「建築の誕生」を振り返ってみて このコラム「建築の誕生」は、「どうしたら建築が生み出せるか?」という答えが出せるはずもない大それた問いに対して、「とにかく回答への手がかりを探してみよう」という軽はずみなチャレンジで始ま […]
「建築の誕生」by山梨知彦
今や「環境」や「カーボンニュートラル」にその座を明け渡した感もあるが、少し前までは「アクティビティ」が建築デザインの最重要キーワードであった気がする。僕が所属する日建設計でも、2013年に「NAD(Nikken Act […]
今回は、建築の本質ともいえる「空間」について考えてみた。 いつも不思議に思うのは、「僕ら人類は三次元空間に居るにもかかわらず、空間を直接三次元で把握する術を持たない」という事実である。例えば、建築の設計に際して僕らは […]
何が建築を生み出すのか? 何が単なる「建物」と「建築」とを分けるのか? こうした途方もなく難しい問いに対しては、唯一の正しい答えという「ゴール」を探すことよりも、その問いについて考える「プロセス」自体が大切なのではな […]
建築と素材は、密接な関係にある。 ギザのピラミッドやアテネのパルテノン神殿は、石が主要な構造体と仕上げ材として使われており、その素材の特性が建築に影響を与えている。一方、古代ローマの建築は、一見石造に見えるが主要な構 […]
■「かたちから入る」 建築のデザインに関わる僕らにとって「かたち」は重要である。 ある大手デベロッパーのトップは「予算が潤沢にあるときは『かたち』で、そこそこあるなら『素材』で、そして足りないときには『色』で勝負だ! […]
前回は、建築デザインの世界ではあまり議論されてこなかった「化粧と装飾」に焦点を当て、その「化粧や装飾」こそが、実は新しい建築デザインを生み出す上で今後大きなテーマになるのではないか、との思いを書かせていただいた。そして […]
前回の「建築の誕生」では、「あらわし/化粧」のサブタイトルを掲げ、大型の建物を建築へと昇華させるヒントが「工事現場」にあり、そのヒントを建築化する具体的な方法の一つとして「あらわし」があるのではないか? との想いを述べ […]
嫌われる大型建物 建築や都市の大型化に対して、疑問符が投げかけられる時代になった。 高度経済成長期の日本では、重厚長大と大量生産が社会の正義であった。建築も都市も「その社会」の要請に応え、大型化した。「大きいことは良 […]
前回は「内/外」と題して、僕にとっての建築の原点は建築の内部と外部のつながりにあり、その内外のつながりの妙味の中に「建築の誕生」の手掛かりがあるとの想いを述べさせていただいた。 今回は「建築の誕生」へと近づくための「 […]