展望台とレストランに“津波避難”を編み込んだ「テラッセ オレンジ トイ」──みんなの建築大賞2025ベスト10から②

 「みんなの建築大賞」の「みんな」はどういう意味での「みんな」なのか? これは去年よく聞かれた質問だ。前回リポートした「2m26 Atelier」のように「みんなが見ることはできない」ものも10件の中には含まれる。その意味を明確に定義してしまうと広がりがなくなるので、それはしない。が、言い出しっぺの1人としては、「みんなに知ってほしい建築」を推薦委員会が10件選び、それを「みんなで推し合う」賞だと思っている。

伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ。海側から見た外観(写真:特記以外は宮沢洋)

 何の前振りかと言うと、こういう“新しい建築タイプ”があるということを皆さんに知ってほしいのである。伊豆市土肥の「伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ」だ。東京大学生産技術研究所今井研究室と日本工営都市空間が設計を担当し、昨夏オープンした。

公園側から見た外観.。海へのゲートを感じさせるデザイン(写真:磯達雄)

■伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ
所在地:静岡県伊豆市土肥2657-6 松原公園内/発注者:伊豆市/設計者:東京大学生産技術研究所今井研究室、日本工営都市空間/設計協力者:永田構造設計事務所(構造)、川村設備研究所(機械設備)、EOS plus(電気設備)、マルヤマデザイン(サイン)/施工者:土屋建設、青木興業/構造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造(基礎)、鉄筋コンクリート造(トイレ棟・階段棟)/階数:地上4階/延べ面積:1069.14 m2/施工期間:2022年10月~2024年6月/開館日:2024年7月12日/主な雑誌掲載:新建築2024年9月号、GA JAPAN190

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小さな写真でも伝わる衝撃、動物と古民家と「2m26 Atelier」──みんなの建築大賞2025ベスト10から①

 非・建築出身の筆者(宮沢)が「建築って面白い」と感じることの1つに、「感動が規模とは比例しない」ということがある。大きくて感動するものもあれば、小さくてもそれ以上に心を動かされることもある。その逆もある。

 その感動の“予感”が小さな写真からも読み取れる、という点も面白い。それが、どこの誰だか知らぬ人の設計だったとしても、その予感はビビビッと写真から伝わる。

左がアトリエ棟で、右が母屋。どちらも既存建物のリノベーション(写真:特記以外は宮沢洋)

■2m26 Atelier
所在地:京都府京都市/発注者・設計者・施工者:2m26(deuxmetresvingtsix/メラニー・へレスバック、セバスチャン・ルノー)/構造:木造/階数:地上2階(アトリエ)/施工期間:2021年5月~/主な雑誌掲載:新建築 住宅特集2024年10月号

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第2回「みんなの建築大賞」投票開始、ノミネート作『この建築がすごいベスト10』の詳細はここで!

今回は「X」に加え、「Instagram」「Googleフォーム」でも投票可能!

 前年の建築のベスト1を一般参加型で選ぶ「みんなの建築大賞」の投票が本日(1月27日)からスタートした。今回が第2回となる。編集者や建築史家など約30人の推薦委員会が選んだノミネート作「この建築がすごいベスト10」は以下の10件だ。

 この中から、2月5日(水)23:59までの投票期間(10日間)に、X」「Instagram」「Googleフォーム上の各記事で最も多い票(3メディアの合計)を獲得した建築が「大賞」に選ばれる。複数の建築への投票も可。ただし、同じ建築への投票は1メディアにつき1回のみ。ぜひ、投票をお願いしたい。

2025 この建築がすごいベスト10】(掲載は施設名の50音順、施設名の後は主たる設計者)

1)伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ/東京大学今井研究室、日本工営都市空間

■投票はこちら→XInstagramGoogleフォーム

■推薦コメント(代表2名)
「津波避難タワーに展望台や飲食・物販の店舗を組み合わせた新しいタイプの施設。松原の景観との調和を図り、既存の樹木を避けるような平面計画やディテールのデザインが採られている。」(磯達雄)

