発売前に重版決定、話題の写真集『津山 美しい建築の街』は書き下ろしの歴史編も圧巻

 発売前に重版(増刷)決定──。私(宮沢)もたくさんの本をつくってきたが、そんな経験はない。うらやましい。本日4月1日に山陽新聞社から発売となる、稲葉なおと氏の新刊『津山 美しい建築の街』の話である。

4月1日に発売となる『津山 美しい建築の街』の津山文化センターのページ。著者の稲葉なおと氏の了解を得て宮沢が撮影 (以下の写真も)
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越境連載「クイズ名建築のつくり方」05:梅田スカイビル、リフトアップ時の妙案は?

 2つの超高層ビルをつなぐ空中庭園展望台のリフトアップ工事で、 施工者が考えて実施した アイデアはどれ?

(1)リフトアップ当日まで 実施日を知らせず、街の人々を驚かせる
(2)リフトアップを数カ月間かけてジワジワ行い、話題性を長引かせる
(3)リフトアップをあらかじめメディアに告知し、全国的な話題にする

 答えはこちら。(しんこうWebに飛びます)

吉阪隆正展@MOTが開幕、イラスト会場図を手に「ひげから地球へ」

公立美術館では初の大規模展となる建築家・吉阪隆正の展覧会「吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる」が3月19日から東京都現代美術館(MOT、東京都江東区)で始まった。この展覧会では、宮沢が描いたイラスト会場マップが無料で配布されている。宮沢はまだ行くことができていないので、助っ人大学院生、大塚光太郎君(東京大学生産技術研究所)に会場リポートをお願いした。(ここまで宮沢洋)

(写真:宮沢洋)
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「(エンジニアリング)」に注目! 静岡県立中央図書館はC+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)が妹島氏に勝利

 静岡県は3月7日、「新県立中央図書館整備事業」の設計者を選定する公募型プロポーザルで「C+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)設計企業体」を最も優れた技術提案書に特定したことを県のホームページで公表した。次順位は妹島和世建築設計事務所の提案書だった。

県がホームページに掲載した「最も優れた技術提案書の概要(事務局による抜粋)」より

 県の発表はこちら

 静岡県は、2段階方式の公募型プロポーザルを昨年秋に公示し、昨年12月の1次審査で6者を選定。今年2月19日に6者の公開プレゼンテーションと2次審査(非公開)を行い、その結果を3月7日に公表した(以下、引用)。

◆特定結果

(1)最も優れた技術提案書を提出した者

・C+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)設計企業体 

(2)次順位の技術提案書を提出した者

・株式会社妹島和世建築設計事務所 

(3)その他の提案書を提出した者

・有限会社マル・アーキテクチャ

・株式会社平田晃久建築設計事務所

・遠藤克彦建築研究所・RIA設計共同体

・石本・畝森・針谷設計共同体

◆今後のスケジュール(予定)

