【取材協力:スペイン大使館経済商務部】
インターネット上でスペインの最新のインテリア製品を見られる「バーチャル展示会」が開催されている。ICEXスペイン貿易投資庁と駐日スペイン大使館経済商務部が主催するもので、8社が参加。ブラウザベースで、VRゴーグルなどは不要。いつでもどこでも展示会を訪れることができる。梓設計がコンセプト立案から展示デザイン、バーチャル空間の設計までのすべてを手掛けた。
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スペインらしさとバーチャル空間らしさを併せ持つ展示会場
早速、展示会場を訪れてみよう。視聴環境はパソコン、ウェブブラウザはGoogle Chromeを推奨とのこと。アドレスはこちらだ。
会場は「Exhibition(エキシビション)」と「Brand’s Booth(ブランドブース)」に分かれる。
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まずは「エキシビション」から。三角矢印をクリックすると、梓設計が「メビウスの輪」をコンセプトに設計したバーチャル空間の鳥瞰図が表れ、1番から6番までのどれかを押すように促される。
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ネタバレになるかもしれないが、1番はテラス、2番はガーデン、3番はホール、4番はダイニング、5番はリビング、6番はベッドルームとなっている。試しに1番を選ぶと、下の画面が表れる。
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リゾートのような屋外空間だ。右下の「i」のインフォメーションボタンを押すと、この空間に使われている製品のメーカー名と製品名が表示される。
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「これ、いいな」と思ったものがあれば、メーカー名と製品名をメモしておこう。「ブランドブース」で製品の詳細を見られるからだ。
マウスでカーソルを左右に動かすと、自分のいる場所を起点にぐるりと360度、全景を見ることができる。この展示会場は地中海に「メビウスの輪」が浮いているようなイメージで設計されている。テラスからは水平線を望めて開放感も抜群!
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上のキャプチャでは製品情報が表示されているが、インフォメーションボタンを押して情報が表示されないようにすれば、この地中海リゾートの雰囲気にもっとどっぷり浸ることができる。
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展示会場は「メビウスの輪」のコンセプト通り、細長い帯をねじって両端をつなぎとめた形状で、屋外と屋内が緩やかにつながっている。出展製品には屋外用のものも多く、屋内用と合わせて、それぞれの特性や魅力が伝わるように各スペースに配置されている。各スペースは少しずつ高さが違い、海の見え方も変わる。例えはリビングでは輪の中の海を見下ろす感じだ。
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カーソルを上下に動かすと、見上げたり見下ろしたりできる。床に敷いてあるラグを見たいときなどは、このように視線を下向きにするといい。
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6つのシーンを順に訪れていくうちに、バーチャルということを忘れ、自分が本当にその場にいるように思えてくる。
スペインのインテリア製品には、親しみやすさがある
今回のバーチャル展示会には8社が参加している。家具はDvelas(デュヴェラス)、Ezpeleta(エスペレタ)、Mobliberica(モブリベリカ)、Gandía Blasco(ガンディアブラスコ)の4社、照明はFaro Barcelona(ファロ・バルセロナ)とLZF Lamps(ルシファー・ランプ)の2社、そしてテキスタイルのNaturtex(ナトゥルテックス)、アートワークを扱うNovocuadro(ノヴォクアドロ)だ。
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スペインには家具をはじめとするインテリア製品のメーカーが多く、輸出産業として国の重要な戦力になっている。スペイン大使館でも、自国のインテリア製品を日本に紹介するイベントを15年ほど前から開催してきた。
日本では北海道の旭川や岐阜県の飛騨高山、広島県の府中、福岡県の大川などが家具の産地として知られるように、スペインにもいくつかの家具産地がある。最も有名なのがバレンシアで、国内最大の家具見本市もバレンシアで開催される。筆者は以前に数回、この見本市を取材した。主にコンテンポラリーデザインの製品を見て回って感じたのは、「親しみやすさがある」こと。空間に採り入れやすいデザインとも言える。それは、このバーチャル展示会でもおわかりいただけると思う。
バーチャル展示会の「ブランドブース」の詳細と、梓設計が依頼を受けた経緯などは後編で。なお、この展示会は2021年9月30日まで開催している。(長井美暁)
◆展示会についての問い合わせ:スペイン大使館 経済商務部 tokio●comercio.mineco.es(●を半角の@に変えてください)