週刊折り紙建築クイズ02:羽を広げた鳥にも見えるモダニズム最初期のこの建築は?

Pocket

ヒント:受刑者が施工に参加した鉄筋コンクリート造の建築です。

(制作・撮影:五十嵐暁浩、以下も)

答え
建物名称:旧小菅刑務所(東京拘置所)
所在地:東京都葛飾区
竣工年:1929年(昭和4年)
設計者:
蒲原重雄(司法省)
規模など:鉄筋コンクリート造、2階建て

(写真:磯達雄)

建築のポイント:設計者は司法省の建築家であった神原重雄です。経歴を調べると、この建築の設計がデビュー作であり遺作だそうです。また、当時はまだ鉄筋コンクリートの技術が完成していないのにもかかわらず、工事を素人同然の受刑者が行っていたというから驚きです。完成から100年を超えてその時代を感じられる建築だと思います。(※特別な公開日以外は敷地内に入れません)

制作のポイント:この建築は、直線が多いことに加え、鋭角的な造形が目を引きます。それを表現しようと試みました。また、正面の池には亀がいるとの話を聞いたので、池を表現しました。(五十嵐暁浩)

「週刊折り紙建築クイズ」では、国内の近現代建築の名作を竣工年順に紹介していきます。掲載は毎週水曜の予定。折り紙建築の制作、写真撮影、解説文のいずれも五十嵐暁浩さんです。お楽しみに!

五十嵐暁浩。1962年新潟県生まれ。一級建築士。木原隆明氏に師事し、折り紙建築の創作活動を行っている。著書に『3Dグリーティングカード (レディブティックシリーズno.4670)』(2018年、ブティック社)。五十嵐氏のインタビュー記事はこちら(イラスト:宮沢洋)

連載のまとめページはこちら↓。