前の記事ではテーマ2までの12作品を紹介した。3つ目のテーマ「Escalator」に入る。テーマ2の「信号機」が自分には難し過ぎたと反省し、少し建築寄りに振った。
テーマ3:Escalator(エスカレーター)
誰もがどこかで目にしたことがあるであろう「無限回廊」(ペンローズの階段)をエスカレーターにしてみた。描いてみて分かったのだが、この絵ははっきりとした階段の段差にだまされるのだ。だからスロープのようなエスカレーターにしてしまうと、右側の傾斜がだましにくい! でも、まあ、名画がモチーフなので、絵としてはいい(笑)。
コロナで結婚式も中止・延期になっているそうで、なんと言ったらよいか…。このレッドカーペット・エスカレーター、実際につくったら話題になるかも。ブライダル業界の方、どうぞこのアイデア使ってください!
行ったことはないが、インドに「階段井戸」というものがある。崇高さを感じさせるその幾何学的階段群をエスカレーターにしてみた。こういう幾何学的なものを遠近感をつけて描くのはかなり難しい。消したり描いたり、デジタルだからこそ描けた絵なのであるが、その苦労があまり感じられない…。
幾何学的な階段井戸に疲れ、ざっくりと描ける富士山をモチーフに。描くのが面倒くさい部分は雲でごまかせるという日本の伝統画法の素晴らしさ!
出雲大社にあったと伝わる巨大神殿にエスカレーターを付けてみた。ミステリアスな月夜の背景を描こうと思って画像を調べていたら、ゴッホの「星月夜」があまりにもぴったりだったので、そのまま拝借した。パクリではなく、オマージュです!
ペンギン舎用エスカレーター。描きながら、ちょっと笑ってしまった。ペンギンかわいい…。ミント風の涼し気な色彩も気に入っている。
テーマ4:Roof(屋根)
4つ目のテーマは、建築ど真ん中で「屋根」。まずは、福岡ドームの開閉屋根に落書きしてみた。開閉の動きを生かすには何の絵がいいかと考え、福岡ソフトバンクホークスの本拠地なので、鷹(タカ)に。
この頃、このサイトのスライダー(トップページ上のぐるぐる動く画像)のために、「アマビエ」(疫病よけの力を持つ妖怪)を描いていて、同じ福岡ドームの上にアマビエを描いてみた。1度できた絵の上にレイアーを重ねて、手抜きして描く、というのもデジタルならでは。
バックミンスター・フラーの「フラー・ドーム」で何か描こうと思い、いろいろ考えた末、一番絵になりそうだった鎌倉大仏に。話題づくりとしては、ありかも!
ひらめいたときにニヤッとした。シドニー・オペラハウス、フィーチャリング草間彌生。これも、実際にやってみたら、シドニー観光が一気に復活しそう。
昨日(6月6日)、日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」が開業した。虎ノ門ヒルズ自体は現在も開発中だが、その完成予想図にガラスの大屋根を架けてみた。アフターコロナの大規模開発というのは、屋外に価値を持たせた、こういう感じのものになっていくのでは…。という真面目な提案でもある。
国立代々木競技場の屋根を緑化してみた。第一体育館(上の大きい方)の屋根って「芝棟」に似てるなあ、という思いつきが出発点。芝棟とは、茅ぶき屋根の棟の上に土を載せ、その土が風雨に流されないように芝を植えて押さえる伝統的技法。春になると棟の上に花が咲く。そんなことがこの絵から分かるとは思えないが、この作品がこれまで最も多くの「いいね」を得た。さすが丹下健三。