【速報】2冠制覇!「52間の縁側」がグッドデザイン賞大賞に続きJIA日本建築大賞も

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 本日1月30日午後に2023年度JIA日本建築大賞の最終審査が公開で行われ、「52間の縁側」(山﨑健太郎:山﨑健太郎デザインワークショップ))が大賞に選ばれた。「52間の縁側」は、建築では14年ぶりとなるグッドデザイン賞大賞(詳しくはこちら)に続いて、大きな賞の連続受賞となる。

事業者である有限会社オールフォアワンの石井英寿代表(左)と山崎氏。2022年12月撮影

 筆者(宮沢洋)も審査委員の1人として議論に参加した。審査委員は松岡拓公雄氏(委員長)、小泉雅生氏、原田真宏氏、宮沢洋の4人。大野博史氏は体調不良のため欠席した。

 次点となる優秀賞には「後藤邸」(後藤武、後藤千恵:株式会社後藤武建築設計事務所)、「春日台センターセンター」(金野千恵:t e c o)、「高槻城公園芸術文化劇場」(江副敏史、多喜茂、⾼畑貴良志、差尾孝裕:日建設計)の3件が選ばれた。いずれも、正式決定はもろもろの承認を経た後となるが、審査は公開で行われたのでひとまず報じておく。

「みんなの建築大賞」にもノミネート中

 このサイトをよくご覧の方はお気づきかと思うが、大賞の「52間の縁側」と優秀賞の1つ、「後藤邸」は、「みんなの建築大賞」(現在、投票期間中)のノミネート作「この建築がすごいベスト10」にも選ばれている。

 「52間の縁側」に関しては筆者が「みんなの建築大賞」の方でも3選に挙げており、このときに書いた推薦コメントと同じようなことを今日述べたので、参考までにコピペしておく。

 「細長いプランは形の遊びではない。それは介護業界のイノベーターである石井英寿氏の介護哲学の表れであり、計画実現の旗印だった。安全性や耐久性を言い訳にする現代建築の根底を問う建築。」(宮沢洋)

この写真を見て、誰も介護施設だと思わないのでは…

 写真だけ見ると「建築家がやりたかっただけでしょ」と思ってしまいそうだが、そういうことではないプロセスから生まれた建築だ。オープン間もない頃(2022年12月)の記事を参考まで。

 そして今回、JIAの現地審査で1年ぶりに現地を訪れ、粗削りなこの建築が使いこなされているのを見て、自信を持って推した。実物を見ないとなかなか分からない建築ではあるが、こういう方向性もあると多くの人に知ってほしい建築だ。(宮沢洋)