「この建物は日本初の津波避難複合施設。災害を避けられない日本で命を守る建物の役割は大きい。避難施設だが、かけがえのない存在として人々に愛されるためにもこの建築の美しさが必要だと思う。」(八久保誠子)

■概要データ
所在地:静岡県伊豆市土肥2657-6 松原公園内/発注者:伊豆市/設計者:東京大学生産技術研究所今井研究室、日本工営都市空間/設計協力者:永田構造設計事務所(構造)、川村設備研究所(機械設備)、EOS plus(電気設備)、マルヤマデザイン(サイン)/施工者:土屋建設、青木興業/構造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造(基礎)、鉄筋コンクリート造(トイレ棟・階段棟)/階数:地上4階/延べ面積:1069.14 m2/施工期間:2022年10月~2024年6月/開館日:2024年7月12日/主な雑誌掲載:新建築2024年9月号、GA JAPAN190

2)茨木市文化・子育て複合施設 おにクル/伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店JV

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■推薦コメント(代表2名)
「子どもの頃、こんな施設が欲しかった。7層を貫く吹き抜けの周囲にはいろいろな“居場所”があり、探検気分も味わえる。訪れた人が笑顔になる公共建築の好例。故・藤森泰司氏の家具も心地よい。」(坂本愛)

「7層を吹き抜けでつなぐ空間で、老若男女が寛ぐ「みんな」の建築。図書館、ホール、子育て支援など異種用途をシームレスにつなぎ、既存の計画学に風穴を開ける。什器までデザイン密度が高い。」(有岡三惠)

■概要データ
所在地:大阪府茨木市駅前3-9-45/発注者:茨木市/設計者:伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店共同企業体(建築)、竹中工務店・佐々木睦朗構造計画研究所・多田脩二構造設計事務所JV(構造)、竹中工務店・建築エネルギー研究所JV(設備)/設計協力者:アクアパルス建築設計事務所(建築)永田音響設計(音響計画)、藤森泰司アトリエ(家具デザイン)、廣村デザイン事務所(サイン計画)、安東陽子デザイン(テキスタイルデザイン)、LIGHTDESIGN(照明計画)、LUFTZUG(テクニカルアドバイザー)、秋月宏文(舞台機構設備)、あかり組(舞台照明設備)、studio-L(ワークショップ企画・運営)/施工者:竹中工務店ほか/構造:鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造、免震構造/階数:地上9階/延べ面積:1万9715.22m2/施工期間:2021年11月~2023年10月/開館日:2023年11月26日/主な雑誌掲載:新建築2024年7月号、GA JAPAN189、日経アーキテクチュア2024年7月11日号

3)エバーフィールド木材加工場/アトリエ・シムサ、kittan studio、3916、山田憲明

(写真:和田菜穂子)

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■推薦コメント(代表2名)
「地場産の木材を用い、「レシプロカル構造」という複雑な架構と大工の高度な技術によって、大屋根を乗せた美しい大空間が実現した。熊本地震の経験を経て、万が一に備えて災害時の避難所としての活用も考慮している。」(和田菜穂子)

「民間建設会社が公開コンペで「最もリスキー」な案を選び、実現した。木材がもたれ合うレシプロカル構造は、まるで巨大な生命体に包まれるよう。「くまもとアートポリス」の大きな成果でもある。」(宮沢洋)

■概要データ
所在地:熊本県上益城郡甲佐町府領892/発注者:エバーフィールド/設計者:アトリエ・シムサ、kittan studio、3916/設計協力者:山田憲明構造設計事務所(構造)、環境エンジニアリング(設備)、CHIPS(照明)/施工者:エバーフィールド/構造:木造/階数:地上1階/延べ面積:638.98m2/施工期間:2022年3月~2023年12月/主な雑誌掲載:新建築2024年10月号