令和4年3月   最も優れた技術提案書を提出した者と契約について協議

令和4年3月末~ 設計業務委託契約の締結

基本・実施設計 令和4年3月から令和5年9月

※提案内容がそのまま設計案になるものではありません。

◆審査員

審査委員長 長谷川 逸子 長谷川逸子・建築計画工房(株) 代表取締役

副委員長 北山 恒  横浜国立大学 名誉教授

千葉 学 東京大学大学院工学系研究科 教授

貝島 桃代 スイス連邦工科大学チューリッヒ校 教授

古瀬 敏 静岡文化芸術大学 名誉教授

岡本 真 アカデミック・リソース・ガイド(株) 代表取締役

是住 久美子 田原市図書館 館長

難波 喬司 静岡県副知事

県がホームページに掲載した「最も優れた技術提案書の概要(事務局による抜粋)」より

 3月7日に、審査委員長の長谷川逸子氏の審査講評も公表された。

 6作品はそれぞれ新しい考えを導入し優れた作品でした。 二次審査の後に審査委員で議論を繰り返した結果、22番を選びました。 最も優れた技術提案で総合的に優れている点や取組体制等を評価しました。 「静岡県の公共建築はできる限り県産材を使う」という県の方針があります が、図書館としての構造耐火や経済性から公募資料で強要しなかったにもかかわらず「天竜杉のハイブリッド木質構造の採用」に努力したいと記してあるこ とをはじめ、静岡の気候にあった外読書空間と内部との一体化や、静岡県を代 表する植物(旧東海道、三保)の松林等、この場からの歴史や地域性を捉え快 適さと関わるランドスケープデザインの導入など、静岡県の図書館をつくると いう意志が全体に貫かれていました。また審査時、発表者の明確に話す姿勢か ら、これから設計してゆくのに大切な“コラボレーションのためのコミュニケ ーション”も重要ということを合わせ考え、22番を一番に決定しました。(2022年2月21日 審査委員長 長谷川逸子)

設計JVの組み方と「(エンジニアリング)」に注目!

 と、この結果自体はいろいろなメディアが報じると思う。このBUNGA NETが注目したいのは、最優秀チームの設計JVの組み方だ。赤松佳珠子氏を中心とするC+Aと会田友朗氏率いるアイダアトリエのアトリエ系2組、そして、日本最大の設計事務所、日建設計のチームである。県の正式発表にある「日建設計(エンジニアリング)」という書き方に注目してほしい。これは「日建設計はエンジニアリング面のみで参加します」という意味だろう。

 それでも普通なら「C+A・アイダアトリエ・日建設計設計企業体」だ。なぜ、わざわざ「C+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)設計企業体」と書くのか。

 筆者は、昨年11月、『誰も知らない日建設計』という書籍を出した。住友財閥の営繕部門を起源として約120年の歴史を持つ日建設計が、初のデザイン戦略「日建デザインゴールズ」をまとめるまでのプロセスを描いたものだ。その取材の過程を踏まえ、筆者の書いてよい範囲でその意味を推測すると、この「(エンジニアリング)」という表現は、「これから日建設計はエンジニアリングだけでも仕事をとっていきますよ!」という対外的な宣言であると思われる。

 初版の「日建デザインゴールズ」には、計52のゴールズがあって、その中の1つにこういうものがある。

日建グループを開放系の組織に変え、プロジェクト単位で外部の人材を 積極的に取り入れたり、外部の人と仕事をすることで刺激を受け、 日建を内部から揺さぶる仕組みを デザインする(『誰も知らない日建設計』から引用)

 これ、まさに今回のJVの組み方ではないか。このゴールズの文言が実際に機能し始めたのだ。これまで、諸事情により日建設計がエンジニアリング面だけを担当することはあったものの、積極的にエンジニアリングだけを引き受けたことを明示することはまずなかった。そう、アトリエ建築家もこれからは、日建設計のエンジニアリング部門と組めるのである(多分)。

 うーん、いろいろ書きたいのだけれど、後はゴールズの文面から想像するか、日建設計と直接仕事の交渉をしてみてください。とにかくこれは、日建設計120年の歴史の中でも、結構大きな転換点であると日建設計ウオッチャーの筆者は思うのである。果たして「(エンジニアリング)」はこれからどうなっていくのか。もちろん、この図書館がどんな建築になるのかも注目だ。(宮沢洋)

越境連載「建築シネドラ探訪」18:向井理の真面目さは吉か裏目か?「10の秘密」は確認検査員が主役のざわざわドラマ

 「確認検査員」という“裏方”の仕事に脚光が当たるのは、建築関係者として喜ぶべきことなのかもしれない。でも、見ている最中、ずっと心がざわざわしてしまうドラマだ。今回取り上げるのは、2020年にカンテレ・フジテレビ系で放送された連続サスペンスドラマ、「10の秘密」だ。主演の向井理(おさむ)が、大手建設会社の“偽装”を知ってしまった確認検査員を演じる。

(イラスト:宮沢洋)

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映画「ドライブ・マイ・カー」が証明した谷口吉生氏「広島市中工場」のすごさ──建築シネドラ探訪番外編

