サウナ好きも要チェック、隈研吾氏が新拠点とする北海道東川町の新作「キトウシの森きとろん」に行ってみた

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 隈研吾氏の設計監修で今年8月21日に北海道東川町にオープンした保養施設「キトウシの森きとろん」を見てきた。レストラン、ショップ、温浴施設から成る。大の風呂好きなので、風呂も堪能してきた。

(写真:宮沢洋)

 東川町にある標高457mのキトウシ山に立つ。「キトウシ山(岐登牛山)」の名前の由来は、アイヌ語で「Kito-us-nupuri」。ギョウジャニンニク(Kito)が群生している山(nupuri)という意味だという。へーっ。

 この場所で「キトウシ高原ホテル」として営業されていた施設を解体し、東川町が建設した。本体工事費約17億円。運営は町第三セクターの東川振興公社が担い、同社から業務委託を受けた登別温泉で宿泊施設を経営するトーホウリゾート(札幌)が食事の提供を行う。

外壁はカラマツをスライスしたルーバー。

 設計は、旭山動物園の設計などでも知られる旭川市アイエイ研究所。デザイン監修を隈研吾建築都市設計事務所が担当した。アイエイ研究所によって設計がある程度進行した段階で、隈事務所に声がかかったという。

 隈事務所のサイトではこう説明されている(太字部)。

北海道東川町の丘に立つ、町を一望する温浴施設。外壁は北海道産のカラマツで覆われ、室内の地元で間伐されたカバ材を多用し、東川の木工職人と共に家具もカバで作った。目の前の大雪山と響き合う鋭角的な屋根の上部は人々が自然と一体化するアンフィシアターデッキとなっている。

エントランス

 室内に入って左に振り返ると、「森の階段」と名付けられたこの階段。上昇感が見事。左手の高い段では座って休む人の姿も。

「森の階段」
「森の階段」を上ると、大浴場のある2階
「森の階段」から、さらに階段を上り屋上へ

 屋上の展望デッキでは、美しい田園風景を一望できる。晴れた夜には、遮るものが一切ない満点の星空を眺めることができるという。

屋上。絶景

写真は見せられないけれど、サウナがいい!

 大浴場はトロン風呂。なるほど、だから、「きとろん」なのか。

大浴場への入り口

 トロンというのは、厚労省が認める人工温泉のことだ。天然鉱石であるトロン原石と、数種類の鉱石を混ぜ合わせたトロン浴素を使用した温泉。トロン浴素の遠赤外線効果により、体の芯まで温まることができる。

 なんだ、天然温泉じゃないの? そう、それでも風呂好き、特にサウナーは来る価値がある。田園風景を見下ろすサウナ室もいいが、その後の水風呂が最高なのだ。ひと目見ただけで、水の透明度・純度がただ事ではないと分かる。公式サイトによると、「北海道の名水に選ばれた大雪山系の伏流水を汲み上げています」とのこと。そもそも東川町は大雪山連峰から流れ込む雪解け水が豊富なため、道内でも珍しく上下水道を布設していないのだという。

 筆者もサウナ後、水風呂に漬かった。細胞が雪解け水によってじわじわと浄化されていく感じがした。大浴場内は写真が撮れないので、公式サイトをご覧いただきたい。

入浴後のゴロゴロコーナー

 大浴場の利用料金は、大人(高校生以上)1000円、小人(小・中学生)500円、幼児(未就学児)無料だ。

水がおいしいと、すべてがおいしい

 ひと風呂浴びた後はレストランでランチ。

 「町の天然水で育ったお米や野菜を使用した身体に優しいメニューをご提供します」という説明どおり、水がおいしいとすべてがおいしい。筆者が食べた5品セット↓は1100円。東京だったら間違いなく1000円台後半の味と量。

5品のおかずが見えづらくてすみません。ごはんとみそ汁も、おいし過ぎ! でも、何よりの御馳走はこの景色。東川町は「写真の町」を宣言している。 雄大な自然や田園が広がる東川の美しい風景と写真を組み合わせた観光戦略だ

 日帰りでも大満足だが、東川の自然をさらに満喫したい人は、併設のケビンとキャンプ場で宿泊もできる。

 この施設のデザイン監修作業は、隈事務所が東川町に2022年4月に開設した「ヒガシカワサテライト」のメンバーが中心となって進めた。

 はるばるここまで来たので、もちろんヒガシカワサテライトにも行ってきた。そのリポートは後編(11月29日公開予定)に。(宮沢洋)

隈事務所ヒガシカワサテライトがある東川町サテライトオフィス「KAGUの家」