4)小千谷市ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。/平田晃久建築設計事務所

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■推薦コメント(代表2名)
「山脈を内面化したような高低差のある天井と、レベルのことなる床面で多様な場所が作られ、図書館に必要なさまざまな心地よい場所が生まれている。商店街からつながったようなアプローチも良い。」(吉田和弘)

「図書館を主とした複合施設。アクティビティーごとに配されたアンカー空間が、河岸段丘のような低層建築を支持。ガラス開口から越後三山の風景を取り込むとともに、みんなの居場所を生み出す。」(森清)

■概要データ
所在地:新潟県小千谷市本町1-13-35/発注者:小千谷市/設計者:平田晃久建築設計事務所/設計協力者:京都大学平田晃久研究室(基本設計協力(Anchor))、アクアパルス建築設計事務所(実施設計協力)、ワシヅ設計(実施設計協力)、国際開発コンサルタンツ(情報環境)、おぢや複合施設プロジェクト共同企業体(情報環境)、アカデミック・リソース・ガイド(arg)(共創デザイン・管理運営計画)、アラップ(構造・設備・環境)、安東陽子デザイン(テキスタイル・フロートエリア天井材(和紙))、岡安泉照明設計事務所(照明)、GAヤマザキ(植栽)、櫻エンジニアリング(外構)、AFFORDANCE(サイン)、東和プロスぺリ(積算)、国際開発コンサルタンツ(ワークショップ協力)、小千谷リビングラボ「at!おぢや」(ワークショップ協力)/施工者:奥村・ヨシケン・中澤特定共同企業体ほか/構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造/階数:地下BH階・地上2階/延べ面積:4,628.37m2/施工期間:2022年11月~2024年9月/開館日:2024年9月28日/主な雑誌掲載:新建築2024年11月号、GA JAPAN191

5)グラングリーン大阪/日建設計、三菱地所設計、大林組、竹中工務店、SANAA、GGN

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■推薦コメント(代表2名)
「はしゃぐ子ども、いちゃつくカップル…思い思いにいられる空間が、大規模再開発だから創出できることを証明した。デザイン的には、何よりも梅田スカイビルを引き立たせているのも賢明だ。」(倉方俊輔)

「屋根架構が着地する足元まわりのベンチから、都市的な巨大イベントスペースへと、スケールが違和感なくつながっていく様は圧巻。」(前田智成)

■概要データ
所在地:大阪府大阪市北区大深町6-38/発注者:三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社/設計者:日建設計(全体統括、ランドスケープ/デザイナー、うめきた公園、公園施設全体/大屋根施設以外、北館)、三菱地所設計(全体統括、ランドスケープ/南館範囲デザイナー、うめきた公園/基本設計まで)、GGN(ランドスケープ/デザインリード)、妹島和世+西沢立衛/SANAA(公園施設:大屋根施設)、竹中工務店(北館)/設計協力者:アラップ(構造:大屋根施設)、森村設計(設備:大屋根施設)、内原智史デザイン事務所(照明:大屋根を除く公園施設全体)、surDL(JAM BASE・商業共用部環境デザイン・FFE:北館)ほか/施工者: 大林組・竹中工務店・竹中土木特定建設工事共同企業体、うめきた2期共同企業体(大林組・竹中工務店)/構造:鉄骨造(大屋根施設)、鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造(南・北公園共通)、鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造(北館)/階数:地上2階(大屋根施設)、地下1階・地上3階(南公園)、地下1階・地上2階(北公園)、地下3階・地上26階・塔屋1階(北館)/延べ面積:2777.74m2(大屋根施設)、2798.59m2(南公園)、5241.87m2(北公園)、6万4778.79 m2(北館)/施工期間:2021年2月~2024年7月/開業日:2024年9月6日(先行まちびらき)/主な雑誌掲載:新建築2024年11月号、GA JAPAN190(うめきた公園大屋根施設