 遅ればせながら、映画「ドライブ・マイ・カー」を見てきた。この映画、いろいろな人から「宮沢さんは当然見てますよね?」と感想を求められるので、「いやまだ…」と答えるのが辛くなった。なぜ私が見ていると思われるかというと、ロケ地の1つに「広島市環境局中工場」(2004年完成)が使われているから。そう、私の大好きな建築家、谷口吉生氏の設計による名建築だ。

(イラスト:宮沢洋、以下同)

 なるほど、物語として面白い。上映時間が2時間59分もあって、途中で飽きるのではないかと思ったが、全くそんなことはなかった。序盤のふわっとしたエピソードの意味が、それぞれ徐々に解明されていき、見終わると全体が腑に落ちる。実によくできている。

 村上春樹による同名の短編小説を、1978年生まれの濱口竜介監督が、自ら脚本を書いて映画化した。カンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞にノミネートされた。あのスティーブン・スピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」などと競う。発表は3月27日だ。

みさきが過去を語る重要なシーンで中工場が登場

 若干のネタバレを含むので、これから映画を見ようと思っている人は、後半の写真の辺りから読んでほしい。

 主人公は妻を亡くした俳優・演出家の家福悠介(かふくゆうすけ、演じるのは西島秀俊)。家福が、広島県の演劇祭に招かれ、専属ドライバーとなる寡黙な女性、渡利みさき(わたりみさき、演じるのは三浦透子)との交流の中で、過去を乗り越えていくという話だ。

 「広島市環境局中工場」(以下、中工場)が登場するのは中盤から終盤に向かう辺り。寡黙な渡利みさきが、自分の過去を初めて語る重要なシーンだ。

 演劇の稽古場でトラブルがあった家福は、運転手のみさきに「どこでもいいから車を走らせてくれないか」と言う。みさきは家福を中工場に連れていく。見学路である「エコリアム」を案内しながら、みさきは、「原爆ドームと平和記念公園を結ぶ平和の軸線を遮らないように設計されたそうです」と説明する(セリフは記憶で書いているので正確ではないかも。以下同)。

 みさきは5年前、18歳のときに地すべりで母を亡くした。母の呪縛から解かれたみさきは、免許を取ったばかりの車を運転して、あてもなく広島までやってきた。そして、この清掃局でドライバーとして働き始めた。そんな過去を語る。

 その間、5分間くらいだろうか、建物の外観や、美術館のような見学路、南側の階段状の広場などがたっぷりと映る。

 
 映画を見終わった後、これは村上春樹の原作にも描かれているのだろうか、と気になって、文庫(文春文庫の「女のいない男たち」に収録)を買って読んでみた。想像はしていたが、原作にはなかった。

 中工場のエピソードは濱口竜介監督の創作だ。産経新聞には、こんな裏話が載っていた。

 話題の「ドライブ・マイ・カー」の原作の舞台は東京で、主なロケ地としても、当初は韓国・釜山で決まっていたという。だが、新型コロナウイルス下で海外ロケが行えず、映画の設定となっている国際演劇祭の開催地に適した都市を探していたそうだ。(中略)

 特に濱口監督がほれ込んだ場所の一つが、河口の埋め立て地に建てられた美術館のような趣があるゴミ処理施設「広島市環境局中工場」だ。(中略)「建物内部の中央をガラス張りにし、平和都市の『軸線』を遮らずに海へと抜けるようにして浄化させていると説明したら、台本に書かれていてすごくびっくりしました。映画に出てくる女性ドライバーさんの大切な場所にもなっています」と西崎さん(撮影を支援した広島フィルム・コミッションの西崎智子さん)。
引用元の記事:カンヌ脚本賞の濱口作品も ロケ地・広島の磁力

なぜこのシーンで「中工場」なのか?

