池袋建築巡礼12:【速報】「池袋マルイ」跡地には地上28階建ての店舗(低層部)+事務所が2025年末竣工、設計・施工は清水建設

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 私の「白メシ建築」(毎日見ても飽きない建築)であった池袋マルイ(池袋西口共同ビル)がほぼ姿を消した7月末、Office Bungaの郵便受けに「(仮称)池袋西口プロジェクト説明会について(ご案内)」というタイトルの紙が入っていた。おっ、これは池袋マルイ跡地に建つビル! なかなか新ビルの完成予想図が仮囲いに掲示されないなと思っていたのだが、そうか、うちの事務所は新ビルの影響を受けるご近所エリアだったか。当事者感があってうれしい。でも、説明会って何だか怖そう。そんな相反する気持ちを抱えつつ、8月5日(金)夜に行われた説明会(会場は東口のTKP池袋カンファレンスセンター)に参加してきた。

 マルイ跡地には、こんなビルが建つ。左は建て替え前。右は説明会で投影された完成予想図。私がざっくり大きさを合わせて並べたので、高さの比較は正確ではない。 

左は宮沢撮影したかつての池袋マルイ、右は説明会当日の映像を宮沢が撮影
現状。2022年8月5日午前撮影

 事業主はウエストゲート株式会社(この会社については調べてもよく分からず)。当日、配られた資料は下記の7点で、その中になぜか上のパースはなかった。なので、肝心のイメージ図がぼやっとした画像でご容赦を。

当日の配布資料(以下の6点も同じ)


 
 解体工事が清水建設なので、同社の設計・施工だろうと思っていたらやはりそうだった。地下4階・地上28階建て、高さ140.12mと、3倍くらいの高さになる。まあ、そうだろう。

 用途については、地下2階以下が駐車場、地下1階から地上4階が物販、地上5階が飲食、6階以上が事務所を想定しているという。

説明会当日の映像を宮沢が撮影

 デザイン的には驚くようなすごいデザインでもないが、目をつぶりたくなるようなデザインでもない。ディテールがしっかりしていれば、シャープな印象になりそうだ。ただ、私が強く願っていた旧池袋マルイの面影を受けつぐ“連続アーチ”は、パースや立面図を見る限り見当たらない。

 低層部の外装パネルくらいなら、今からでも十分つくり込めるはずなので、設計の方にはぜひお願いしたい。きっとそれだけで、多くの池袋民を味方につけることができる。

 “連続アーチ”って何のこと?という方は下記の記事をご覧いただきたい。

池袋建築巡礼08:今夏で閉館の「池袋マルイ」、毎日見ても飽きない「白メシ建築」の謎を追う

説明会の開始直前の様子。会場には100人くらいが訪れて、ほぼ満席になった

 ところで私は近隣説明会(正式名は「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づく説明会)というものに初めて参加したのだが、意外に穏やかに終わることにちょっと驚いた。予定時間は1時間だったが、TVドラマで目にするようなギスギスする場面は全くなく、45分で終わった。やっぱり、みんなあそこには活気のあるものができて欲しいんだな。それは私もそうだ。事業主のウエストゲートや清水建設の皆さん、期待してますよ! (宮沢洋)