第4次「ガチャ」ブームに乗って「隈研吾シリーズ」登場、全4種を大人買いしてみた!

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 わけあって数日前から、自宅の6畳間に閉じこもっている。体は元気なのだが、取材に行くことができない。なので、部屋から一歩も出ずに書けるニュースをひとつ。1月下旬に発売になった「隈研吾 ARCHITECTURE MINIATURE COLLECTION」だ。

自宅の畳の上ですみません。でも、畳の目と比べると、大きさが分かりやすいのでは?(写真:宮沢洋)

 フィギュアメーカーのケンエレファント(石山健三代表、東京都千代田区)が開発・製造するもの。商品は全4種。「浅草文化観光センター」「角川武蔵野ミュージアム」「Sunny Hills」「高輪ゲートウェイ駅」だ。

 いわゆる「ガチャガチャ」(ガチャポンとも)で、ごろっと出てくるカプセル商品だ。1つ500円。自称「隈研吾ウオッチャー」の筆者としては、これは欲しい。しかし、このガチャはどこに置いてあるのか? 筆者はずるをして、発売前にAmazonで「全4種セット」を予約した。それが届いた。

 4つで2980円+配送料500円=合計3480円。実際のガチャなら7回回せるが、それでも4種が揃う保証はないので、まあ、仕方のない金額だろう。

「浅草文化観光センター」
隣接するビルで見えない裏側も
「角川武蔵野ミュージアム」
「Sunny Hills」
「高輪ゲートウェイ駅」

 ミニチュアの出来としては「浅草文化観光センター」が一番いい。期待していた「角川武蔵野ミュージアム」は、ちょっと大味でがっかりした。

 私の知人は、実際のガチャを東京駅近くで見かけて、「高輪ゲートウェイ駅」をゲットしたという。

「丸ビルとKITTEの間、地下スペースの特設会場で見つけました」とのこと(写真:森清)

コロナで「第4次ガチャブーム」って知ってました?

 知らなかったのだが、発売元のケンエレファントという会社は、さまざまなオリジナルミニチュアシリーズをつくっていて、建築好きがほしくなりそうなシリーズもある。例えば、下記。

カリモク60 MINIATURE FURNITURE
カリモクファニチャー オールドカリモクコレクション
関西電力送配電(株)公認 鉄塔ミニチュアコレクション

右側にある「カリモクコレクション」が気になる…(写真:森清)

 これも全く知らなかったのだが、今は「第4次ガチャブーム」らしい。確かに、主要駅にガチャコーナーが必ずある。

ちなみに、
・第1次ブーム:1965年に米国から機械を輸入して始まる(筆者の子どもの頃)
・第2次ブーム:キン肉マン消しゴムやスーパーカー消しゴムなどキャラクターや時代を反映させた商品が人気に
・第3次ブーム:「コップのフチ子」(2012年発売)が大ヒットしたキタンクラブなどによって、大人向けのオリジナル商品が脚光を浴びる
・第4次ブーム:ガチャ専門店が台頭

という流れらしい。

 報道によれば、ガチャ専門店が増えた背景には、新型コロナウイルスの影響を受け、ショッピングモールなどで空きテナントが増加したことや、わずかなスペースで展開できる手軽さがあると考えられるという。

 50年を超える歴史の中で、ついに「建築」に踏み出したガチャ。隈研吾シリーズは、第二弾へと続くのか。つくるなら、出世作の「M2」は外せないでしょう。王道の「馬頭広重美術館」もしかり。「浅草文化観光センター」の出来の良さを見ると、タワー系で「渋谷スクランブルスクエア」もいいかもしれない。外観がほとんどイメージできない「アオーレ長岡」は、逆の意味で見てみたい。

 隈シリーズも見たいけれど、他の建築家もつくってほしい。村野藤吾とか菊竹清訓とか……。建築系の展覧会では必ずつくることにしてほしいなあ。展覧会の企画者の方はケンエレファントのサイトを。(宮沢洋)