 前述したように、この映画はさまざまなエピソードが、後になって「伏線」として回収されていく。だが、この中工場については、ここを取り上げた理由が明確には説明されない。これだけ緻密な脚本を書く人が、「絵になるから」というだけで重要シーンに使うことはないだろう。なので、勝手にその意味を考えてみた。

 このシーンのカギは、みさきが工場内のクレーンやごみの山を見ながら言う「花びらみたいでしょう」というセリフなのではないか。そして、海に向かって伸びる見学路の先に見える光がもう1つのポイント。その空間は、長いトンネルのようでもある。

 みさきにとって、これまでの人生は「散っていくだけ」のものだった。来る日も来る日も散っていく作業を繰り返すごみ処理工場。しかし、心の底ではいつか光が訪れると願っている。光は遠くに確かにある。そんな思いをこのシーンに重ねたくて、ここをロケ地に選んだのではないか。

“美術館の名手”にごみ処理施設を発注した英断

 …と、そんなことは私の妄想に過ぎないので、せっかく中工場に興味を持ってくれた人のために、実際の写真を見ながら建築がらみのうんちくを1つ。

 この清掃工場がなぜ、谷口吉生氏の設計で実現したのか、である。通常、こういう施設は、過去に同種の実績がないと設計者選定の土俵に上がることはない。“美術館の名手”として世界に知られる谷口氏だが、ごみ処理施設の実績はなかった。

(“美術館の名手”についてはこちらの記事参考→谷口吉生氏設計の金沢建築館で「谷口美術館11」展、シャンとした会場に漂う「場の空気」

(写真:宮沢洋、以下も)

 この施設は広島市の「P&C(ピースアンドクリエイト)」事業の1つで、設計が特命(名指し)で谷口吉生氏に発注されたのだ。広島市が1995年から約2年間実施した事業で、正式名は「ひろしま2045:平和と創造のまち」事業という。以下、広島市の資料から引用。

 「ひろしま2045:平和と創造のまち」(以下、「P&C」という。)は被爆 50 周年を記念し、2045年のひろしまに向けて優れたデザインの社会資本を整備していこうとするものです。P&Cの目的は、広島の都市景観形成において重要と認められる本市の建設事業について、計画段階から建築、土木、ランドスケープ等のデザイン力に優れたデザイナーを選定・起用し、特徴ある自然環境を生かしながら、人々に潤いと安らぎを与え都市の風格を高めるような個性ある美しい都市景観の創造を推進していくことにより、広島のアイデンティティの形成を図ろうとするものです。

 P&Cは平成7年(1995 年)4月から開始し、平成9年(1997年)7月までに11事業13施設対象事業に指定し、平成20年度(2008年度)の安佐南区総合福祉センターの完成により、9事業10施設(以下参照)が完了しました。

① 安佐南区総合福祉センター/村上徹(デザイナー名、以下同)/2008年5月(完成年月、以下同)
② 基町高等学校/原広司/2000年3月
③ 矢野南小学校/富田玲子/1998年3月
⑤ 東千田公園/山本紀久/1999年3月
⑥猿猴川アートプロムナード/佐々木葉二/2007年8月
段原リバーフロント地区建築誘導/錦織亮雄/2007年3月
⑦ 中工場/谷口吉生/2004年2月
⑧ 西消防署/山本理顕/2000年3月
⑨ 市民てづくりの里/三田育雄/2001年3月
⑩ 宇品内港埋立地区高層複合住宅整備等/藤本昌也/2001年3月

 90年代には、公共建築の設計発注を、競争入札や設計競技ではなく、「特命」で行おうという機運が高まった時期があった。熊本県の「くまもとアートポリス」がその先駆けで、岡山県の「クリエイティブTOWN岡山(CTO)」や広島市の「P&C」などがそれに続いた。熊本アートポリスは当初、建築家の磯崎新氏が、CTOは岡田新一がそれぞれコミッショナーを務め、設計者選定の中心になった。広島市の「P&C」では、特定の1人の建築家ではなく、地元の学識経験者や都市整備局長、関係局長が設計候補者を検討した。

 そんな仕組みがなかったら、中工場のような建築が実現することはなかったし、この映画「ドライブ・マイ・カー」も全く違ったものになっていたかもしれない。

 「P&C」のことは覚えていたが、今回調べて、正式名称が 「ひろしま2045」であったということを思い出した。原爆投下から100年後の財産をつくるという意味だ。原爆ドームから平和公園を経て海に抜ける“平和の軸線”は、この映画によって世界に知られる共通財産となったと言ってよいだろう。映画内では名前が出ることはないが、中工場の設計者である谷口吉生氏と、同氏を設計者に推薦した誰かに、改めて敬意を表したい。(宮沢洋)