6)ジブリパーク 魔女の谷/スタジオジブリ(デザイン監修)、日本設計

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■推薦コメント(代表2名)
「作中の建物を具現化した建築と、異なる作品の建物同士を繋ぐオリジナルの建築が共存し生み出したジブリの町。空想世界を現実化する構法・材料の選択に、ジブリの建築観が体現されている。」(ロンロ・ボナペティ)

「誰もが知るあの城をリアルに再現するという難題に挑んだ本気さにまず拍手。城だけでなく街並みの本気さ(例えばハーフティンバーの建物は本当に木造!)にさらに驚く。公園の活用法としても先進的。」(宮沢洋)

■概要データ
所在地:愛知県長久手市茨ケ廻間 乙1533-1愛・地球博記念公園内/発注者:愛知県/設計者:スタジオジブリ(デザイン監修)、日本設計/設計協力者:山田建築研究所(建築(木造))、安西デザインスタジオ(ランドスケープ)、プレック研究所(ランドスケープ)、乃村工藝社(演示工事)、東宝映像美術(演示工事)/施工者:鹿島建設/構造:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造(ハウルの城)/階数:地上2階(ハウルの城)/延べ面積:289.06m2(ハウルの城)/施工期間:2021年7月~2024年1月/開業日:2024年3月16日/主な雑誌掲載:新建築2024年6月号

7)2m26 Atelier/セバスチャン・ルノー、メラニー・へレスバック/2m26

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■推薦コメント(代表2名)
「改修民家と動物のための多彩な小屋はオール自主施工。茅葺き職人や地域住民に学んだ伝統的手法を咀嚼。丸太や茅など素材は主に地域で入手。伝統知に向き合った実践の究極形。それがフランス出身の夫妻によるという衝撃。」(平塚桂)

「環境共生&セルフビルドという言葉から想像するイメージをことごとく打ち砕かれる。現代的でカジュアルなデザインと、宮大工のような施工精度。そこでの生活は、決して教条的ではなく、とにかく楽しそう。」(宮沢洋)

■概要データ
所在地:京都府京都市/発注者・設計者・施工者:2m26(deuxmetresvingtsix/メラニー・へレスバック、セバスチャン・ルノー)/構造:木造/階数:地上2階(アトリエ)/施工期間:2021年5月~/主な雑誌掲載:新建築 住宅特集2024年10月号

8)豊田市博物館/坂茂建築設計

(写真:加藤純)

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■推薦コメント(代表2名)
「アプローチから伸びて全体にかかる大屋根、弧を描くスロープのある展示空間が明快&爽快。ランドスケープを含めて傑作・豊田市美術館との接続がスムーズに。「みんなで作る博物館活動」もイマドキ。」(加藤純)

「豊田市の市章をモチーフとした、ダイアゴナルな木梁が印象的。複雑な架構を構造的にも合理的に解き、軽やかな大屋根を実現している。」(前田智成)

■概要データ
所在地:愛知県豊田市小坂本町5-80/発注者:豊田市/設計者:坂茂建築設計/設計協力者:アラップ(構造、設備)、PWP Landscape Architecture(ランドスケープ)、鳳コンサルタント環境デザイン研究所(ランドスケープ)、京都芸術大学芸術学部環境デザイン学科教授・河合健(ランドスケープ)、Lumimedia lab(照明)、鳳コンサルタント(造成)、キジュウロウヤハギ(シンボルマーク、ロゴタイプ、サイン、会場グラフィック)、丹青社(展示、収蔵環境)、二葉積算(積算)/施工者:清水建設・トヨタT&S建設・三栄工業JV/構造:木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造/階数:地上4階/延べ面積:7890.60m2/施工期間:2021年12月~2024年3月/開館日:2024年4月26日/主な雑誌掲載:新建築2024年6月号、日経アーキテクチュア2024年11月14日号

