第1回AND賞、最優秀賞は被災地を巡回する空気膜構造のイベントホールに

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 2月27日、AND賞(アーキニアリング・デザイン・アワード)の表彰式と受賞記念講演会が開催され、最優秀賞と優秀賞を受賞した計4組に賞状と記念品が贈呈された。

表彰式にて。左から森瀬愛子、金箱温春、斎藤公男(実行委員長)、堀越英嗣(選考委員長)、新関謙⼀郎、山田憲明、三輪富成(運営委員長)の各氏(写真:磯達雄、以下も)

 AND賞は「発想から実現に至る技術的テーマ性のあるデザイン・プロセス」、「個性的作品性だけでない普遍的技術の創造」、「システム・素材・ディテール・工法などの新しい発想・工夫」を評価する新しい賞で、実行委員長をA-forum代表の斎藤公男氏、選考委員長を芝浦工業大学教授の堀越英嗣氏が務めた。

 第1回となる今回の受賞者は以下の通り。

最優秀賞:LUCERNE FESTIVAL ARK NOVA  東日本大震災の被災地を巡回する移動式仮設空気膜構造
応募代表者:森瀬愛子(元イソザキ・アオキアンドアソシエイツ/AAarchitects)
共同応募者:青木宏 堀正人 牧野令 吉田涼子 小俣裕亮(元イソザキ・アオキアンドアソシエイツ)、柳澤佳男 近藤秀邦 内田美保子 柏原幸次(TSP太陽)、川幡清秋 竹内大介(元TSP太陽)、喜多村淳 宮澤幸江 名波紳二 八藤丸恵 菊地淳⼀ 田原祐志(太陽工業)

優秀賞:スケールの異なる複層空間とハイブリッドな屋根構造  福井県年縞博物館
応募代表者:金箱温春(金箱構造設計事務所)
共同応募者:内藤廣(内藤廣建築設計事務所)

優秀賞:TBM PROJECT   – CLTを用いた折板構造V字梁 –
応募代表者:新関謙⼀郎(NIIZEKISTUDIO)
共同応募者:多田修二(多田修二構造設計事務所)

優秀賞:昭和電工(大分県立)武道スポーツセンターの屋根構造におけるトータルデザイン
応募代表者:山田憲明(山田憲明構造設計事務所)

堀越英嗣・選考委員長から記念品贈呈

 なお、最優秀賞を受賞した「LUCERNE FESTIVAL ARK NOVA」の設計統括を担当したのはイソザキ・アオキアンドアソシエイツの青木宏氏だったが、昨年の秋に亡くなられたとのこと。「最優秀賞を捧げることができた」とのコメントが、代わりに応募代表者となった森瀬氏からあった。

 第2回AND賞については、2021年9月初旬に募集要項発表、12月初旬に応募締切、2022年1月末に最終選考を行うというスケジュールが予定されている。

 第1回AND賞の選考評はA-forum のウェブサイトで公開されている(こちら)。また、表彰式と受賞記念講演会の模様は、こちらのYouTubeで見ることができる。最終審査まで残った12作品のリストはBUNGA NETの過去記事を参照。2月最終審査会の様子もこちらのYouTubeで公開されたので、映像アーカイブで視聴可能だ。(磯達雄)