11月の頭に、瀬戸内の大三島(おおみしま)→大島→今治→高松→豊島(てしま)→犬島を巡ってきた。大三島、大島、犬島の3島は、初めての来訪。いずれも建築好きの人にはいつか必ず行ってほしい魅力的な島だった。
旅日記を詳しく書いても「自慢か!」と言われそうなので、個別の建築についてはこれくらいにする。今回、書きたいのはこの冊子(↓)についてである。
「せとうち美術館ネットワーク2020」。これがすごい。
A5判、オールカラー100ページ。この冊子の存在に、旅の終盤の犬島で気づいた。犬島精錬所美術館のチケット売り場近くに置いてあった。無料でもらえる。表紙に「全79施設」と書いてあるように、瀬戸内海を中心とする9県の79美術館の見どころがコンパクトにまとめられている。こんな充実したガイドブックがタダなのか!
しかも、各施設の割引券付き(一部施設は対象外)。そしてさらに、建築好きにグッと来るのが、スタンプラリーの台紙が付いていること。ただ回るだけではなく、プレゼントがもらえるようだ。
どれどれ…。
★3県ラリー賞
応募条件:3県かつ5施設以上のスタンプ
プレゼント:1000円分の図書カードをプレゼント
★4県ラリー賞
応募条件:4県かつ10施設以上のスタンプ
プレゼント:2000円分の図書カードとお好きなオリジナルグッズ1個をプレゼント
★5県ラリー賞
応募条件:5県かつ15施設以上のスタンプ
プレゼント:3000円分の図書カードとお好きなオリジナルグッズ1個と事務局が選定したオリジナルグッズ1個をプレゼント
おお、抽選ではなく、漏れなくもらえるのか。あれ、待てよ…。愛媛県、香川県と来て、犬島は岡山県だから、もう3県回ってる。「3県ラリー賞」はもらえたじゃないか! 気づくのが遅かった!!
対象79施設やオリジナルグッズを知りたい方はこちらへ。
公式サイトを見てもらうと分かるが、このスタンプラリーを主宰しているのは、本四高速(本州四国連絡高速道路株式会社)だ。なるほど、瀬戸内の美術館をぐるぐる巡ってもらうことで、高速道路の利用を促すということか。
本四高速の担当者に聞いてみたところ、このスタンプラリーは2008年にスタートしたという。最初は6施設でスタートし、歴代担当者が徐々に増やして79施設になった。公的な補助金を使っているものではなく、本四高速の自主事業だ。土木分野の会社がこんなに建築愛を持って美術館をネットワーク化しているのが面白い。
素晴らしい取り組みだ。でも、説明のページを見ていてちょっと残念だったのは、スタンプラリーのスタンプが味気なくないですか?
これはイメージで、実際にはいろいろなスタンプがあるのかもしれない。でも、ここはやっぱり、建築のイラストスタンプを見本につけるべきでしょう。イケフェスの「セッケイ・ロード・スタンプラリー」も、スタンプが社長似顔絵だったから盛り上がった面が大きい(詳細はこちらの記事)。
スタンプラリーの原動力としてスタンプの絵柄は重要。本四高速さん、ぜひ建築イラスト描かせてください! (宮沢洋)