9)ポーラ青山ビルディングおよび土浦亀城邸復原・移築/安田アトリエ、久米設計

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■推薦コメント(代表2名)
「日本の戦前モダニズム住宅の傑作が、新築の「ポーラ青山ビルディング」の足元に復原・移築された。元の部材を生かしつつ、竣工当時の姿を忠実に再現。内部も一般公開する。控えめに言って奇跡。」(飯田彩)

「高層ビルの公開空地に、解体寸前だったモダニズム住宅を移築するというウルトラC プロジェクト。動態保存が望ましいが叶わないのであればこういう解決策もありと思わせる完成度の高いプロジェクト。残ってよかった!」(白井良邦)

■概要データ
所在地:ポーラ青山ビルディング(以下ポーラ青山):東京都港区南青山2-5-17、土浦亀城邸:南青山2-5-13/発注者:ピーオーリアルエステート(ポーラ青山)、個人(土浦亀城邸)/設計者:安田アトリエ、久米設計(ポーラ青山)、安田アトリエ(土浦亀城邸/原設計:土浦亀城、土浦信子)/設計協力者:金箱構造設計事務所(ポーラ青山構造基本設計、土浦亀城邸構造)、ランドスケープ・プラス(ポーラ青山ランドスケープ、土浦亀城邸ランドスケープ)、キルトプランニングオフィス(ポーラ青山ロビー照明、アート)、ZO設計室(土浦亀城邸設備)ほか/施工者:鹿島建設/構造:鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造(ポーラ青山)、木造・一部鉄筋コンクリート造(土浦亀城邸)/階数:地下2階・地上16階・塔屋2階(ポーラ青山)、地下1階・地上2階(土浦亀城邸)/延べ面積:1万7104.44m2(ポーラ青山)、191.36m2(土浦亀城邸)/施工期間:2021年7月~2024年2月(ポーラ青山)、2021年5月~2024年5月(土浦亀城邸)/開業日:2024年3月1日(ポーラ青山)、2024年9月(土浦亀城邸)/主な雑誌掲載:新建築2024年9月号、、日経アーキテクチュア2024年10月24日号、GA JAPAN190

10)まちの保育園 南青山/ALTEMY

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■推薦コメント(代表2名)
「ポーラ青山ビルディングの3階。入り口すぐから床のうねりが始まり、園全体がいくつもの小さな丘でゾーニングされている。建築家は形状のユニークさと安全性の双方をにらみながら、床の傾斜、素材を絞り込んだ。」(介川亜紀)

「ビルのワンフロア。真っ白な隆起する地形(床)は自然の大地のようでもある。園児は「名もない隆起の場所」で、その建築との対話を通して身体を育てていく。完成後も「デジタル保育」を支援。」(津川学)

■概要データ
所在地:東京都港区南青山二丁目5-17 ポーラ青山ビル3階/発注者:ナチュラルスマイルジャパン/設計者:ALTEMY/設計協力者:Gn設備計画(機械設備)、EOSplus(電気設備)、Talking about Curtains(テキスタイル)、Donny Grafiks(サイン)、ナガサワ(家具制作(置き家具のみ))、studio arch(特殊家具設計制作)、SHIMURAbros(エントランスアート)/施工者:ミライズ/延べ面積:381.63m2/施工期間:2023年10月~2024年2月/開業日:2024年4月1日/主な雑誌掲載:新建築2024年11月号

開催決定! 設計者による「プレゼン総選挙」

 今回は投票の参考として、ノミネート建築の設計者によるライブ解説の会を設ける(オンライン配信)。開催日時は2月1日(土)19:00~20:30で、ほとんどの設計者が出演してくれる予定だ。無料で登録も不要なので、下記をクリックしてぜひ見てほしい。