越境連載「イラスト名建築ぶらり旅」06:伝統と革新の京都を目と舌で味わう──THE HIRAMATSU京都

 え、ここがホテル? 約束の時間にメモの場所に行くと、案内役の西澤崇雄さん(日建設計エンジニアリング部門 サスティナブルデザイングループ ヘリテージビジネスラボ)が建物の前で待っていた。西澤さんがいなければ、呉服屋か美術商かと思って通り過ぎたかもしれない。

 訪れたのは2020年3月に開業した「THE HIRAMATSU京都」。続きはこちら

(イラスト:宮沢洋)

速報:審査白熱!宮崎浩氏の長野県立美術館が「日本建築大賞」に

 2月25日の午後4時半ごろ、2021年度の「JIA日本建築大賞」が宮崎浩氏(プランツアソシエイツ)の設計による長野県立美術館に決まった。

右側が長野県立美術館。既存の東山魁夷館(左)とブリッジでつないだ(写真:特記以外は宮沢洋)

 審査の様子がオンライン中継されていたので知っている人は知っていると思うが、報道としてはたぶん、一番の速報だと思う。中継を見て書いているわけではない(だったらもっと早く上げている)。筆者(宮沢)が審査員の1人だったのだ。審査員は下記の5人。

・佐藤 尚巳(建築家、審査委員長)
・松岡 拓公雄(建築家)
・原田 真宏(建築家)
・田原 幸夫(建築家/建築保存再生学)
・宮沢 洋(編集者)

 書類選考を経て、下記の6件を対象に現地審査を実施。コロナ禍であることを踏まえ、事前投票で3件に絞って最終の公開プレゼンと公開審査を実施した。

・MIYASHITA PARK/設計:竹中工務店 日建設計(プロジェクトアーキテクト)
・三組坂flat/設計:伊藤博之建築設計事務所
・山王のオフィス/設計:studiovelocity
・長野県立美術館/設計:プランツアソシエイツ
 →最終選考
・新富士のホスピス/設計:山崎健太郎デザインワークショップ→最終選考
・熊本城特別見学通路/設計:日本設計→最終選考

 ここでは最終選考に残った3件の写真を掲載する。

長野県立美術館/設計:プランツアソシエイツ

 まず、大賞の「長野県立美術館/設計:プランツアソシエイツ」。これは建設中から本サイトでも紹介しているので、そちらの記事も見てほしい。

現場ルポ:新生「信濃美術館」は独自の高断熱サッシで善光寺を存分に見せる

新生・長野県立美術館で「宮崎浩展」開幕、渾身の「つなぎ方」を展示とリアルで実感

 設計者選定のプロポーザルについては下記の記事が詳しい。

プロポの在り方を問いただす 信濃美術館設計プロポーザルでプランツがSANAAを抑える(日経クロステック2017.06.21)

熊本城特別見学通路/設計:日本設計

 続いて、「熊本城特別見学通路/設計:日本設計」。

新富士のホスピス/設計:山崎健太郎デザインワークショップ

 最後に「新富士のホスピス/設計:山崎健太郎デザインワークショップ」。

プレゼン資料より(写真:黒住直臣)
プレゼン資料より(写真:黒住直臣)
プレゼン資料より(写真:黒住直臣)
プレゼン資料より
プレゼン資料より(写真:黒住直臣)
プレゼン資料より(写真:黒住直臣)
プレゼン資料より(写真:黒住直臣)

 
 ということで、公式な審査講評はそのうち公表されると思うので、そちらをお楽しみに。

過去10年の大賞受賞作は?

