伊東、隈、佐藤可士和氏らの公衆トイレが夏までに完成、槇氏らの完成済み7件を一気見!

Pocket

 日本財団(笹川陽平会長)は5月19日、「THE TOKYO TOILET」の新作トイレ6件が夏までに完成すると発表した。伊東豊雄、隈研吾、佐藤可士和 、NIGO®、小林純子、佐藤カズーの各氏がデザインを担当したものだ。既に完成している7件と合わせると、夏までに13件となる。

既に完成している「THE TOKYO TOILET」のトイレたち(写真:宮沢洋)

 「THE TOKYO TOILET」プロジェクトとは何か。以下、プロジェクトを進める日本財団のウェブサイトから引用する。
 
 本プロジェクトでは、(日本財団が)渋谷区の協力を得て、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置します。世界で活躍する16人のクリエイターに参画いただき、優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信することを目的としています。

 夏までに完成する6件は下記(供用開始日順)。完成予想図は事前に公開しない方針とのこと。

■神宮前公衆トイレ(NIGO®、渋谷区神宮前1-3-14、2021年5月31日供用開始)
■鍋島松濤公園トイレ(隈研吾、渋谷区松濤2-10-7、2021年6月24日供用開始)
■恵比寿駅西口公衆トイレ(佐藤可士和、恵比寿南1-5-8、2021年7月15日供用開始)
■代々木八幡公衆トイレ(伊東豊雄、渋谷区代々木5-1-2、2021年7月16日供用開始)
■七号通り公園トイレ(佐藤カズー、渋谷区幡ヶ谷2-53-5、2021年7月21日供用開始)
■笹塚緑道公衆トイレ(小林純子、渋谷区笹塚一丁目地内、2021年8月供用開始見込み)

 本サイトでは既に下記の記事を掲載しており、完成済みの7件のうち、坂倉竹之助氏による「西原一丁目公園トイレ」以外はリポートしている。

日曜コラム洋々亭13:日本財団の「デザイン公共トイレ」全部見た!ここまでやるならこれもお願い!(2020年8月23日公開)
ANDO史上最小でも圧巻の発信力、渋谷の公園トイレが「非・打ち放し」の理由が分かった!(2020年9月15日公開)

 おさらいの意味で、未掲載の「西原一丁目公園トイレ」も含めて、一気に見てみよう(供用開始月順)。

■恵比寿公園トイレ(片山正通、渋谷区恵比寿西1-19-1、2020年7月完成)

■はるのおがわコミュニティパークトイレ ■代々木深町小公園トイレ(いずれも坂茂、前者は同代々木5-68-1、後者は渋谷区富ヶ谷1-54-1、2020年7月完成)

■恵比寿東公園トイレ(槇文彦、渋谷区恵比寿1-2-16、2020年8月完成)

■東三丁目公衆トイレ(田村奈穂、渋谷区東3-27-1、2020年8月完成)

■西原一丁目公園トイレ(坂倉竹之助、渋谷区西原1-29-1、2020年8月完成)

■神宮通公園トイレ(安藤忠雄、渋谷区神宮前6-22-8、2020年9月完成)

 夏までに冒頭の6件が完成すると、残るは4件。後智仁、マーク・ニューソン、藤本壮介、マイルス・ペニントンだ。日本財団によると2022年3月までにすべてが完成するという。

 筆者の個人的趣味で言うと、これまでの7件の中では槇文彦氏の“イカトイレ”が一番いい(どういいのかはこちらの記事を)。巨匠槇氏を誰が超えるのか、注目したい。

清掃はなんと1日3回!

 5月19日午前11時から行われたオンライン会見では、完成済み7件の清掃体制や使用状況なども報告された。清掃は日本財団と渋谷区、一般財団法人渋谷区観光協会の三者で協定を結んで行っている。詳細な清掃の仕様を定め、通常は1日1回のところ、1日3回実施している。

 筆者は比較的最近、「西原一丁目公園トイレ」(坂倉竹之助)に行ったが、昨日完成したかのようにピカピカで驚いた。

 それでも、「神宮通公園トイレ」(安藤忠雄)については、過去に何度か落書きが確認されたという(消去済み)。また、一時期、装置の不具合により不透明なままだった坂茂氏の“スケスケトイレ”は、現在は使用時以外は透けた状態になっているとのこと。この夏は、熱中症に注意しつつ、「トイレ巡りの1日」もありそうだ。(宮沢洋)

プロジェクトの公式サイトhttps://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/thetokyotoilet