでいいから描かせて」と言ったら、その提案が通った。「どうしても描きたい!」というアイコンをつけて、1建築につき1コマだけイラストを描くことにした。1件のボリュームは少なくが、描いた件数は「どうしても描きたい!」の方が多い。

「どうしても描きたい!」で描いたものの1つ「相馬こどもみんなの家」(2015)設計者: 伊東豊雄、クライン ダイサム アーキテクツ

 「タダでも描きたい」くらいだから、ディープな建築好きには、たぶんこちらの方がグッと来るものが多いと思う。ぜひ下の方までスクロールして見てほしい。宮沢の特におすすめは下記だ。

・猪苗代第二発電所(1918)設計者:辰野葛西事務所
・旧大越娯楽場(1926)設計者:今 和次郎
・泉崎村資料館(1993)設計者:湯澤建築設計研究所
・HOTELLI aalto(2009)設計者:第一期:益子義弘+河合俊和+大竹慎太郎、第二期:益子アトリエ+大竹慎太郎
・南相馬市消防・防災センター(2015)設計者:永山建築設計事務所、小堀哲夫建築設計事務所

 描きたかったものはすべて描いて提出したのだが、施主の確認待ちで未掲載のものがいくつかある(最新の掲載状況はこちら)。未掲載のなかでも下記は特に素晴らしいので、しばらく時間をおいてサイトをのぞいてみてほしい。

・白河高原カントリークラブ クラブハウス(1963)設計者:レーモンド建築設計事務所

アオウゼのパネル展示は6月末まで

 そして、6月3日(土)から福島市アクティブシニアセンター・アオウゼで始まったパネル展示は、前述の「ふくしまが誇る注目20選」のイラストを拡大展示するもの。施設は福島県ではなく市の施設。運営する株式会社福島まちづくりセンターの方が県のサイトを面白がって、自主的に企画してくれた。

 イラストは1枚の紙に2カットずつ描いているので、20件×(6÷2)=60枚だ。これ、展示するの大変だったろうなあ。ありがとうございます!

 展示期間は6月30日(土)までで、会期中無休。入場無料。施設のある「MAXふくしま」は福島駅から徒歩5分ほど。福島に用のある方はのぞいてみてほしい。(宮沢洋)