YouTubeURL→https://www.youtube.com/live/XieqK9uJVRM

 投票の最終結果は、2月10日(月)13時に東京・湯島の国立近現代建築資料館で発表した後、本サイトで報じる予定だ。

 なお、第2回の実施に当たっては、文化庁とJINSにご協力をいただいております。

※メディアの方へ──本記事中の推薦コメントおよび写真は、各クレジットを明記していただければ貴メディアへの転載が可能です。転載したい場合はこちらのメール(infobunga409@gmail.com)までご連絡ください。また、上記の発表会(@国立近現代建築資料館)を取材していただける方も同様に願います。発表会には「大賞」および「推薦委員会ベスト1」に選ばれた設計者の方にお越しいただく予定です。

投票の結果はこちら↓(2025年2月10日追記)。

速報「Ginza Sony Park」ついに全公開、一歩を踏み出した“プラットフォーム”としての建築

 Ginza Sony Park Project(銀座ソニーパークプロジェクト)は、プロジェクトの最終形となる「Ginza Sony Park」を2025年1月26日(日)にグランドオープンします──。という文面は、内覧会の案内メールからコピペしたものだ。建設している段階から、いや更地のときからずっと続いていたソニーらしい情報発信の“最終形”が1月26日にいよいよ全公開となる。今までは前哨戦。ここからが本当の勝負だ。

いやが上にも比較される運命にある「Ginza Sony Park」と、かつての「銀座ソニービル」(写真:左は宮沢洋、右は磯達雄)
グランドオープン後初の展示は「Sony Park展」。Part1:2025年1月26日~3月30日。Part2:2025年4月20日 ~6月22日。開園時間11:00~19:00。場所Ginza Sony Park : B2/3F/4F。入場無料。事前予約制(写真:宮沢洋、以下も)

 1月23日の夕方に内覧会に行ってきた。そのリポートである。

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越境連載「クイズ名建築のつくり方」19:横浜港大さん橋国際客船ターミナルの薄い鉄板はどうつなぎ合わせた?

 壁と床がなだらかな自由曲面で連続する横浜港大さん橋国際客船ターミナル。実は、国際公開コンペで衝撃を与えた当選案とは異なる構造形式で実現した。当選後の検討の結果、薄い鉄板を用いた「折板構造」に変更。鉄板の変形を防ぐため、通常の溶接を使わずに施工された。

Q.通常の溶接を使わずに薄い鉄板同士をどうつなぎ合わせた?

(1)重なりしろに鉄の鋲(びょう)を打ってつないだ
(2)重なりしろに小さな穴を空け、ワイヤを巻いてつないだ
(3)重なりしろに強力な接着剤を塗ってつないだ

(イラスト:宮沢洋)

 答えはこちら

寒さで注目広がる『湯けむり建築五十三次』、NHK「いまほん」やラジオ出演、WEB企画も

 宮沢が昨年11月に上梓した『イラストで読む 湯けむり建築五十三次』がじわじわと話題になっている。あんなに暑かった夏がどこへやらの寒さのせいだろうか。年を越えてから、立て続けにいくつかのメディアから声がかかったので、お伝えしておきたい。

(1)ニッポン放送の「おしゃべりラボ」に1月18日(土)7:40~8:00に出演

番組パーソナリティーの中村陽一氏(立教大学名誉教授で社会デザイン学会会長)と残間里江子さん(プロデューサー)に挟まれて。残間さんが建築にすごく詳しくて、番組合間の話の方が面白かったかも

 ニッポン放送の~しあわせSocial Design~」という番組に呼ばれて『湯けむり建築五十三次』の話をしてきた。放送は1月18日(土)の朝。こんな番組だ。

「おしゃべりラボ~しあわせSocial Design~」では、私たちの暮らしをちょっと明るくする仕組みをゲストの方をお迎えしながら楽しくご紹介していきます。日々の暮らしに”気づき”を持たせる「Social Design研究所」です。
パーソナリティー:中村陽一 (社会デザイン学会会長)、残間里江子 (プロデューサー)

