3月2日、記念すべきインスタグラム(miyazawa_bunga)初投稿はこのイラストだった。
インスタ上では「Tower01」という淡白なタイトルしか付けていない。見れば分かると思うが、東京都庁舎である。第一庁舎の双頭部分に、としまえんの「フライングパイレーツ」をぶら下げてみた。「説明が全くなくても世界の人がクスッと笑えるイラストを!」という高邁な理想で英語タイトルにしたのだが、日本語でもっとキャッチーなコメントをつけた方がフォロワーは増えるのだろうか…。そこのところはまだインスタ独特の世界がよく分からないのだが、それでもフォロワーを徐々に増やしつつ、このほど30作品に至った。日曜の朝(午後?)に「建築・都市1コマ漫画シリーズ」5テーマ×6作品(計30作品)を、ゆるりとご覧いただきたい。
無粋だと言われそうだが、インスタ投稿時、書きたいのに我慢している「ひと言解説」を加えさせていただく。
テーマ1:Tower(タワー)
テーマ1「Tower」は、ほとんどブラジル旅行中(2月上~中旬)に描いた。PCは持っていかず、買ったばかりのiPad proの訓練のために始めた投稿だ。第1作は冒頭に出した「都庁+フライングパイレーツ」。このアイデアを思いついたとき、「このシリーズはすべて“タワー+遊園地”で行こう」と決めた。で、第2作がこれ。
東京スカイツリーの「展望デッキ」である。その上には「展望回廊」があって、ぐるっとチューブが回っている。そのチューブをぐねぐねと伸ばして、ウオータースライダーにしてみた。流れるプールで遊ぶ人たちをどこまでも細かく描けるのがデジタルならでは。
上海ワールドトレードセンターである。「栓抜き」に例えられるこのビルは、いろいろなネタが考えられるのだが、シンプルにメリーゴーランドにしてみた。
第1テーマ6作の中ではこれが一番気に入っている。世界一高いブルジュ・ハリファの段々部分に、観覧車をずらしながら付けてみた。観覧車を乗り継ぐと、上まで登れるというアイデア。まんざら夢物語ではないかも。
梅田スカイビル。これもいろいろネタが浮かんだのだが、もともとあるシースルーエレベーターや空中廊下を生かし、SASUKE的なアトラクションにした。
シンガポールの3棟連結超高層、マリーナベイサンズである。実際の屋上にはプールがあるが、どうせやるならこのくらいやっては、という図。アイデアは凡庸だが、積乱雲がいい感じに描けたので、気に入っている。
テーマ2:Traffic Light(信号機)
2番目のテーマは「信号機」にした。上の作品は、信号無視予防のドクロ信号。「建築」はこれまでもたくさん描いてきたので、幅を広げるために都市的なパーツを描いてみようと思ったのだが、正直、これは私の画力では絵にするのが難しかった。まだまだだな、とは思いつつも、せっかく描いたのでご覧いただきたい。お急ぎの方は飛ばして次のテーマへ。
京都限定、からくり信号機。赤信号中をゆったり過ごすために、からくり時計のような信号機にしたら、というアイデア。
三色部分が丸ではない信号機があっても、というアイデア。背景のジャングルはアンリ・ルソー風に描こうと思い、実際にルソーの絵から、スポイトで色を抽出して塗ってみた。
コロナで小学校の入学式が行われないかも、というラジオニュースを、桜の時期に聞いて描いたもの。桜には画力をごまかす強さがある。
これ、意味が分かっただろうか。青ガラスと赤ガラスの砂時計を、信号機の代りにしたら、というアイデア。大瀧詠一のレコードジャケット(永井博画)を思い浮かべながら描いてみた。「信号機」シリーズの中では、この絵が一番気に入っている。
空の信号機。これは都市じゃないじゃん、と言われるとその通りなのだが、1コマ漫画としては、まずまずのクオリティーでは?
なかなか難しい「信号機」というテーマではあったが、投稿するたびに“信号機マニア”の方から「いいね」をいただけたのは、ちょっとうれしかった(笑)。さて、ここまでで2テーマ、12作品。続きは下記へ。(宮沢洋)
日曜コラム洋々亭05:あり得ないと言いつつも「あったらいいな」と思う建築たち(作品13~24)