 ちなみに、審査員を引き受けるにあたり過去10年の大賞受賞作を調べてみたので、ご参考まで。

■2011年度(審査委員:石堂 威・斎藤 公男・三宅 理一)
<日本建築大賞>
ホキ美術館
設計者:山梨 知彦 、中本 太郎、鈴木 隆、矢野 雅規、向野 聡彦 (いずれも日建設計)
建築主:株式会社 ホキ美術館
施工者:株式会社 大林組

■2012年度(審査委員:斎藤 公男・三宅 理一・大森 晃彦)
<日本建築大賞>
竹の会所
設計者:陶器 浩一(滋賀県立大学)
建築主:滋賀県立大学陶器浩一研究室
施工者:滋賀県立大学陶器浩一研究室+たけとも+髙橋工業

■2013年度(審査委員:三宅 理一・大森 晃彦・長谷川 逸子)
<日本建築大賞>
実践学園中学・高等学校 自由学習館
設計者:古谷 誠章(早稲田大学)、八木 佐千子(有限会社ナスカ)
建築主:学校法人実践学園
施工者:大成建設株式会社

■2014年度(審査委員:大森 晃彦・深尾 精一・槇 文彦・長谷川 逸子・西沢 立衛)
<JIA日本建築大賞>
山鹿市立山鹿小学校
設計者:工藤 和美、堀場 弘(いずれもシーラカンスK&H株式会社)
建築主:山鹿市
施工者:光進・相互建設工事共同企業体

■2015年度(審査委員:長谷川逸子(審査委員長)・深尾精一・磯達雄・西沢立衛・富永譲)
<JIA日本建築大賞>
大分県立美術館
設計者:坂 茂、平賀 信孝、菅井 啓太(いずれも株式会社坂茂建築設計)
建築主:大分県知事 広瀬勝貞
施工者:鹿島建設・梅林建設建設共同企業体

■2016年度(審査委員:深尾精一(審査委員長)・磯達雄・西沢立衛・富永譲・相田武文)
<JIA日本建築大賞>
ROKI Global Innovation Center -ROGIC –
設計者:小堀 哲夫(株式会社 小堀哲夫建築設計事務所)
建築主:株式会社ROKI 代表取締役社長 島田 貴也
施工者:大成建設株式会社

■2017年度(審査委員:富永譲(審査委員長)、磯達雄、後藤治、相田武文、淺石優)
<JIA日本建築大賞>
道の駅ましこ
設計者:原田 麻魚、原田 真宏(いずれもMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)
建築主:益子町長 大塚朋之
施工者:株式会社 熊谷組首都圏支店

■2018年度(審査委員:相田武文(審査委員長)、淺石優、木下庸子、後藤治、橋本純)
<JIA日本建築大賞>
NICCA INNOVATION CENTER
設計者:小堀哲夫(株式会社 小堀哲夫建築設計事務所)
建築主:日華化学株式会社 代表取締役社長 江守康昌
施工者:清水建設株式会社 北陸支店

■2019年度(審査委員:淺石優(審査委員長)、木下庸子、ヨコミゾマコト、後藤治、橋本純)
<JIA日本建築大賞>
古澤邸
設計者:古澤 大輔(リライトD/日本大学理工学部建築学科)
建築主:古澤 大輔
施工者:株式会社TH-1

■2020年度(審査委員:木下庸子、佐藤尚巳、手塚貴晴、田原幸夫、橋本純)
<JIA日本建築大賞>
京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)
設計者:青木 淳(AS)、西澤 徹夫(株式会社西澤徹夫建築事務所)、森本 貞一(株式会社松村組大阪本店)、久保 岳(株式会社昭和設計)
建築主:京都市
施工者:株式会社松村組大阪本店

越境連載「建築シネドラ探訪」17:石原裕次郎が”未来のコルビュジエ”演じた映画「風速40米」、公開年は東京タワー完成の年

 作家で元・東京都知事の石原慎太郎が亡くなった。享年89歳。このニュースの中で、20代前半の石原慎太郎と弟の石原裕次郎(1934~1987年、享年53歳)が並ぶ写真を見て、裕次郎のあまりのキラキラぶりにこの映画を思い出し、見てみたくなった。1958年に公開された「風速40米(メートル)」だ。

(イラスト:宮沢洋)

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