安藤忠雄イヤーのイタリア『ドムス』誌でコラボしている日本人クリエイターは誰?

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 安藤忠雄イヤーのイタリア『ドムス』誌でコラボしている日本人クリエイターは誰?…と、ものすごく大げさな見出しをつけてみたが、答えは私、宮沢である。大げさではあるがウソではない。100年近い歴史を持ち、世界で最も影響力のある建築専門誌の1つ、『domus(ドムス)』。その表紙まわりに参加しているのである。

(写真:安藤忠雄建築研究所)

 え、どこって? 「表紙」ではなく背表紙のここ!

 はじめから説明しよう。『ドムス』は1928年に創刊され、2028年に100周年を迎える伝統ある建築雑誌。創刊したのは建築家のジオ・ポンティ(1891-1979年、代表作に「ピレリ・ビル」など)だ。ひえーっ。

 同誌は100周年を祝う企画として「10x10x10」と題し、10人の建築家が1年に10号ずつ10年間、ゲスト編集長を務めることを決め、すでに2018年からこれをスタートしている。

 トップバッターとなる2018年はミケーレ・デ・ルッキ(イタリア)、2人目の2019年はヴィニー・マース(MVRDV、オランダ)、3人目の2020年はデビッド・チッパーフィールド(英国)だった。安藤氏は4人目で、アジアの建築家では初。

就任発表のライブ配信時の画面キャプチャー

 安藤氏の編集長就任発表は昨年12月3日18時(日本時間)にFacebookおよびInstagramでライブ配信され、このBUNGA NETでも速報した(「速報!安藤忠雄氏がイタリア『ドムス』誌2021年の編集長に、創刊100周年企画で」)。

 この記事の最後に「(宮沢が)この企画に少しだけ関わっている」と書いたのが、この背表紙のイラストだ。全10冊が並ぶと1枚の絵になる。実は私も実物をまだ見ていない。表紙まわりのイラストレーターに掲載誌をすぐに送らないなんて、さすが大らかなイタリア人気質。ここに掲載した写真は、安藤事務所からご厚意でお送りいただいたものだ。本当に載ってる!と感激し、許可を得て掲載させていただいた。

 それはいいから何の絵かって? 2冊じゃ分からん、と。大変申し訳ないが、それはネタバレなので、まだ教えられない。勘のいい人はすでにお分かりかと思うが…。夏ごろになったら何か分かると思うので、答えをお知らせしたい。

 ところで、私も実物を早く見たくて、ジュンク堂池袋本店に行ってみたのだが、domusは置いていなかった。「ないものはない」と思っていたジュンク堂本店に置いてないなんて…。どこで買えるのか安藤事務所に聞いてみると、「現在、国内の書店では販売しておらず、私どもが把握している限りでは、domusのサイトで、直接、ご購入いただくしか手がありません。紙の本と、デジタル版があり、1冊から購入可能(年間契約でディスカウント)のようです」とのこと。

 ぜひ下記からご注文いただきたい。

https://www.shoped.it/shop/en/negozio/

https://www.shoped.it/shop/en/product-category/subscriptions/domus-subscriptions/

 90年代には大きな書店にはdomusあったんだけどなあ。雑誌離れがこういうところでも進んでいることを知り、ちょっと切ない。大手書店の洋書売り場や建築書売り場の方、安藤イヤーの今年だけでもdomusを売り場に置きませんか。きっと売れますよ。(宮沢洋)

2021年1月号
2021年2月号