 午前 7:40~8:00と朝早い番組なので、1月18日以降にWEB上の「radiko」で聴くのが現実的だと思う(ただし放送から7日以内)。

radiko→ https://radiko.jp/r_seasons/10002345

 ちなみに宮沢は翌週の1月25日(土)7:40~8:00にもこの番組に出演予定で、この日は1月27日(月)から投票が始まる「第2回みんなの建築大賞」の話をする。

(2)ライフルホームズプレスで「日帰り温泉の聖地」短期連載

 これは、書籍からの抜粋+一部加筆のWEB記事。すでに初回は公開されている。

大分県竹田市「長湯温泉」で湯につかり、建築も楽しむ。『湯けむり建築 五十三次』の著者が教える日帰り温泉の聖地①

「御前湯」(設計:象設計集団)の外観(イラスト:宮沢洋)

 第2回は、1月19日(日)に公開の予定。

(3)NHK「いまほん」出演予定

 NHKの朝早い番組で、「いまほん」という本の紹介番組の収録を先日してきた。自分では見たことがないのだが、書籍の売れ行きにかなり影響のある企画らしい。こんな内容だ。

▼主旨:
今どんな本が人気を集めているのか、売れている本をダイジェストで紹介するとともに、話題になりそうな本を1冊取り上げ、著者や編集者のインタビューなどを交えて、今の流行を多角的に伝えます。
▼概要:
○番組名 :「いまほん」
○内容時間:3分35秒
○放送枠 :NHK 総合テレビ 地域各局「ニュース610」(午後6時台のニュース内)
首都圏「ひるまえほっと」(午前11時台)
※「ニュース610」以外の時間帯でも、地域向けに放送することがあります。
▼番組内容:

○前半「いまほんランキング」(50秒程度)
・大手書店発表の本のランキングを紹介
(総合、文庫、新書などから1分野の1位から10位)
○後半「いまほんリポート」(2分50秒程度)
・その時注目されている新刊などを著者や編集者のインタビューを交えて紹介します。
・著者のインタビューと書籍のページの接写で番組を構成します。

…という内容で、後半2分50秒に宮沢が登場するようだ。

こんな部屋で収録した。担当ディレクターの方がこの本を知って、実際にいくつかの温浴施設に行ってみたそう。そんな人にお招きいただき、うれしい!

 放送は少し先の3月中旬〜下旬になるとのこと。「放送の日時は、事前にお伝えすることができません。あらかじめ、ご了承ください」とのことなので、いつ流されるのか、本当に採用されるのかは言えない。たまたま目にした方は「ああ、これのことだったのか」とご笑覧ください。宮沢の顔がメディアに出るのは極めて稀なので、かなりの幸運(不運?)。そして、書籍そのものが読みたい、という方はぜひ下記をポチってください。損はさせません!(宮沢洋)

内藤廣連載「赤鬼・青鬼の建築真相究明」第10回:言葉の壁──ふんふん、なかなかいいこと言ってる…

連載のゴール(3月)が見えてきて、赤鬼・青鬼も少しお疲れの様子。今回は正月特別再放送的な趣向です。じっくりと画像をご覧になって、言葉の海に浸ってください。(ここまでBUNGA NET編集部)

[赤] あと何回書けばいいのかなー。

[青] あと3回だよ。毎月書いてきて少し疲れた。

[赤] 今回は手抜きで行くか。どっかで少し疲れたら一回ぐらいお休みするつもりで出そうと思っていた企画だね。

[青] 益田の展覧会で大きな壁に貼り出した「言葉の壁」。最初は、十年以上前に、ギャラリー・間の展示の時にやったんだよね。違うバージョンだけど、富山県美術館で小さな展示を頼まれた時もやった。

[赤] ありがたいことに、けっこう読んでくれる人も多かった。

島根県芸術文化センター「グラントワ」の島根県立石見(いわみ)美術館で2023年9月16日~12月4日に開催された「建築家・内藤廣/Built とUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」での「言葉の壁」。展覧会のリポートはこちら(写真提供:内藤廣建築設計事務所)
(さらに…)